タクシードライバー

たくしーどらいばー|Taxi Driver|Taxi Driver

タクシードライバー

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レビューの数

181

平均評点

78.7(1585人)

観たひと

2449

観たいひと

154

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1976
公開年月日 1976/9/18
上映時間 114分
製作会社 ビル/フィリップス・プロ作品
配給 コロムビア映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

大都会・ニューヨークを舞台に、うっ屈した生活を送る1人のタクシー・ドライバーが、自分の存在を世間に認めさせようと『行動』を起こす心のプロセスを追う。製作は「スティング」のマイケルとジュリア・フィリップス、監督は「アリスの恋」のマーティン・スコーシージ、脚本は「ザ・ヤクザ」のポール・シュレイダー、撮影はマイケル・チャップマン、音楽はバーナード・ハーマン、編集はマーシア・ルーカスがそれぞれ担当。出演はロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ピーター・ボイル、ジョディ・フォスター、アルバート・ブルックス、ハーヴェイ・カイテルなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ニューヨーク。毒々しい夜の色彩と光の洪水に飾りたてられたその『闇』をじっと見つめる虚ろな、しかし熱っぽい感情をこめた視線があった。彼の名はトラビス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)、タクシーの運転手である。彼は他の運転手のように仕事場をきめていない。客の命令するまま、高級地区だろうと黒人街だろうと、どんなところへも行く。そんなトラビスを、仲間たちは守銭奴と仇名した。ある日、トラビスは大統領候補パランタインの選挙事務所に勤める美しい選挙運動員ベッツィ(シビル・シェパード)に目をつけた。数日後、彼は事務所をたずね、選挙運動に参加したいとベッツィに申し込み、デートに誘うことに成功した。だが、デートの日、トラビスはこともあろうに、ベッツィをポルノ映画館に連れて行き、彼女を怒らせてしまったのだ。以来、トラビスはベッツィに花を贈ったり、電話をかけても、なしのつぶてだった。毎日、街をタクシーで流すトラビスは、「この世の中は堕落し、汚れきっている。自分がクリーンにしてやる」という思いにとりつかれ、それはいつしか確信に近いものにまでなった。そんなある日、麻薬患者、ポン引き、娼婦たちがたむろするイースト・ビレッジで、ポン引きのスポート(ハーヴェイ・カイテル)に追われた13歳の売春婦アイリス(ジョディ・フォスター)が、トラビスの車に逃げ込んできた。トラビスはスポートに連れ去られるアイリスをいつまでも見送っていた。やがて、トラビスは闇のルートで、マグナム、ウェッソン、ワルサーなどの強力な拳銃を買った。そして射撃の訓練にはげみ、やがて4丁の拳銃と軍用ナイフを身体に携帯し、それらを手足のように使いこなせるまでになった。ある夜、トラビスは食料品店を襲った黒人の強盗を射殺した。この頃から、彼はタクシー仲間から『キラー』と呼ばれるようになった。そしてアイリスとの再会。泥沼から足を洗うように説得するトラビスは、運命的な使命を信じるようになった。大統領候補パランタインの大集会。サングラスをかけモヒカン刈りにしたトラビスが現われ、拳銃を抜こうとしてシークレット・サービスに発見され、トラビスは人ごみを利用して逃げた。ダウンタウン。トラビスはスポートの売春アパートを襲撃、重傷を負いながらもスポートをはじめ、用心棒、アイリスの客を射殺した。アイリスは救われ、新聞はトラビスを英雄扱いにした。やがて、トラビスは何事もなかったように、またタクシー稼業に戻るのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2018年7月下旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第1弾 1970年代外国映画ベスト・テン:ベスト19グラビア解説

2011年10月上旬号

第二回 午前十時の映画祭:「タクシー・ドライバー」「夜の大捜査線」

1976年10月下旬号

外国映画批評:タクシー・ドライバー

外国映画紹介:タクシー・ドライバー

1976年9月下旬号

特別カラー・グラビア:「タクシー・ドライバー」

グラビア:「タクシー・ドライバー」

特集 「タクシー・ドライバー」:1 「タクシー・ドライバー」と恐怖の街

特集 「タクシー・ドライバー」:2 撮影中のスコーシージ監督に聞く

特集 「タクシー・ドライバー」:3 M・スコーシージの過去・現在・未来

特集 「タクシー・ドライバー」:シナリオ

1976年8月上旬号

キネ旬試写室:タクシー・ドライバー

1976年5月上旬号

グラビア:「タクシー・ドライバー」

2025/05/30

2025/05/30

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


ヒーローと悪漢は紙一重。

2025/04/30

2025/04/30

91点

選択しない 


不眠症

素晴らしい映画を観ると語りたくなるものだが、この映画は口をつぐませてしまう。それは、デ・ニーロはじめとする役者陣の名演技、隙のない演出、ドラマを縁取る音楽、主人公トラヴィスの置かれている底辺の人間の普遍的な鬱屈を114分で描き切った脚本の名建築のような完璧さがそうさせるのかもしれない。稚拙な文章でこの映画を語ってはいけないと思わせる。観るのが良い。理解したいのなら観るのがいちばん早い。若かったり、挫折を一度も知らないとこの映画を理解できないかもしれない。その時は時間をおいてもう一度観て欲しい。
この映画がつくられてから50年が経とうとしているが、現代人の不眠症は治る様子もない。

2025/04/15

2025/04/15

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


銃に売春、男の子のものがたり

昼と夜のNYにジャジーな音楽、台詞回しも何言ってんの分かんない所が、詩的な映画でした。
時代背景がベトナム戦争後のボロボロのアメリカで、現代日本に通ずるものがある感じがします。
トラビスが撃たれた後は全てトラビスの見ている夢だと解釈されている方がいて、色んな解釈がされるのも優れた映画の証かと。
無二感マシマシなのもこの映画の評価ポイントです、いつか公開禁止みたいな世界が来るかもしれませんね。

2024/04/19

2024/04/24

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


よかれあしかれ

◎ この映画の出演時まだ中学生ぐらいだったジョディ・フォスターの演技が話題になるが、デ・ニーロもなんとも若い。20代の不眠症の青年を演じるのだが、前半ではあの不気味な笑いも封じて瑞々しい好青年ぶりである。それだけに物語が進むにつれての彼の変貌ぶりが際立つ。
◎ こんなにすごい事件を起こしていながら、また一人のタクシードライバーに戻っていくという結末もすごい。よかれあしかれここはニューヨークなのだ。

2024/03/29

75点

映画館/東京都/早稲田松竹 


いま改めて観てみると・・・

おそらく本作を見直すのは中学生の頃以来、17,8年ぶり。そして35ミリプリントで劇場スクリーンとなると初めてな気がする。そして記憶にある本作の印象が全く違うことにも驚いた。

明確に描かれたわけではないが、トラヴィスはベトナム戦争の帰還兵であり、今でいうPTSDを患っているように感じた。時代が第一次大戦の復員ならばウォルシュ『彼奴は顔役だ!』と同じ展開。国の為に命を賭けた結果がコレか、と。禁酒法時代ならば密造酒でギャングになる道があったろうが、トラヴィスには何の道もない。荒みきったニューヨークを生きるゴミくずの1人であり、そんなゴミくずを一掃したい。何ならデモで声を上げることもできたろうが、トラヴィスが選んだのは選挙を控える代議士の応援である。といっても、彼の感心は政治ではなく、選挙事務所に勤める美女なのだが、結果として政治への参加になるのが興味深い。

結局のところ、トラヴィスの未遂に終った代議士の襲撃も、完遂できた幼い娼婦を救うことも、彼の中ではどちらも同じこと。襲撃犯として捕まるのも、売春斡旋者たちを殺害するのも、どちらもトラヴィスによる社会参画でしかない。運よく社会の中でヒーロー、もとい善行の人となったようがだが、果たして彼の世界は変わったのか。きっと、なんら変わっていないのだろう。相変わらずニューヨークはゴミくずだらけで、その一掃を漠然と願い続ける。そんな未来が見えた。

わたしが中学生の頃はPTSDなんて一般的ではなかったし、ロバート・デ・ニーロの狂気を孕んだ芝居の印象ばかりで、トラヴィスについて全く見えていなかった気がする。そして、今回、トラヴィス像を決定づけたのはバーナード・ハーマンのスコアーである。

ネオン眩いニューヨークの夜をタクシーで流すトラヴィスの心象風景は、憂いの感じるジャジーな音楽とシンクロするかのようだった。そもそも、本作の劇伴がバーナード・ハーマンだと認識したのも今回のこと。驚くと同時に納得。本作が傑作なのは音楽の力も大きいと思う。

思えば70年代のアメリカ映画をたくさん見漁ったのは中学生の頃で、いま改めて観るといかに当時の社会を知ることができるのか。いい機会にニューシネマ再発見をしたい気になった。

2024/03/23

2024/03/24

83点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


暗い夜道の寂しさ

タクシーの運転席に沈み込んでいれば、夜の暗闇から逃れ安全な空間にぬくぬくと居られる。でも、一歩外に足を踏み出すと、途端に襲いくる孤独。たまらず同僚に人生って相談を持ちかけるも、同じ低層階級の人間では答える内容はしれている。なんとかこの生活から抜け出せねば…、焦りと無力感に苛まれ、あてどなく街を彷徨うしかない。
その姿はいつかの自分と同じ。痛々しさが強烈に胸を刺す。