愛情物語(1955)

あいじょうものがたり|EDDY DUCHIN STORY|EDDY DUCHIN STORY

愛情物語(1955)

amazon
レビューの数

29

平均評点

70.4(148人)

観たひと

207

観たいひと

8

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / 伝記 / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1955
公開年月日 1956
上映時間 124分
製作会社 コロムビア映画
配給 コロムビア映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1930年から20年間にわたり甘美な演奏で全米を風靡した音楽家エディ・デューチンを主人公とした映画で、デューチンと親交のあったレオ・カッチャーがオリジナル・ストオリイを執筆し、サム・テイラーが脚色し、「ショーボート」「悲恋の王女エリザベス」のジョージ・シドニーが監督、「野郎どもと女たち」のハリー・ストラドリングが撮影、音楽は「ピクニック」のモリス・ストロフが担当している。なお、この映画の中のピアノ演奏は名手カルメン・キャヴァレロが吹き込んでいる。主演は「長い灰色の線」のタイロン・パワー、「ピクニック」のキム・ノヴァク、新人ヴィクトリア・ショウなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ピアニストとして身をたてるべく、エディ・デューチン(タイロン・パワー)は有名なセントラル・パーク・カジノのオーケストラの指揮者ライスマンを訪れた。かつてデューチンがパークシャの避暑地で演奏している時、ライスマンから賞賛されたからだ。しかしいくらライスマンでもすぐ就職させるわけにはいかなかった。当てがはずれてしょげかえったデューチンは、ふとグランド・ピアノが目にとまり、淋しい気持ちでピアノを弾き出す。ところがその調べを聞き入る1人の令嬢、大資産家の姪マージョリイ・オルリックス(キム・ノヴァク)が、事情を聞いて同情し、ライスマンに、オーケストラ演奏の合間にデューチンのピアノ演奏を入れてくれるように頼んだ。ライスマンは大切な客である彼女の申し入れを2つ返事で承諾する。このようなことからデューチンは楽壇に出ることができるようになり、2人の間も発展する。2人はやがて叔父夫婦の祝福を受けてめでたく結婚する。デューチンの楽壇での地位は益々重くなり、やがて愛児ピーターが生まれた。デューチンの喜びは大きかった。クリスマスの夜、演奏が終えてマージョリイが入院している病院にかけつけたデューチンは彼女が重態であることを知る。デューチンが来て間もなく、彼女は息をひきとった。マージョリー亡き後、彼の落胆はひどかった。彼は叔父夫婦にピーターをあずけ、バンドを率いて演奏旅行に出かける。その間に第二次大戦が勃発し、デューチンは海軍に入り、亡妻を一時でも忘れようと軍の演奏関係の仕事を一切断って、軍務に精励する。やがて終戦となり、ニューヨークに帰り、叔父夫婦の家を訪ねる。ピーターは既に10歳になっていた。ところが長い間、面倒を見なかっただけにピーターは彼になついてこない。その反対に英国の戦災孤児の美しい娘チキタ(ヴィクトリア・ショウ)に非常になついていた。しかし間もなく、父子の愛情は音楽を通じて温かいものが流れるようになる。デューチンは昔日の人気をとり戻したが、それと同時にチキタに対して愛情を抱きはじめる。ところがある日、デューチンはピアノの演奏中に左手のしびれを感じる。医者の診断を受けたところ白血病で余命いくばくもないと宣告をうける。デューチンはチキタとの結婚に悩んだが、しかし、チキタは結婚を承諾する。デューチンとピーターに対する深い彼女の愛情がそうさせたのだった。チキタとの結婚生活によってデューチンは幸福をとり戻したが、死期は刻々と迫って来ていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024/07/25

2024/07/25

76点

選択しない 


上手に泣かされる

エディ・デューチンというピアノ演奏家の伝記映画だが、音楽的見せ場はあまりない。愛妻や息子との愛溢れるエピソードが中心なのでこの邦題がハマる。 
 ジョージ・シドニーの泣かせよう、泣かせて見せましょうという狙いが見え見えなのだが演出が上手いので、やはり泣けてくる。その見せ場は大きく二つ。最初の妻キム・ノヴァクとの死別と公園のブランコで息子に自身の不治の病を伝えるところ。その前の不吉な予感を感じさせる風の描写も上手い。デューチンと息子のピアノ協奏からのエンドクレジットまでの流れも感心。
 こういった泣かせる見せ場以外でも印象に残るのはセントラルパークに初めてやってくる冒頭や戦場で地元の子に壊れたピアノで弾く場面。共に爽やかな良さがあり、デューチンを演じるタイロン・パワーが好演だった。

2022/08/01

2022/08/01

74点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


かつてのニューヨークと音楽が最高。

タイロン・パワーの指さばきがまるで本当に弾いているかのよう。音楽、撮影も素晴らしい。当時のニューヨーク、セントラル・パークも雰囲気最高。
鑑賞はNHK BSPだったが惜しむらくはマスターが酷い。アカデミー撮影賞にノミネートも納得、ニュープリントでスクリーンで観たら相当ポイント上がる気がする。
最後のコンサートのブラジルの演奏も、ラストの連弾もいずれも素晴らしい。
全く事前の知識なし・期待なしに観たがこれはみんなに観てほしい。甘々なストーリーはまあ置いておいて、撮影と音楽は本当に堪能できる。

2022/07/09

2022/07/09

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


二度泣ける

田舎から出てきたピアニストエディ(タイロン・パワー)が良家のお嬢さんジョリイ(キム・ノヴァク)と恋に落ち結婚するが、彼女は子供を出産したときになくなってしまう。そのトラウマを抱えたまま、子供を5年間も預けっぱなしにして再会するが、親子の断絶を生じる。
そして第二次大戦で従軍し、戦地で孤児と心を通わせたのを機に、子供と過ごすことを考える。しかし息子はチキータ(ヴィクトリア・ショウ)という女性になつき、父親には心を開かない。チキータの助けもあって徐々に子供との関係を取り戻すが、彼自身も病で長くないことを知る。チキータに愛を打ち明け、息子にも病気を打ち明ける。
最初の妻との別れの場面はぐっとくる。そして最後にチキータと息子と別れるときも感動的。
さすがに音楽があらゆる場面で効果的。
タイロン・パワー、キム・ノヴァク、ビクトリア・ショーの3人が素晴らしい。

2022/04/24

2022/04/24

65点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


ショパン「ノクターン第2番」で有名な本作。
ピアニストエディ・デューチンの生涯を綴る実話がベース。
作品は1956年の第29回アカデミー賞の各部にもノミネートされたようだが、その年は「八十日間世界一周」「ジャイアンツ」「王様と私」「十戒」と強敵揃い。
終戦10年余りなのにさすがアメリカの底の深さを感じる。ちなみにMy birthday year。
原題「The Eddy Duchin Story」の邦訳「愛情物語」は甘過ぎ。ピアニストとしての成功物語。
強いて言うなら「女子供を自分の都合で愛したつもりピアノ男の愛情物語」か。

2021/07/02

60点

選択しない 


エディ・デューチン物語

 一流のピアニストとして成功をおさめたものの、若くして亡くなったエディ・デューチンの伝記物語。
 ドラマは紅涙を絞ろうとするかのように、幸せと悲しみのアップダウンがいくつもあって展開が早く、駆け足で進む。それは合間にピアノ演奏をたっぷり楽しむためで、おおいに堪能できた。
 ピアノの演奏はタイロン・パワーではないということだ。だが、その演奏ぶりは本物のように見える。素晴らしい。

2021/06/08

2021/06/08

73点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


ハリウッド的にしっかり作られたベタな恋愛・家族物語、ショパンのノクターンが頭に響きます

この当時のアメリカ映画は分かり易く、一方のフランス映画は写実的ですね。人物の心情描写も台詞と顔の表情でテンポ良く明確に表現します、そこに余白が無い感じですね。演技の方も、宝塚が守り続けている感情極まった恍惚表情を、ここぞと言う場面で出してきます。と、皮肉っぽい事を書きましたが、当作品は、人生の色んな段階・経験をぎゅっと詰め込んで、ニューヨークの風景やソフトなジャズを背景に散りばめたバランスの良い作品だと思います。
アメリカ映画は、この後アメリカン・ニューシネマが現れ、私を痺れさせました(こちらの方が、私は好みです)。また、アメリカ映画に限らず、演技や演出も、余白・リズムが演者・作家により個性的になり、より幅が広がったと思います。