映画は映画だ

えいがはえいがだ|Movie is Movie|MOVIE IS MOVIE

映画は映画だ

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レビューの数

11

平均評点

71.1(92人)

観たひと

161

観たいひと

15

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション
製作国 韓国
製作年 2008
公開年月日 2009/3/14
上映時間 113分
製作会社
配給 ブロードメディア・スタジオ
レイティング PG-12
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 不明
メディアタイプ 不明
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演ソ・ジソブ イ・ガンペ
カン・ジファン チャン・スタ(張首陀)
ホン・スヒョン カン・ミナ
コ・チャンソク ボン監督
ソン・ヨンテ ペク会長
チョ・ソギョン 子分
パク・スヨン イ室長
コン・ジョンファン ソンミン
チョン・マンシク 刑事
チャン・ヒジン ウンソン
ペ・ヨングン バーテンダー

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

俳優を夢見るヤクザと、ヤクザを演じる俳優が、ガチンコ勝負を条件にアクション映画で共演する。製作・原案は「悲夢」のキム・ギドクで、彼の助監督チャン・フンが初監督を務めた。出演は、TV『ごめん、愛してる』のソ・ジソブ、TV『がんばれ!クムスン』のカン・ジファン。第28回韓国映画評論家協会賞新人監督賞受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

高級クラブで、ヤクザのガンペ(ソ・ジソブ)と映画俳優のスタ(カン・ジファン)が居合わせる。ガンペのボスであるぺク会長は収監中で、彼の手下パク社長がやりたい放題やっていた。ガンペは時々会長の面会に行き、指示を仰いでいた。スタは新作のアクション映画の撮影中、相手に大怪我を負わせ、相手役を引き受ける者がいなくなる。そこでスタは、ガンペに出演を依頼する。ガンペは、自分とガチンコで戦うことを条件に了承する。ボン監督(コ・チャンソク)や共演女優のミナ(ホン・スヒョン)はガンペを受け入れるが、スタのマネージャーのイ室長は、スタの身を案じる。その夜、スタは恋人ウンソンと密会する。しかし人目を忍ぶ関係に嫌気がさした彼女は、彼の元を去ろうとする。翌日、スタとガンペが対峙するシーンを撮影する。緊張感のある映像に監督は満足する。スタはテレビで、ガンペが若いころに出演していた映画を見る。ある日、ぺク会長の家から、裁判で不利になる証拠が盗まれる。会長はそれがパク社長の仕業だと確信し、ガンペに社長の始末を命ずる。ガンペは手下たちと共に社長を縛り上げ海に沈めようとするが、突然スタの台詞を真似て、社長を逃がす。海辺でのロケ中、ミナが泣きながら海へと入っていく。ガンペは慌てて海に入るが、撮影中だった。しかし自分を心配してくれたガンペに、ミナは心惹かれる。2人の熱愛を目撃したスタは、ウンソンが恋しくなる。ある日チンピラが、スタとウンソンの密会現場を映したビデオをネタに恐喝してくる。スタはガンペに始末を頼むが、本物のヤクザのやり口にショックを受ける。そして警察に届けようとするが、イ室長にとめられる。室長はこの事件に絡んでいたのだ。撮影はラストシーンのみとなる。ガンペは、パク社長が舞い戻ったことを知ると片を付ける決心をし、撮影を抜ける。手下と共に社長を捕らえに行くが、反対に捕まってしまう。命だけは助かったガンペは、傷だらけのまま撮影に戻る。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2009年10月上旬号

DVDがおもしろい!:DVDコレクション No.435 「映画は映画だ」

2009年4月上旬号

巻頭特集 韓国映画はどうだ 「映画は映画だ」「チェイサー」などの傑作を新人監督が生み出す韓国の底力とは:作品評「映画は映画だ」

REVIEW 外国映画:「映画は映画だ」

2021/05/27

2021/05/27

65点

レンタル/北海道 
字幕


二人の泥だらけになっての対決シーンでどちらがどちらか見分けがつかなくなる所など、黒澤監督の「野良犬」を思い出させた。

2009/06/28

2019/08/13

70点

映画館/静岡県/静岡シネギャラリー 
字幕


黒白同色

まるでヤクザのような傲慢な態度のスター俳優スタ(カン・ジファン)と、俳優になりたかったヤクザ、ガンペ(ソ・ジソブ)-ちなみに韓国語でヤクザのことを“カンペ”と呼ぶそうだ。シャレ?-。この交差するはずのない二人の人生が、映画という舞台の中で交わることによって、迫真の映画が生まれた。

ヤクザ役のソ・ジソブは、男が見ても見惚れるくらいカッコいい。本当にこういう男がいたなら、やはり俳優になるべきだろう。いや、もうなってるんだけど…。いつも黒ずくめの衣装で、冷めた目線で物事を見据えているような、このヤクザ。スタ主演の映画を観ながら何を考えていたのか。一方、俳優のスタはすぐカッとなってしまう癖があり、今制作している映画でも、二人の共演者を病院送りにしてしまっている。相手になってくれる役者は見つからず、こうなりゃ、ヤクザにでも頼むしかないか。

どっちもまるで本物のヤクザみたいな二人がサインのやり取りでぶつかった時、お互いに言い放った言葉が、どうやら双方の胸に刺さってしまったようだ。「短い人生、無駄にするな」。「だからお前はクズと言われるんだ」。

ヤクザは役者になりたかった。しかし、今は明日死ぬかもしれないような、危険な仕事をしている。心もさぞかし荒んでいたことだろう。そこへ舞い込んだ、映画出演の話。自分の昔の希望が叶うのだ。願ってもいない僥倖だろう。

スター俳優でありながら、付き合っている彼女は、自分の都合のいいときしか呼ばない。共演者にもケガをさせ、態度が傲慢な自分。クズだと言われても仕方ないとて心の隅では思っていただろう。しかし、スターにそんなこと言える人間などいない。それをズバリと言われて、考えるところはあっただろう。

お互いのプライドと人生を賭けて、ガチンコの映画撮影が始まる。ヤクザが出した条件は、本物の殴り合いをすること。クライマックスでの二人の殴り合いは、迫力がある。いつも白いシャツのスタ。いつも黒いシャツのガンペ。この泥まみれで、お互い顔の見分けもつかない灰色に塗れた時、その真実の拳で何かを掴み取ったに違いない。

2009年

2019/06/10

65点

映画館 
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映画は作り物

俳優になりたかったやくざと暴力的な俳優のお話。ガンぺ(ソ・ジソブ)は、ある日映画俳優のスタ(カン・ジファン)と出会った。映画が好きで、スタのファンであったガンぺは、サインをもらおうとする。一方、アクションシーンで相手俳優に暴力を2度もしてしまったスタは、相手俳優に困り、ガンぺに出演するよう誘う。キム・ギドク原案・製作。

アクションシーンは迫力あり。とはいえ、映画の中の映画のアクションシーンの作り物らしさと、映画の中でいう本物のアクション(やくざの戦い)、それさえ結局作り物なわけで...となにやらよく分からなくなりそうな、書いているとこんがらがってくる。

ところどころ観客を笑いに誘うシーンも。映画監督役の役者のガ ンペに対してのビビリぶりと横柄具合がおもしろい。クライマックスシーンは壮絶でもあり、やりすぎでもあり。何故にあの場所で?ある理由で顔がどっちか分からなくなったりして。落ちは、あれでいいんだろうか。いいんだろう、映画だから。なんだか、化かされたような茶化されたような納得できるような終わり方でした。

女性客多し。ソ・ジソブやカン・ジファンのファンの方々だろうか。

2017/09/30

2017/12/05

70点

VOD/GyaO! 
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ガチでバトルしたら顔は腫れ上がる。

題名は何を言わんとしているのか判然としないが、基本の発想は優れたものだ。
人気アクション映画俳優スタは、リアルな殴り合いシーンにこだわり、相手役にけがを
させてしまう。映画界ではスタのやりすぎアクションが悪評となり、代役を立てようにも、
体よく断れるばかり。窮したスタは以前飲み会で一緒になったヤクザのガンぺに連絡を
とった。彼は映画スターを夢見て端役で映画に出演した経験を持っていたのだ。
しかしガンぺはガチンコの勝負でなければ引き受けないと宣言。ガンぺの親分ペク会長
は収監中で、定期的に指示を仰ぎに面会する。通常のヤクザとしてのシノギと映画撮影
が並行した。ここに作劇のポイントがあり、映画に生きるスタとシノギが優先されるガンぺ
の差が、波乱の飛んだドラマを生んだ。孤独と狂暴性が並存したソ・ジソブの役作りが
光る。ガンプの放つ暗いオーラとスタのストレートな映画野郎ぶりが対比となって作品を
肉厚なものにした。
バックステージものにヤクザ映画を掛け合わせた新鮮で力感あふれる快作となった。

2017/11/03

80点

選択しない 


主演二人の交錯が面白い☆

キム・ギドク監督のお弟子さんチャン・フン監督作品。
デビュー作とは思えないほどの出来の良い映画でした。まぁ、キム・ギドク監督が制作スタッフだったのでサポートもかなり厚かったかもしれませんが。

「映画は映画だ」このタイトルは味があります。本作はソン・ジンプとカン・ジファンのダブル主演で、俳優とヤクザの物語です。いくら俳優が本物に近づくように演技をしても、演技の枠を超えることが出来ない。ましてや本物のヤクザだけは、真似できる代物ではないことを強烈にアピールしたエンターテイメント作品なのです。

ストーリーは主人公スタが、助演の俳優たちに怪我をさせて代役を探すところから始まります。世間は人に怪我をさせたスタを快く思わない。それ故の悪評で代役はなかなか見つからなかったのです。
そこで酒場で知り合った本物のヤクザのガンぺに、代役を頼むことにしたのです。
ガンぺが代役を受ける条件は一つ、立ち回りは全てリアルにすることでありました。本物のヤクザと本当に決闘をする。この設定が後のストーリーを面白くします。

俳優の世界が空想、ヤクザの世界が現実とすると、空想と現実のせめぎ合いが本作の見所です。
スタとガンぺは己れと違う世界を覗くことで、空想と現実の境界線で揺れます。
二人はお互いの境界線を超えるのでしょうか?その答えはラストにあります。

お互いに影響を受けたスタとガンぺ。
本来、自分のテリトリーに他人を入れたくない二人でしょうが、コイツだけは気になるという友情が良い。泥臭い描写の面白い映画ですよ。

2009/09/05

2017/08/13

60点

映画館/東京都/早稲田松竹 
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映画の中の映画

よくよく考えると、「なんでこんな切羽詰ったヤクザが映画に出演しているのか?いくら昔役者だったからといって」という、説明のつかない話。映画の中の話は面白いのだが、ヤクザや役者の日常を描くシーンになると、とたんに詰まらなくなる。役者も何故でこんなに傲慢なのかよくわからない。二人が映画を撮影しているうちにどんどん変わっていくが、その理由も変わり方もよくわからなかった。話題のソ・ジソブ(ヤクザ)とカン・ジファンという2大スターで見せる映画であり、映画の完成最後のシーン、泥の中の殴り合いは、「肉体主義」の韓国映画としてもなかなかの名シーンだと思う。製作・原案がキム・ギドクなので、説得力はそれなりにあるのだが。【韓国映画2本立て:併映「チェイサー」】