灼熱の魂

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灼熱の魂

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レビューの数

129

平均評点

81.3(586人)

観たひと

795

観たいひと

95

(C) 2010 Incendies inc. (a micro_scope inc. company) - TS Productions sarl. All rights reserved.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 カナダ フランス
製作年 2010
公開年月日 2011/12/17
上映時間 131分
製作会社 micro_scope
配給 アルバトロス・フィルム
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

レバノン出身の劇作家ワジディ・ムアワッドの原作を「渦」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。民族や宗派間の抗争、社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた歴史を背景に、その理不尽な暴力の渦中にのみ込まれていったヒロインの魂の旅を描く。出演は「パラダイス・ナウ」のルブナ・アザバル、「みなさん、さようなら」のレミー・ジラール。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

初老の中東系カナダ人女性ナワル・マルワン(ルブナ・アザバル)は、ずっと世間に背を向けるようにして生き、実の子である双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マキシム・ゴーデット)にも心を開くことがなかった。そんなどこか普通とは違う母親は、謎めいた遺言と二通の手紙を残してこの世を去った。その二通の手紙は、ジャンヌとシモンが存在すら知らされていなかった兄と父親に宛てられていた。遺言に導かれ、初めて母の祖国の地を踏んだ姉弟は、母の数奇な人生と家族の宿命を探り当てていくのだった……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2011年12月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「灼熱の魂」

Kinejun Select:「灼熱の魂」

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作24作品、72本の批評:「灼熱の魂」

2026/02/05

2026/02/07

80点

選択しない 


排他的な世界

ネタバレ

 レバノン内戦の凄絶さを描いた映画では「戦場でワルツを」というアニメがあったけどそれからやや遅れて公開された本作はアニメーションというオブラートがかけられていない分より一層凄絶な印象を受ける。実写映画であるということもそうだけど、内戦に翻弄されることになったある女の残酷な運命のドラマに言葉を失ったせいもある。
 異教徒(ムスリム)との男性との恋に落ちたばかりに周囲の人々はもちろん家族からも苛烈な扱いを受けるナワル。いや特に親族からの怒りと蔑みがむしろ一番強烈。一族の恥という意識が強いからだ。したがって彼女に同情してくれる者は誰もいない。恋人を目の前で射殺されたナワルの恨みによる行動が運命を変えていく。
 ナワルのその後の数奇な運命も強烈だけど、その運命のもとで生まれたふたりの兄妹もこの凄絶な母の運命を知ったときどう受け止めたであろう。映画ではすでにクライマックスに差し掛かっていたのでそこはそれほど突っ込んで描かれてはいなかったけど、アイデンティティが崩壊してもおかしくないほどのショッキングな事実だったと思われる。
 自分の出自の真実を知って絶望する子どもと悲しむ母という関係は「サラエボの花」を思いださせる。あれも内戦が生んだ悲劇を扱った映画だった。本作でのナワルの運命はいささか作り物めいてはいるけれどそれもこの排他的な世界の残酷さを強調するためだったと思われる。
 民族や宗教の対立の苛烈さと妥協点のなさを描いたドラマをみることほどつらいこともない。それは解決の糸口がどこにも見つけられないせいかもしれない。だからこそナワルが最後に双子にとっての父と兄に赦しを与える手紙が感動的に響くのだろう。

2025/07/01

2025/07/01

80点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 
字幕


どんでん返しというよりも

胸糞でもない、鬱でもない…。

え、えげつない…映画でした😭

よくできてると思い、高得点を付けました。が、

2度は観たくないかな。

2024/03/20

2025/05/13

80点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
字幕

めちゃくちゃ重てえ 吐くくらい凄惨
そんなことがあっていいわけが無い事の連続
1+1=1なんてことあるかよ

2024/08/27

90点

選択しない 


見どころは衝撃的なラスト

双子の姉弟ジャンヌとシモンの母ナウルが亡くなった。
母は姉弟に遺言を残していた。ジャンヌは父に、シモンは兄に母の手紙を渡さなければいけなかった。
母はレバノンの出身。父と兄に会ったこともない姉弟は、カナダからレバノンにそれぞれ旅立つのであった。
話の始まりはこんな感じでした。

徐々に暴かれる母ナウルの過去。世の中の方々が御存知の通りに、レバノンはキリスト教の右派とイスラム教の過激派が衝突して内戦が絶えない国だ。
劇中は凄惨なシークエンスが多数ある。このおぞましさ故に、観る側も恐る恐るではあるがどのような結末に至るか知りたくなるのである。

各映画レビューサイトをチェックすると、本作の評価は非常に高い。徹頭徹尾、主人公の姉弟が何をしたいかが明白だからだ。脚本的にも無駄な遊びが一切ない。それでいて、オムニバス形式で母の過去とレバノンの地で父と兄を探し回る姉弟を交互に映し出している。
これは上手い演出と思いました。適時、レバノンの移動先で母の身に何が起こったか教えてくれる。

結末はあまりにも衝撃的。忘れようがない。実は2度目の鑑賞でした。生々しさが甦ってしまいました。
個人的には、母が秘密を墓まで持っていく選択肢もあったのにとは思います。
でも、それなら映画にならないですね…。
この力作を観れたのだから、良しとします。

2024/02/23

2024/02/23

90点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


ミステリー仕立ての上手い作劇で今回も引き込まれてしまった。
多分レバノン内戦をモチーフにしているんだろうが、現在ガザで行われているイアスラエルとハマスの紛争の事を思うと余計に胸が締め付けられる。話としては出来すぎのようにも思えるが紛争で混沌とした社会では全く起きないとは言い切れないのが怖い。そんなヘビーな状況にもラストシーンでの母の愛の言葉が印象的。初期の監督作品ながらドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はやはりフェミニズムの人だった。

2024/01/12

2024/01/15

84点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 


印象的な眼差し

灼熱の魂

紛争の地に生まれた宿命に翻弄されながら、心折れずに生き抜いた主人公(母親)とその子供達の物語。

謎を追う双子の現在進行と、壮絶な母の過去がクロスしながらのミステリー展開が秀逸。

結末は衝撃的すぎるが、母の子に対する無情の愛を考えさせられる。
到底あり得ないフィクションながらも、違和感どころか、映画的なリアリティに高揚し余韻を残す。

ドゥニ監督が初期に、こんな骨太な劇作をしていたとは知らなかった。

これまでの作品でArrivalが特に好きだが、
この作品で絶妙に挟み込まれるプールシーンとかは、とてもドゥニ監督らしいと思う。
ショック後の双子が水に飛び込み、水中で弟の方が脚を抱えるイメージショットとか。
それと、印象的な眼差しのカット。
同じアングルで幾度となく描写されるが、出てくる度に状況が進展し、セリフが少なくても内面の心情変化が読み取れる。


それにしても、ここで描かれる中東世界。
敵とみなすと簡単に殺し、仲間と信じると、とことん助ける。同じ民族でありながら宗教対立が強固で見ていて恐ろしくなる。
母が言う「共にいることが何よりも大切」ってセリフも、この地に生きる当事者でないとわからない感覚かもしれない。