アパートの鍵貸します

あぱーとのかぎかします|THE APARTMENT|THE APARTMENT

アパートの鍵貸します

amazon
レビューの数

119

平均評点

81.8(617人)

観たひと

958

観たいひと

108

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / コメディ
製作国 アメリカ
製作年 1960
公開年月日 1960/10/8
上映時間 125分
製作会社 ミリシュ・カンパニー映画(ビリー・ワイルダー・プロ)
配給 日本ユナイテッド・アーチスツ
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ビリー・ワイルダーが「お熱いのがお好き」につづいて製作・監督したロマンチック・コメディ。脚色は前作と同様、ワイルダーとI・A・L・ダイアモンドの共同。撮影監督はジョセフ・ラシェル、音楽はアドルフ・ドイッチェ。出演は「お熱いのがお好き」のジャック・レモン、「恋の売り込み作戦」のシャーリー・マクレーン、「ボクはむく犬」のフレッド・マクマレイのほか、レイ・ウォルストン、デイヴィッド・ルイスほか。製作補佐をドーン・ハリソン及びI・A・L・ダイアモンドが務める。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ニューヨークのさる大保険会社の一平社員バクスター、通称バド(ジャック・レモン)は、野望に燃える青年である。勿論出世のことである。その方法は、4人の課長にアパートの鍵を貸すだけで充分だった。4人は女性との密会のためにアパートをせっせと愛用し、バドの昇給にせっせと尽力した。そこに人事部長のシェルドレイク氏(フレッド・マクマレイ)も加わった。部長のよろめきの御相手は会社のエレベーター嬢フラン(シャーリー・マクレーン)。実はバドはこのフランに片思いしていたのだが、社員のクリスマス・パーティでフランのコンパクトを見て、少ながらずショックを受ける。このコンパクトは数日前バドのアパートに置き忘れられていたので、部長に返却申しあげたものと同一だったからである。クリスマスイブ、やけ酒を飲んで酔ったバドが酒場で意気投合した年上女性を連れてアパートに帰ると、そこでフランが自殺をはかっていた。離婚をした暁にはきっと君と…、と言うばかりで実行しないシェルドレイク氏の不実に絶望し、バド愛用の睡眠薬を全部飲んでしまったのだ。年上女性を追い帰して、必死に看病するバドの心はフランを想う気持ちで一杯だった。翌朝、一大決心をしたバドは、部長にフランとの結婚を打ち明けようとする。その瞬間、妻に浮気がバレて離婚が成立した部長は、フランと結婚する旨をバドに宣告する。すべては後の祭りだった。人の気も知らない部長は、またもアパートの鍵の借用を申しこんできた。カンニン袋の緒を切ったバドは、辞表を叩きつけて会社を飛び出す。その夜、フランは部長とレストランへ。そこで今夜はアパートは使えない、と聞いたフランはハッと気がつく。バドの優しい想いと、自分を本当に愛しているのは誰か、ということを。部長を置き去りに、フランはバドのアパートの階段をかけ上がった。その耳にパーンと銃声が。もしや自殺!? 部屋に駆け込んだフランの目に映ったのは、他の町での再出発をひとり淋しく祝ってシャンペンの栓を抜いたバドの姿だった。重役になれるかどうかは別問題。だが、バドの独身生活に栄光ある終わりが近いことは、確かなようである。メデタシ メデタシ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2011年1月下旬号

午前十時の映画祭:「アパートの鍵貸します」「お熱いのがお好き」「ショウほど素敵な商売はない」

1960年11月上旬号

外国映画批評:アパートの鍵貸します

1960年10月上旬秋の特別号

新映画評:アパートの鍵貸します

1960年9月下旬号

新作グラビア:アパートの鍵貸します

外国映画紹介:アパートの鍵貸します

2025/05/02

2025/05/05

76点

選択しない 
字幕


上司に浮気のための部屋を貸して出世するスチャラカ社員とエレベーターガールの純愛ストーリー(^^;;

なんとも調子のいいすちゃらか社員バドをジャック・レモンが好演。

貸した部屋の忘れ物、われた手鏡がフランのものと知って部長の浮気相手だと知るあたりはとても上手い演出、自殺した彼女を必死に助けるバドが紳士的で優しくてとてもいい。


お隣さんの医者もいい味だしてました(^^;;

2025/04/25

2025/04/25

70点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 


コンプラ違反満載(笑)

ネタバレ

不倫、セクハラ、パワハラ、ストーカー行為・・・現代ならコンプラ的に一発アウトだ(笑)。コンプラ重視の昨今では、本作のような作品は絶対作られないし、不快に思う観客もいるかもしれない。確かに私も「オイオイ」と、苦笑いしつつツッコミながら観てしまった。これは本作を初めて観た20年以上前では考えられないことだ。映画は時代の変化だけでなく、それを観る人の変化にも左右される。だが、現代の目で観ても最終的に不愉快にさせないのがワイルダー作品だ。脚本とキャラクターの妙、そして演じる俳優の確かな演技力が本作を魅力的な作品にしている。

ジャック・レモン演じるバドは、出世のために複数の上司に自分のアパートの鍵を貸している。密会場所として提供しているのだ。女性を連れ込むだけではなく、酒やつまみなどもバドが自腹を切って補充しているのだ。何となく非常識な客にあたってしまった気の毒な民泊の家主のようだ。民泊なら宿泊費がとれるが、無償どころか、彼らがやりたい放題やった片付けなどの後始末もしなければいけない。たとえ風邪をひいて寝ていてもたたき起こされ、パジャマの上にコートを羽織っただけの姿で公園のベンチで寝る羽目になってしまう。そのうえ、隣人からは絶倫男(死語?)と勘違いされる始末。出世のためにそこまでしなければならないのか?出世に興味なく、仕事より趣味を楽しみたい現代のビジネスマンとなんと違うことか。携帯電話もメールもない時代、上司たちのスケジュール(?)管理や鍵のやりとりなど、内線電話や社内メッセンジャーボーイを利用することにハラハラした(内線電話は秘書が盗み聴きできる)。

お人好しのお調子者を演じさせると天下一品のジャック・レモンにはまり役のバドは、空気を読むのが得意。人事部長が遠回しにアパートの鍵を所望すると、すぐにピンと来てスケジュール調整に走る。そんな彼の片思いの相手が、なんと人事部長のお相手と解った時のショックたるや。セクハラ、パワハラがまかり通るこの時代は、さらに女性軽視の時代でもある。社内不倫が横行しているのも、女性社員が軽視されている証拠だ。女性秘書など格好のターゲットとなっている。だがしかし、その秘書よりもっとお手軽に見られているのがエレベーター・ガールだ。そんな描写はないが、密室のエレベーターではお尻を触られることなど日常茶飯事だろう。シャーリー・マクレーン演じるフランはエレベーター・ガールだ。本当は秘書になりたかったのだが、スペルが苦手でエレベーター・ガールになったのだという。このことからもエレベーター・ガールが秘書より格下ということが窺える。彼女は無邪気にも、既婚男の常套句「妻とは近々離婚する」を信じて、人事部長と結婚できる日を夢見ているのだ、泣きをみることになるとも知らず・・・。

最近の人気ドラマ等の展開は、最後に嫌な奴が退治され、主人公も観客も留飲をさげてメデタシ、メデタシとなるものだが、本作はそうならない。人事部長は元カノである秘書が妻に密告したため離婚するはめになったが、なんとこの人事部長、これ幸いにとフランにプロポーズするのである。いったいどの面さげて・・・と呆れてしまった。ここでフランが人事部長の妻の座におさまり、自分勝手な人事部長にキレたバドが会社を辞めて、1人で寂しく街を去るという悲劇的なラストシーンならそれこそモヤモヤが収まらないが、人事部長やその他の上司たちの悪行も表ざたにならず、彼らに正義の鉄槌をくわすわけにこそいかなかったが、ゲスな人事部長より、バドの誠実さに気がついたフランは、最終的にバドのところにやってくるのだ。おそらく2人は、田舎に引っ込み、バドはそれなりの仕事をみつけ、フランとつつましい家庭を築くであろう。大会社で無理して出世するより、これこそ分不相応の幸福というものだ。フランの愛らしさとバドの小市民ぶりが本作の最大の魅力だ。これこそ本作が名作コメディとして我々小市民に愛されるゆえんなのだ。

2025/04/18

2025/04/18

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


昔みたことがある筈なのにまったく覚えていなかった。
シャーリー・マクレーンといえば「ダウントン・アビー」など現在でも見る機会があるせいでお年を召したお顔が思い浮かぶが、本作公開時は26才の頃ということでとてもキュート。佳作に間違いない。

2025/04/18

2025/04/18

85点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


また観た

小道具の使い方が粋でおしゃれ。ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの小粋な会話もおしゃれ。ビリー・ワイルダー監督の大傑作。

2025/01/09

2025/01/09

85点

購入/DVD 


ビリー・ワイルダー監督の最高傑作

ネタバレ

哀しい孤独な人間たちを笑いで描いた映画。ラストで“人間になった”二人。最高なラスト。思わず涙が・・・・。小道具(伏線)(鍵、カード、コンパクト(割れた)、100ドル札、シャンパン)の使い方の巧さ。最高の脚本。ビリー・ワイルダー監督の最高傑作。

2025/01/03

2025/01/03

98点

VOD/U-NEXT 
字幕


こんな映画を見ていたい

巧みなストーリー
優れた俳優たち
70年近く前の古臭い映画だろうと思ったら大間違いだ。
2時間があっという間だ。