ブラック・スワン

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ブラック・スワン

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レビューの数

221

平均評点

77.7(1812人)

観たひと

3059

観たいひと

238

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / サスペンス・ミステリー
製作国 アメリカ
製作年 2010
公開年月日 2011/5/11
上映時間 108分
製作会社 Fox Searchlight Pictures=Protozoa Pictures=Phoenix Pictures=Cross Creek Pictures
配給 20世紀フォックス映画
レイティング R-15
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

大役に抜擢されたバレリーナが、そのプレッシャーから少しずつ心のバランスを崩壊させていく様を描く「レスラー」のダーレン・アロノフスキー監督作。主演は本作で第83回アカデミー主演女優を受賞した「マイ・ブラザー」のナタリー・ポートマン。そのほか、「ジャック・メスリーヌ」のヴァンサン・カッセル、「ザ・ウォーカー」のミラ・クニス、「ライディング・ザ・ブレット」のバーバラ・ハーシー、「僕が結婚を決めたワケ」のウィノナ・ライダーが脇を固める。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、元ダンサーの母親・エリカ(バーバラ・ハーシー)の寵愛のもと、人生の全てをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。だが純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦であった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリー(ミラ・クニス)の出現も、ニナを精神的に追いつめていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていくのだった……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2011年7月下旬号

特集「赤い靴 デジタルリマスター・エディション」:「赤い靴」と「ブラック・スワン」 あるいは、宿命的な“痛み”を描き出すこと

2011年7月上旬号

読む、映画:「ブラック・スワン」

臨時増刊6月10日号 KINEJUN next vol.03

特集 洋画サイコー:最新洋画一挙紹介!「赤ずきん」「クロエ」「ジュリエットからの手紙」「ブラック・スワン」「水曜日のエミリア」「アジャストメント」「ラスト・ターゲット」「127時間」「BIUTIFUL ビューティフル」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」「テンペスト」

2011年6月上旬号

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作24作品、72本の批評:「ブラック・スワン」

2011年5月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「ブラック・スワン」

特集「ブラック・スワン」:ダーレン・アロノフスキー監督、ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセルが語る「ブラック・スワン」の世界

特集「ブラック・スワン」:本当は怖いバレエ 現役バレリーナ、メリッサ・バラクに聞く

特集「ブラック・スワン」:作品評

2024/11/10

2024/11/10

80点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
字幕


ホラーだ。

ダーレンアロノフスキー監督です。ナタリーポートマンの鬼気迫る演技がすごい。体づくりもすごいが、表情が怖いくらい。最初は繊細そうな、気が弱そうな感じでしたが、徐々に怖くなっていく。さすがですな。

2024/07/21

2024/07/21

75点

選択しない 
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黒鳥メイクが凄くいい!

思っていたよりも随分サイコホラーでした。

プリマ志願者を食い物にする先生
自身の母親もその伝、
いい子であることを強いる毒親、「キャリー」の母親みたい
酒・ドラッグ・自涜その他アレコレで一皮剝ける、ってのはちょっとナーバスか、いやまあ確かにそんなもんか
性悪役かと思ったら最後までいい奴だったMila Kunis
Milaは色も黒いし、ラテン系かと思いきやウクライナ出身

中盤でCGが混じってくることで、その後のシーンが本当なのか妄想なのかが区別付きにくくなるのはちょっと残念な副作用でした。映像としてはおもしろかったのですが。

前半、有吉京子のSWANなど、普通のバレリーナ苦労譚かあ、と思って見ていたらラスト30分が凄かった。

殺してしまったのはあの子じゃなくてよかった、よい子の自分でよかった、みたいな。

エンドロールでウィノナ・ライダーにDying Swanという役名が付いています。これもまたぐっと来る。

2024/04/22

79点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 
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解き放たれる内なる黒い悪魔

ネタバレ

チャイコフスキーの『白鳥の湖』の音楽はどれも耳に心地よいが、それ以外は視覚的にも聴覚的にも不安感を煽り、不快感を抱かせるものばかりだ。
特に生々しい傷のイメージが脳裏に焼き付く。
映画は新人のバレリーナが主役に抜擢されるも、やがて役のプレッシャーに飲み込まれ狂気に走っていく様を描いている。
バレエ団のプリマドンナ・ベスに憧れるニナは、こっそり彼女の私物を盗み出しては自分が主役を演じる日を夢見ている。
彼女の母親も元バレリーナなのだが、出産を機に一線を退いたらしい。
そしてそのことを今も心残りに思っているらしく、とにかくニナに対して過剰に干渉しコントロールをしようとする。
自己肯定感の低いニナは何とか母に認められようと、母の意向に沿うような生き方を選んでしまう。
バレエの技術だけなら一流なのだが、彼女に足りないのは舞台を支配できるだけの度胸と自信だ。
好色な演出家トマスは彼女を主役に抜擢するが、彼女に足りないものを教えるためのレッスンと称して彼女に肉体関係を求める。
そしてニナも自信満々なトマスに惹かれ、彼に認められたくて必死で努力を続ける。
彼女の味方になってくれる者は誰もいない。
母親は相変わらず過剰に彼女に干渉し続けるだけで、嫉妬にかられた他のバレリーナも彼女に冷たい視線を送るだけ。
親切を装って近づいてきたリリーもまた内心では彼女から役を奪い取ろうと企んでいる。
そして孤独のままニナは内側から蝕まれていく。
序盤から彼女が自身のドッペルゲンガーを見たり、あるはずのない傷が現れたりと、彼女の精神状態がまともではなくなりつつあることが示唆されていた。
中盤からは何が現実で幻覚なのか曖昧になってくる。
リリーを殺したことでニナは黒鳥として覚醒するが、それも彼女の見た幻覚だったことが分かる。
そして彼女が殺したものが何だったのか、ラストで衝撃の事実が明かされる。
それにしても華やかな表舞台に対して、あまりにもニナが直面する現実はドロドロしていて残酷だ。
それだけ主役を掴みたいという彼女らの執念は凄まじいのだろう。
しかし役に執着し過ぎると、役に飲み込まれてしまうこともあるのだろう。
かつては脚光を浴びていたはずのベスの落ちぶれ方も尋常ではない。
やはり拍手と喝采を求め、執着して行った先には破滅しかないのだろうか。
一人の人間が内側から崩れていく様をとても視覚的に興味深く描いた作品ではあるものの、個人的にはもう少しバレエにこだわった撮り方をして欲しかった。

2024/01/19

2024/02/29

70点

レンタル 
字幕


禍々しい緊迫感

ネタバレ

ダンサーとしても、女性としても、「完璧」な自己解放は自らの死を迎えることでしか成し遂げられなかったのであろう主人公のトラジックな終幕が印象に残る。とにもかくにも当方の予想を超える怖さとグロさにただただビックリ。とりわけ物語の終盤はホラーまがいの描写がいくつかあって、画面から目をそらすこともしばしば。映画としての完成度は高いと思いつつも、この手のショッキングスリラーは個人的に苦手だということを再認識。

白と黒の対照鮮やかな画面を背景に現実と幻視をボーダーレスに行き交いながら、画面に禍々しい緊迫感を醸し出すD・アロノフスキーの語り口の上手さに引き込まれる。N・ポートマン、V・カッセルはじめ俳優陣は皆好演の中、娘を抑圧する神経症的な母を見事に演じきったB・ハーシーの怪演光る。   

2024/02/23

2024/02/23

75点

購入/ブルーレイ 


現実と妄想のはざま

映画でよくあるテーマであるが、有り余るバレリーナの美しさが引き立てる。もちろん、代役の人を食った態度、エロイ教師、過保護なママと脇をかためる登場人物も適度なクセがあり、この映画の面白さを引き立てている。

2023/04/08

77点

テレビ/有料放送 
字幕


アロノフスキー監督を辿って

一皮剥けた
ナタリー・ポートマンは
自信に満ち溢れていた
アカデミー賞の授賞式で
主演女優賞のオスカーを手に
会場を魅了していた
愛する人の子供を
身籠り内側からも溢れんばかりの
輝きを放っていた

舞台の上で(主演女優)として君臨する
その領域に到達するまで
人知れず努力する彼女のストイックさで
バレリーナという役柄を自分のものにし
更に淑女と悪女の二役を見事に演じる

母親からの束縛というより呪縛
我が子を道具としてしか観ていない母親
しばしば登場するエゴイストの塊
その度にいたたまれない気持ちに苛まれる
追い詰められた彼女の
あの楽屋での鮮血はリアルなのか、
悪夢なのか

アロノフスキーは私の好きな成功譚を不穏に描いた
栄光を手に入れると同時に
その為に流した血を呆然と見下ろすような
鑑賞後の私であった。