卒業(1967)

そつぎょう|The Graduate|The Graduate

卒業(1967)

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レビューの数

116

平均評点

76.9(724人)

観たひと

1139

観たいひと

60

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1967
公開年月日 1968/6/8
上映時間 106分
製作会社 M・ニコルズ/L・ターマン・プロ
配給 ユナイト
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

チャールズ・ウェッブの原作を、カルダー・ウィリンガムとバック・ヘンリーが脚色、「バージニア・ウルフなんかこわくない」のマイク・ニコルズが監督した悲喜劇。この作品で、マイク・ニコルズは、67年アカデミー監督賞を獲得している。撮影はロバート・サーティース、主題曲をポール・サイモン、そのほかの音楽を、デーヴ・グルーシンが、担当している。出演は、「奇跡の人(1962)」のアン・バンクロフト、ブロードウェイ出身のダスティン・ホフマン、TV出身で「シェナンドー河」など、2、3の作品に出演しているキャサリン・ロス、他にウィリアム・ダニエルス、マーレイ・ハミルトンなど。2019年6月7日より4Kデジタル修復版が公開(配給:KADOKAWA)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

学問でもスポーツでも、賞という賞を獲得して、ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は大学を卒業したが、それがなんのためなのか、彼は疑問を感じ、将来に対する不安でいらだっていた。だが、そんなベンジャミンの心も知らず両親は盛大なパーティーを催した。口先だけのお世辞やへつらいにいたたまれず部屋に逃げこんだベンジャミンを、ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)が追いかけてきた。彼女は、強引にベンジャミンを家まで送らせ、決して誘惑してはいないなどと口ではいいながら彼の前で裸になって、彼を挑発した。ちょうどそこへ、ロビンソン氏が帰ってきたので、その場は何事もなかったが、この誘惑はベンジャミンにとって強い刺激となり、数日後、彼は自分の方からデートを申し込んだ。こうして2人は、しばしばホテルで会うようになった。だが、この2人の関係は、ロビンソンの娘エレーヌ(キャサリン・ロス)が学校休みで戻ってから、大きくくずれていった。両親の勧めで、初めはいやいやながらエレーヌとつき合ったベンジャミンだが、その可憐さ、清純さに次第に本気で愛するようになった。娘の恋に嫉妬したロビンソン夫人は、ベンジャミンに娘とつき合ったら、自分との関係をバラすと脅迫した。しかし、この脅迫も、ベンジャミンをさらに激しい恋にかりたてるばかり。ついにロビンソン夫人は捨身の妨害に出て、ベンジャミンとの関係を明らかにした。ショックを受けたエレーヌは、学校へ戻った。そのエレーヌをベンジャミンは追った。だがそこは、ロビンソン夫妻が娘と結婚させようとしているカールという青年がいた。それでもベンジャミンは、エレーヌを追ったが、とうとうエレーヌとカールの結婚式が挙行されることになった。式は進み、クライマックスに達した時、ベンジャミンが飛び込んできた。両親や参列者を押しのけると、彼は花嫁を盗み出し、通りかかったバスに飛び乗った。バスは永遠なる結婚の幸福へと走り去った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2019年6月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「卒業 4Kデジタル修復版」

2011年9月下旬特別号

第二回 午前十時の映画祭:「卒業」「真夜中のカーボーイ」

1968年5月下旬号

新作グラビア:卒業

外国映画紹介:卒業

2025/07/20

80点

選択しない 


バスに乗ってからがリアル

私の誘惑に乗る様な男に娘をまかせるわけにはいかない。そんな母親のアン・バンクロフトにグルーチョ・マルクスの論理を見るような話。でも大学生、20才ぐらいの男なんてそんなものでしょう。そんな親子どんぶりしてしまう等身大の男の子をダスティン・ホフマンが好演している。
 クライマックスのキャサリン・ロスの花嫁強奪の場面が有名だが、ピュアな分だけハロルド・ロイドの『猛進ロイド』の方が感じが良い。ただ、教会向かう場面のダスティンの走る姿を捉えたカメラが秀逸。なかなか辿りつかない焦燥感が遠近感のない画像で感ぜられる。又、強奪後、二人が乗ったバスのラストが凄い。これからどうしようという不安が二人に滲むのだ。勢いだけでは生活はままならない。そういうリアルがある。お見事。サイモン&ガーファンクルの楽曲がピタリマッチしている。

2025/05/13

2025/05/14

80点

VOD/U-NEXT 


アメリカンニューシネマを再度見る連載②

有名大学を特待生として勉強もスポーツにも秀でた実績をあげ卒業し実家に帰ってきたベンジャミン(通称ベン)(ダスティン・ホフマン)。家族や知人・友人にちやほやされますが、彼は憂鬱な感情をいだいていました。「優秀な成績で卒業したのがどうした」「それより今後の展望がまったく描けない」というフラストレーションがたまっているのです。

父親の事業の共同経営者の妻、ロビンソン婦人(アン・バンクロフト)は   ベンを誘惑します。ロビンソン婦人も夫とはセックスレスでフラストレーションがたまっていたのです。
 
人生経験豊富なロビンソン婦人の命令口調の指示にしたがいながら、ついにベンとロビンソン婦人は情事のドロ沼に入り込んでいくのでした。

ここまでの展開であれば、エリート層のボンボン優等生とセレブ年増であるが美しいロビンソン婦人の単なる不倫のお遊びでかたつきます。

ただ二人のお遊びに共通しているのは、払いのけられないほどの「フラストレーション」にさいなまれていたのです。

この「フラストレーション」は既存ルールに縛れていて既定のレールにのっかり生きていくしかない、身動きできない二人の思いが伝わってきます。しかし二人はこの「ルール」を自ら破壊しました。

この破壊は、ベトナム戦争の「フラストレーション」と似ています。。

正義の戦いと思っていた戦争が、そうではないと知ったときのアメリカ国民のフラストレーションと同様なのです。

そうです。「フラストレーション」は破壊をうむのです。

ただこの作品は単なる不倫映画で終わらない恐ろしさをまとっていました。 ベンはあろうことかロビンソン婦人の娘エレイン(キャサリン・ロス)と付合い好きになる。

情事をした女の娘を。母は母、娘は娘と割り切ったのです。この考え方こそが、エリート臭さとボンボンの優待性気質が気持ち悪いほどにじみでています。

 エレインはベンと母親の情事を知りベンを拒絶します。しかし、おかしいのは「完全なる拒絶」をしないことです。ベンがエレインの大学の近くに住み毎日のように彼女を口説く。それにたいしてエレインは。ベンとキスをしたり「完全なる拒絶」をしないのです。

エレインは、ベンに心から愛されていると思っているのです。

みなさんは、この映画のラストシーンはハッピーエンドだと思いますか。私は断固として否です。二人の選択は、身の毛もよだつほどの嫌悪感にかられるのです。道徳、倫理というものではなく「生理的に無理」です。

ハッピーエンドと思った方は、二人のあらゆる壁をぶちやぶった純愛にひかれるとか、過去より未来、二人が幸せならいいと思うのでしょう。

すこし過激な記載になりますが、ベンは母と娘を割り切るというずうずうしさ。母も抱いて娘も抱く、本当に?

エレインも自分の母親を抱いた男に抱かれることを受けいれる女性の神経がわからないのです。

二人は、家族も友人も大切な人たちすべてを傷つけ裏切りました。誰からも祝福されない二人です。駆け落ちと思えばいいというかもしれません。しかしです・・・・

ベンとロビンソン婦人は、情事によって「ルール」を破壊しました。

ベンとエレインは、「ルール」も破壊しましたが、それより数段階上の「二人をとりまく世界」を破壊したのです。破壊しながら、二人の「理想」、若いからなんでもできる、二人がいいならいい、二人は愛し合っているから必ず幸せになれる。そう思い込んでいるのでしょう。

ベンとエレインの思い上がりには、弱者ベトコンを力の限り破壊する姿に重なり、「理想」の世界を作るアメリカの思い上がりが見えるのです。

自分たちだけの気持ち、思い、「理想」、それが絶対であるという心が、まるでベトコンを蹂躙するアメリカそのものだからです。それゆえ「生理的に無理」なのです。

この映画はまさにアメリカンニューシネマを体現しています。

次回は、スタンリー・キューブリック監督のSF大作「2001年宇宙の旅」です。ご期待ください。

2025/03/27

91点

VOD/U-NEXT 
字幕


青春の憂いと暴走

ネタバレ

アメリカン・ニューシネマの代表作には必ず記憶に残るセンセーショナルなシーンがある。
この映画も強烈なラストシーンがあまりにも有名で、今更語る必要もないほどだ。
同時にアメリカン・ニューシネマの作品はどれも変なシーンが必ずあるように思う。
『イージーライダー』はずっと変だし、『スケアクロウ』や『俺たちに明日はない』にも同様によく分からない滑稽なシーンがある。
この『卒業』だと両親から潜水服をプレゼントされたベンジャミンがプールの底に沈んでいくシーンだ。
大学を卒業して先行きの見えない不安に憂鬱になるベンジャミンの心を反映しているようにも、何も決めたくないと無言の抗議を表しているようにも見える。

人はどうしてかつて醜いと思っていた大人になってしまうのだろう。
卒業記念パーティーでナーバスになっているベンジャミンに、次から次へと両親の友人たちが無責任な言葉をかける。
自分も若い頃はそっとしておいて欲しいと願っていた時期があるだろうに。

パーティーの後、ベンジャミンは父親の仕事のパートナーであるロビンソンの妻に、車で送って欲しいと頼まれる。
ロビンソン夫人は自宅に着いた後も、ベンジャミンに部屋までついてきて欲しいと頼む。
そして突如裸になりベンジャミンを誘惑する。
しかし彼女の方から手出しはしない。
彼女はあくまでも自発的にベンジャミンの方から接近するように言葉巧みに彼を誘惑する。
怖気づいたベンジャミンは慌ててその場を去るが、やがて自らロビンソン夫人の沼にハマることになる。

この二人の際どい関係性に嫌悪感を抱く者もいるだろう。
目標もなくダラダラ生きるだけのベンジャミンにとっては、ロビンソン夫人の存在は大きな刺激であり、救いだったのだろう。
やがてロビンソン夫人の娘エレインが帰郷する。
ロビンソン夫人はエレインには近づくなとベンジャミンに釘を刺す。
が、両親からしつこくエレインを誘えと言われたベンジャミンは、仕方なく彼女をドライブに誘う。
初めベンジャミンはエレインに嫌われるような失礼な態度を取り続ける。
が、実はベンジャミンはエレインに想いを寄せていたのだ。
傷ついた彼女の姿にいたたまれなくなったベンジャミンは、すぐさま謝罪し態度を改める。
やがて二人は恋仲になる。

が、ロビンソン夫人が許すはずはなかった。
嫉妬にかられる彼女の姿は醜い。
彼女は娘に秘密をバラすとベンジャミンを脅す。
が、ベンジャミンは自らエレインの真実を打ち明ける。
本当の愛があれば乗り越えられると思ったのかもしれないが、ショックを受けたエレインはベンジャミンを激しく拒絶する。
弁明する間もなくベンジャミンは追い出されてしまう。

正直、ここまでは退屈なシーンも多かったが、ベンジャミンが開き直って狂気に走るあたりから俄然面白くなった。
ベンジャミンは両親にエレインと結婚するつもりだと話す。
もちろん、エレインが承知するわけがないのだが。

エレインの通う大学まで押しかけ、アパートを借り、彼女を付け回すベンジャミンは完全にストーカーだ。
が、エレインもまだ彼に未練があるらしく、邪険にすることが出来ない。
むしろ彼女自身も無理と知りつつ、彼と一緒になりたいと心の奥では思っているのだ。
やがて彼女は医学生のカールと結婚を決める。

知らされていなかったベンジャミンは、狂ったように結婚式場を探し回る。
そして有名なラストの教会のシーンに繋がる。

こんなストーカーまがいの男と可憐なエレインが結ばれるという結末はあまりにも現実的ではない。
が、やはりお互いの名前を呼び合う二人の姿には心を動かされる。

これも他のアメリカン・ニューシネマの作品同様に、理想のアメリカ像の崩壊を描いた物語である。
誰もが羨むであろう上流階級の家庭に生まれ、将来を嘱望されたベンジャミンが、一度の過ちで道を踏み外していく。
彼の過ちのせいで両親もロビンソン夫妻も幸せのレールから外れることになる。
バスに乗って逃亡するベンジャミンとエレインは幸福そうな笑みを浮かべる。
が、こんな後先考えない男と一緒になって、家族も捨ててしまったエレインが果たして幸せになれるのか。
ハッピーエンドのように見えて、実は二人の先には暗い道が続いているのだ。

バックに流れるサイモン&ガーファンクルの名曲『サウンド・オブ・サイレンス』がいつまでも耳に残った。

2023/11/23

2023/11/25

77点

VOD/U-NEXT 
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ちゃんと見てるようで観てない

映画史に残る名場面と音楽、それとキャサリン・ロス!
それだけで大満足の映画。
ただよく考えたら、二人の前途は洋々では無い。余韻を残すところはアメリカンニューシネマ。

ストリップ劇場でのエレインの頭上で披露されたオッパイダンスには爆笑してしまった。折角のいい場面が台無しだ。

2022/12/27

2022/12/27

65点

選択しない 

中学生の童貞少年の妄想を見ているような独善さ。

親の友人でもあるロビンソン夫人との肉体だけの関係からはじまり、娘を追いかけ回す。夫人との関係が旦那にバレるだけでも問題だが、そんなものお構いなしで娘と結婚しようとするひとりよがりさにはドン引き。

しかし、ラストシーンは印象的。

2022/05/09

2022/05/09

53点

選択しない 
字幕


自己憐憫パーティー

衝動と我執のみで人生をドライブする愚か者達が踊る姿を見せられているだけだが面白い。