スケアクロウ

すけあくろう|Scarecrow|Scarecrow

スケアクロウ

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レビューの数

67

平均評点

75.6(446人)

観たひと

691

観たいひと

59

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1973
公開年月日 1973/9/22
上映時間 112分
製作会社 ワーナー映画作品
配給 ワーナー映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ヒッチハイクでアメリカ大陸を横断する2人の男の友情を描く。製作はロバート・M・シャーマン、監督は「哀しみの街かど」のジェリー・シャッツバーグ、脚本はギャリー・マイケル・ホワイト、撮影はビルモス・ジグモンド、音楽はフレッド・マイロー、編集はエヴァン・ロットマンが各々担当。出演はジーン・ハックマン、アル・パチーノ、ドロシー・トリスタン、アン・ウェッジワース、リチャード・リンチ、アイリーン・ブレナン、ペニー・アレン、リチャード・ハックマンなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

マックス(ジーン・ハックマン)とライオン(アル・パチーノ)が出会ったのは南カリフォルニアの人里離れた道路であった。マックスは6年の懲役を終えて刑務所から出てきたばかりだった。洗車店を始めるためにピッツバーグへ向かう途中、ちょっとデンバーに立ち寄って、たったひとりの肉親である妹コリー(ドロシー・トリスタン)を訪ねてみるつもりだった。ライオンの方は、5年ぶりに船員生活の足を洗って、デトロイトに置き去りにしたままの妻アニー(ペニー・アレン)に会いに行くところだった。今年5歳になる子供がいるはずだが、男か女さえも知らなかった。その2人は知り合ったとたん気が合った。こうして2人はコンビを組み、洗車屋を始めるために旅をする事になったが、途中、まずデトロイトとデンバーでのそれぞれの用事を済ませる事に相談がまとまった。トラックや汽車を乗り継いでデンバーに着いた2人は早速コリーを訪ねたが、そこで一緒に生活していたフレンチー(アン・ウェッジワース)という女にマックスはすっかりいかれてしまい、ライオンもコリーが気に入った。意気投合した4人は、これからずっと行動を共にしようという事になった。そのためにはまずマックスがピッツバーグの銀行に預けてある金を、ライオンと一緒に引き出しにいく途中、ライオンの妻のいるデトロイトに寄ればいい。ほんのひとときの別れだけれども、お別れパーティを盛大にやろうという事になり、ドンチャン騒ぎが始まった。そのことが原因で町の連中と喧嘩になり、マックスとライオンは30日間の強制労働を課せられた。それを終えると、2人は連れ立って目的地へ急いだ。ようやくたどりついた家の前で、まず電話をしてからと彼は公衆電話へかけ込んで彼女を呼んだ。だが、なつかしさと期待にあふれる彼の気持ちは一瞬にして吹き飛ばされた。アニーは5歳になろうとする男の子の顔を見ながら、出産直前に階段から落ちたために子供が死んで生まれてこなかった事、洗礼を受けていないその子は地獄に落ちたまま永遠に天国へは行けないだろう、そして自分は間もなく再婚すると大声でまくしたてた。それがアニーの悲しい嘘である事をライオンは知る由もない。電話を切ると、ショックを隠して、わざと明るくボックスを飛び出し、表で待ち構えていたマックスに生まれた子供は男の子であった事、しかし女房はすでに再婚しているので会うわけにはいかない事などを話して聞かせた。2人の行く先はもはやピッツバーグしか残っていなかった。ライオンの様子がおかしいのにマックスが気づいたのはその時だった。公園の大きな噴水のそばで子供たちと遊んでいたライオンは、その中の1人をいきなり抱き上げると、氷のような冷たい水の中にザブザブ入って行った。あわてたマックスが、彼を水の中から連れだした。かけつけた車で病院に収容されたライオンは正気に戻るまで当分の間精神療法が必要だという医者の診断であった。その時、マックスの心が決まった。洗車屋を始めるために貯金した金をそっくりそのまま親友の治療費につぎ込もうと。もうライオンとは永久に離れまいと。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024年2月号

COMING Old Pictures 旧作紹介:「スケアクロウ」

2005年9月上旬号

DVDコレクション:第211回 「スケアクロウ」「ナイトムーブス」

1974年8月下旬号

映画批評:キートンのマイホーム/スケアクロウ

1974年2月上旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:スケアクロウ/ジョニーは戦場へ行った/ブラザー・サン、シスター・ムーン/ジャッカルの日/ポセイドン・アドベンチャー/マクベス/探偵-スルース-/激突!/L・B・ジョーンズの解放/ラストタンゴ・イン・パリ

特別グラビア 読者のベスト・テン 外国映画:ジョニーは戦場へ行った/スケアクロウ/ポセイドン・アドベンチャー/ジャッカルの日/フォロー・ミー/探偵-スルース-/ブラザー・サン、シスター・ムーン/ゲッタウェイ!/ロイ・ビーン/激突!

1973年10月上旬秋の特別号

外国映画紹介:スケアクロウ

1973年8月上旬号

グラビア:ジェリー・シャッツバーグのスケアクロウ

ワイドディスカッション 「スケアクロウ」とワーナー映画綜合研究特集:双葉十三郎×小野耕世×河原畑寧×出目昌伸×黒井和男

シナリオ:スケアクロウ

2024/02/06

2024/03/24

70点

映画館 
字幕


静かな映画

ベトナム戦争が泥沼化して、アメリカン・ウェイが信じられなくなった心が荒廃してしまった時代にアメリカン・ニューシネマが台頭してきた。既成の制度なんぞくそくらえで、反体制的な主人公が多かった時代にこういうしみじみした作品は心に残る。

憎らしい悪党を葬り去ってスカッとするとか、気分がすっきりするとか言うんじゃないけど、こうやって静かに見るものに沁みてくる映画は良い。

演出と脚本が良いのだろうし、なによりジーン・ハックマンとアル・パシーノの好演がじんわりと観るものに人と人の繋がりがとても大事ということが伝わってくる。この時期のアル・パシーノは物凄く良い。彼の全盛期。
社会が荒廃しているときにこういうしんみりしてくるのは心に残る。今の時代には日本もこういう映画を作ってくれないだろうか。

2024/02/08

2024/03/14

79点

映画館/岐阜県/TOHOシネマズ岐阜 
字幕


名優2人

ジーンハックマンとアルパチーノの揃い踏み。なんと贅沢な。ラストはホロリ。

2024/02/18

2024/02/18

-点

映画館/東京都/立川 CINEMA CITY/TWO 
字幕


人の心が死んでいない男、マックス

中学生の頃、淀川長治さんが解説をしていた日曜洋画劇場が初見。この時とても感動して当時のマイベストムービーとなり、ぴあで名画座にかかるのを調べては何度も劇場に足を運んだ。自分にとって確実に感動を得られるという保証があったからだろう。

何に魅かれたか?愛に友情に生き方に不器用な男たちに独特な美学を感じたんだと思う。
どちらかと言うとマックスに自分を被せて見ていたかも知れない。刑務所で臭いメシを食ってきたくらいだから人間不信になる体験があったのだろう。人を容易には信用しない、そんな周囲にトゲトゲしいマックスがライオンを唯一心許せる友人と自分が認めるようになる。「最後の一本のマッチをくれたから」。こんな何気なさをすくいとる繊細さが心のどこかにある。そしてこの時交わした友情を様々な障害も乗り越えながら深めていくさまを丁寧に丁寧に描いているところに大いに心動かされた。

強い絆で結ばれた二人の男。マックス・ミラン(マックス)とフランシス・ライオネル(ライオン)。キャラクターとしては、どちらかと言えばアル・パチーノ演じるライオンの方がわかりやすい。そして自分の懐を狙う他人に目を光らせたかと思えば缶ビールをあおって周りを気にせずゲップをする超偏屈で、粗野でそれでいて繊細なマックスを、プライベートではイリノイ大学出身、俳優業の果てには小説家にもなったインテリ、ジーン・ハックマンが演技の程を振り絞って見せる。いいではないか。感動しないわけにはいかない。

ヴィルモス・ジグモンドの撮影もたまらなくいい。だだっ広い芝の斜面の俯瞰ショット。その前を横切る街道を挟んでじっくりと二人の出会いを見せる冒頭から引き込まれる。風で飛んでいくあの根無草がいい。そして内心おそるおそるか?渋々か?苦虫を噛み潰したような態度と表情でライオンにマッチの火を借りるに至るやりとりから旅を重ねていくショット。それにあのとぼけたような劇伴が被さるオープニングは何度見てもいい。

映画におけるエンターテインメント性が極端に肥大化した現代からするとこの作品などは小品なのだろう。しかし当時にしてみると小品には変わらないがこれは実に贅沢なキャスティングだった。久しぶりにスクリーンで観賞してしみじみと「昔はいい映画があったな」と懐かしく当時を振り返る時間が持てたことに感謝の気持ちを捧げたい。

2024/02/18

2024/02/18

76点

映画館/東京都/TOHOシネマズ日本橋 


午前10時の映画祭13にて鑑賞

やはりスクリーンで見るのはよい。アル・パチーノもジーン・ハックマンも若く、まさにこれからのタイミングの輝いている時期を切り取った、外せない作品。実は音楽も抒情に溢れて素晴らしい。

2024/02/10

2024/02/10

80点

映画館/東京都/TOHOシネマズ新宿 
字幕


ジーン・ハックマンは今どうしているだろう?

出所したばかりの男と、5年ぶりに妻の元に戻ろうとする男が、道中を共にする友情物語。洗車屋を夢見るマックスは粗暴で気難しく、まだ見ぬ我が子との対面を楽しみにしているライオンは陽気だがどこか寂しげである。そんな二人が、旅の途中で心通わせていく姿が細やかに描かれている。50年ぶりに再見。ジーン・ハックマンとアル・パチーノの演技は、15歳の頃と同様、65歳の胸にも強く刺さった。

2024/02/04

2024/02/04

70点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


怖がらせず、笑わせる

こういうバディものだと、悲劇的な終わり方が多くて、
この映画も、そういう終わり方と思ってたんだが。
記憶違いでした。この前観たのも最近だから、いい加減なものだ。

かかしはカラスを怖がらせているのではなく、笑わせている。なんて、実にうまい。


アル・パチーノが若い。

彼は良い歳のとり方をしていると思い、憧れる。