ハリウッド的にしっかり作られたベタな恋愛・家族物語、ショパンのノクターンが頭に響きます
この当時のアメリカ映画は分かり易く、一方のフランス映画は写実的ですね。人物の心情描写も台詞と顔の表情でテンポ良く明確に表現します、そこに余白が無い感じですね。演技の方も、宝塚が守り続けている感情極まった恍惚表情を、ここぞと言う場面で出してきます。と、皮肉っぽい事を書きましたが、当作品は、人生の色んな段階・経験をぎゅっと詰め込んで、ニューヨークの風景やソフトなジャズを背景に散りばめたバランスの良い作品だと思います。
アメリカ映画は、この後アメリカン・ニューシネマが現れ、私を痺れさせました(こちらの方が、私は好みです)。また、アメリカ映画に限らず、演技や演出も、余白・リズムが演者・作家により個性的になり、より幅が広がったと思います。