オーロラの影響で過去の父と無線で会話が出来るという設定。
死んでしまった父。過去に介入を始めてしまう。
過去は変えられなくても、伝えられなかったなにかを伝えられたとか、トラウマを解消できたとか、そういう話でも充分なのに、この作品は暴走する。
父の事故死を救出した事で、大きく変化が起きる。母親が殺されるタイムラインとなる。父が容疑者になったりのてんやわんやで、現在の自分の危機も交えて、死ななかった父が救出に来るというお話。
うだつの上がらなかった人生も、妻と子供にも恵まれて、両親ともに現在で、弟は株でリッチになっている、という、超都合の良いラストになっていた。もっと感動作かと思っていたが、改めて見返して見ると、なんとも、勝手なストーリーである。
ファンタジーにもほどがある。
過去が変わると現在も変わる。写真であったり、そういうトリックは、バックトゥザフューチャーっぽい。どちらが先だったか分からないが、コメディー色が強くなる。
感動作に見せかけてコメディーでしたと言ってるような終わり方である。無線が流行った時代があった。今で言えば、ネットでチャットする楽しさのようなものだろうか。
この設定であれば、もっと、良い作品になり得たと思う。
クリストファーノーランが、フィールドオブドリームスと本作を融合させてインターステラーとして完成させたようにも思う。
火災で亡くなった背景には、主人公を救うかどうかの二択を迫られて、父は息子のために、自分の命を犠牲にする。そんなストーリーであるべきだ。
フェアじゃない。そんな気分が強くなった。