1962年のフランス映画。特集上映「みんなのジャック・ロジエ」で2Kレストア版で鑑賞。テレビ局に勤めるミシェルは数か月後に兵役が待っていた。テレビ局の前でたむろしていたリリアーヌとジュリエットを局内に入れて案内する。二人はミシェルに恋心を抱き、二人のうちどちらがミシェルと付き合うかのゲームを始める。ミシェルは放送局でへまをし辞めてしまい早めのバカンスを楽しもうとコルシカ島へ。そこへリリアーヌとジュリエットも合流し、三人での楽しいバカンスを過ごす。しかし超なかよしだったリリアーヌとジュリエットは相手への嫉妬心からギクシャクしはじめる。そしてミシェルが兵役のため船で旅立つのを見送る二人だった。
2010年にも観ているのだが、すっかり忘れていたのか印象が違ったからなのか初めて見た作品のように感じてしまった。それはリリアーヌもジュリエットもミシェルをものにするという賭けに勝ったとも言えず負けたとも言えない変な関係になってしまったことではない。アルジェリア戦争中のフランスという背景を理解していたからでもない。なんか映像が結構印象的だった。街中を歩くリリアーヌとジュリエット、スタジオ内をケーブルを抱えて移動するミシェル、双子のように飛び起きるリリアーヌとジュリエット。なぜか挿入された二人の登場するCM。カット割りで何かを説明するのではない不思議なカット割り。そういった映像の印象が今回は強く感じてしまった。これはハリウッドだと編集ではねられそうなカット割りなんだけど、現在でも通じるような面白い編集でした。そして結果的には素人を使っても演出がよければ高水準の娯楽映画が出来てしまうというお手本のような作品になっていました。ただ素人を使って素人くささで勝負するような作品とははっきりと一線を画していました。