『明日に向って撃て!』に続いての、ロバート・レッドフォード、ポール・ニューマン、ジョージ・ロイ・ヒル監督のトリオ作品。騙される快感がたまらない。とにかく初めて見たときは、ラストで仰天した。以後、観客を騙す作品は山ほどあるが、例えば『コンフィデンスマンJP』などのコンゲームもののルーツは、やはり本作だろう。もう何度も観ているので、結末まで分かっているが、それでもいまだに楽しめるのが凄い。アカデミー賞では、作品、監督、脚本など7部門受賞。歌曲・編曲賞受賞のテーマ曲「ジ・エンターテイナー」は、誰もが聞いたことのある、スタンダード・ナンバーだ。レッドフォードも主演男優賞にノミネートされた。
レッドフォード演じるフッカーは、若い詐欺師。当時30代後半のレッドフォードは、若々しく、初々しささえ感じられる芝居を見せる。一方、ニューマン演じるゴンドーフは、伝説的な詐欺師。初登場シーンは、映画が始まって30分位からだが、そのカットには笑った。現在のゴンドーフを的確に象徴している。フッカーを見る、ゴンドーフの、慈愛に満ちたような優しい表情が印象的だ。
表情の芝居としては、敵役ロネガンを演じるロバート・ショウとニューマンのポーカー勝負が素晴らしい。正に強面ポーカーフェイスのロネガンと、酔った振りして相手を煙に巻く、表情豊かなゴンドーフの騙しあいは必見。
ドラマ進行は、それぞれタイトルがついた章仕立て。相手を騙す下ごしらえも見せるので、観客はすっかりその映画的手法に騙されてしまう。それだけではない、観客には知らされないネタがあるからこそ、楽しめる。
ひとつ気になったのは、ブッカーの女癖。若い役なので女性には目がないのは仕方ないが、本作には必要かなと、感じていた。しかし、やはりそこにも仕掛けがあった。さすが脚本賞受賞作だ。
1974年キネマ旬報ベストテン第4位。読者選出第1位。