河童のクゥと夏休み

かっぱのくぅとなつやすみ|----|----

河童のクゥと夏休み

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レビューの数

41

平均評点

74.5(249人)

観たひと

392

観たいひと

20

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アニメーション / ファンタジー
製作国 日本
製作年 2007
公開年月日 2007/7/28
上映時間 138分
製作会社 「河童のクゥと夏休み」製作委員会
配給 松竹
レイティング
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督原恵一 
脚本原恵一 
原作木暮正夫 
キャラクターデザイン末吉裕一郎 
作画監督末吉裕一郎 
撮影監督箭内光一 
美術監督中村隆 
音楽監督大熊昭 
音楽若草恵 
主題歌大山百合香 
編集小島俊彦 
色彩設計野中幸子 
題字武田双雲 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演冨澤風斗 クゥ
横山貴大 上原康一
植松夏希 菊池紗代子
田中直樹 上原保雄
西田尚美 上原友佳里
なぎら健壱 クゥの父親
ゴリ キジムナー

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

現代に蘇った河童と、人間の少年の交流をハートフルに描くアニメーション。原作は木暮正夫の児童小説『かっぱ大さわぎ』『かっぱびっくり旅』。声の出演に「アルゼンチンババア」の田中直樹、「ハチミツとクローバー」の西田尚美。監督・脚本は「クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の原恵一。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

夏休み前のある日、小学校の帰り道に上原康一(声:横川貴大)は大きな石を拾った。持ち帰って水で洗うと、中から何百年もの間、地中に閉じ込められていた河童の子供が出てきた。康一はこの河童をクゥ(声:冨澤風斗)と名づけた。最初は父・保雄(声:田中直樹)も母・友佳里(声:西田尚美)も驚き、特に妹の瞳(声:松元環季)の抵抗は大きかったが、やがて仲良くなり、クゥのことは家族内の秘密にしようと決める。だがある日、クゥが仲間のところに帰ると言い出した。そこで康一は、クゥの仲間を探すために、河童伝説の残る遠野へと旅に出る。しかし河童の仲間は見つからず、クゥの存在が世間にバレるきっかけになってしまった。遠野から戻ると、自宅の近所には記者がたくさん待っていた。そして保雄は、話題の河童をテレビに出演させるよう会社の上司から命令を受けてしまう。クゥは一家のためにそれを承諾するが、番組にゲストとして出てきた男を目にした途端、クゥは強い恐怖を感じた。彼は遠い昔にクゥの父親を殺した武士の子孫だったのだ。耐え切れずテレビ局から逃げ出したクゥは、追い詰められて東京タワーを登り出し、そこで保護される。康一は淡い想いを抱いているクラスメイトの女子、菊池紗代子(声:植松夏希)からの助言もあり、クゥをマスコミの餌食にしてしまったことを深く反省。一家はクゥを、今でも河童が暮らせる沖縄のある地域に送り届けてやるのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年8月下旬号

劇場公開映画批評:河童のクゥと夏休み

2007年7月下旬号

特別企画 「河童のクゥと夏休み」と新世代アニメ作家たち:「河童のクゥと夏休み」グラビア

特別企画 「河童のクゥと夏休み」と新世代アニメ作家たち:新作紹介

特別企画 「河童のクゥと夏休み」と新世代アニメ作家たち:対談 原恵一×細田守

特別企画 「河童のクゥと夏休み」と新世代アニメ作家たち:9人の評論家がみた「河童のクゥと夏休み」

特別企画 「河童のクゥと夏休み」と新世代アニメ作家たち:注目のアニメ作家たち

2023/01/15

2023/01/15

80点

テレビ/無料放送/BS12 トゥエルビ 


犬はオッサン

2023年1月15日
映画 #河童のクゥと夏休み (2007年)鑑賞

#原恵一 監督の脚本は、非日常の設定をリアルに見せるのが上手ですよね。
現代日本にカッパが現れればこうなるだろうなというのを実にリアルに見せてくれます。
クゥちゃんが現れたら絶対一緒に暮らしたいと思わせてくれるお話でした。

2022/12/22

2022/12/22

-点

テレビ/無料放送/その他 


音楽 若草恵さん

ネタバレ

父ちゃん『今夜は やけに皿が乾く』渋っ!
妹 ひいちゃん可愛い 座敷童子さま尊い
犬 オッサン優しい 竜神さま キジムナー

2022/10/05

2022/10/06

97点

選択しない 


ここは人間の巣

人間は嘘をつくが、河童は嘘をつかない。
謙虚で真っ直ぐな河童のクゥ。

河童や愛犬のおっさんから見た人間など間違いだらけなのだろう。
人間関係の複雑さや、しがらみから我を失い大事なものに気付けない。

とっても良いお話でした!

2022/09/25

2022/10/02

85点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 


おら、人間の友達が出来たよ

『河童のクゥと夏休み』Summer Days with Coo (2007)

「おら、おめえらに見つけてもらってよかっただ」
「偶然だよ、偶然」
「偶然なんかじゃねぇ。ずっと前から決まってたに違いねェよ」

「とうちゃん、ごめん。おら人間の友達ができたよ」

これからこの映画を観ようか迷ってる方、その気持ちわかります。男の子も女の子も可愛くも凛々しくもないキャラクターデザインだし河童のクゥはやけにリアルでグロテスクだし。

でもね。思い出してほしい「E.T.」を。あの異星人もシワシワでグロテスクでした。しかし映画を見終わる頃には愛おしく見えて仕方がなかったのでは?

「河童のクゥ」も同じ。最後にはあなたはボロボロ泣いていると思う。クゥは可愛くけなげで少年は凛々しく見えるはずだ。

現代日本の平均的な家庭に人間と異なる生物や猫型ロボットやお化けが転がり込んで起きる物語は私たちにはお馴染みだ。

スピルバーグの映画の場合異星人が現れると政府の人間が動き出す。「未知との遭遇」では異星人が指示した着陸地点を「毒ガス事故」と偽って封鎖する。「ET」の場合は異星人を捉えて研究しようとする。

しかし日本の場合は政府は介入してこない。おばQもドラえもんも政府や地方自治体から追われることもなく日常生活を送ってる。

クゥの場合も政府は追いかけてこないがマスコミが殺到する。追い詰められたクゥは東京タワーに逃げ込んで上へ上へと逃げる。これは「キングコング」みたいだ。でも安心して。悲劇は起きない。起きるのは奇跡だ。

この映画では異生物との交流というストーリーにイジメやマスコミ批判、開発批判などいろんな問題をうまく絡めてある。

特にイジメのリアルさ。というより主人公の少年も初めて登場してきた時に無口な女子に暴言をはく「残念なガキ」として現れる。その残念なガキがクゥとの交流を通していじめを跳ね返していくのもとてもスカッとする。

観た後の爽やかな気持ちは3日間持続しますよ(個人の体験です)

東村山市(行ったことある)をリアルに再現した背景がとても素晴らしくアニメーティングもちゃんとしていて変な動き、デッサンの狂いとかがなくてとても丁寧でエネルギッシュだ。

主人公がクゥを連れて遠野を訪れる場面もとても美しい。遠野の川に飛び込んだクゥの鮮やかな泳ぎっぷり。「水を得た河童」とはこのことか!

いつか河童と人間が共存できる世界がおとずれますように。

2022/08/04

2022/09/15

70点

テレビ/無料放送/その他 


侍もパパラッチも恐ろしい生き物だ。

ネタバレ

21世紀になっても河童の話か、とやや鼻白んだが、やはり作り方しだいで巧みにアップ・トゥ・デートする
ことが可能であるとを示した。何が良いのか、と言うとスタートを江戸時代としたことだ。河童のホーム
グラウンドでのエピソードが利いた。
河童のクゥの父親が、夜道を歩いてくる身分の高そうなお侍と商人の前に出て嘆願する。池を干拓して
田んぼにするのは辞めて欲しい。自分たちの住いがなくなるのだから父親も必死。侍は商人との賄賂の
話を聞かれた、と邪推して、刀を抜き、河童の父親の腕を斬り取り、さらに一刀両断。
同時に地震が起きて、父親を悼むどころか自分が地割れに落ちてしまう。

河童の悠久の時間と人間たちのせわしない時間が分けられ、同格の立ち位置を確保した。あるいは
自信なさげな上原康一よりもクゥは悠然と時間の海を泳いだ。
地割れに落ちたクゥは化石のようになり、21世紀の久留米市で康一に拾われた。パサパサの化石に
水をかけると色を取り戻し蘇る。河童の子供だった。康一は鳴き声からクゥを名づける。
上原家では、自然に全員がクゥを歓迎した、愛犬のオッサンも。

夏休みに康一はクゥの仲間の河童を探しに遠野市へ向う。遠野は河伝説から民話や伝承の宝庫。
座敷童が登場して、クゥに現在の様相を説明する。すでに河童はいないのだった。さすがに落胆する
クゥ。しかし写真週刊誌に撮られてからはマスコミの取材が過熱する。その騒動で、上原家の愛犬
オッサンが事故で死んでしまう。クゥは自分の責任を感じてしまう。人間こそ恐ろしい生き物だ。
刀を振るうお侍、カメラを向けるパパラッチ。
そこに手紙が舞い込み、クゥは差出人が自分の仲間であることを直感する。

ついに上原家を去る日が来た。康一はクゥをダンボール箱に梱包し、コンビニで宅配便へ。
この康一が宅配便を待つシーンが実に泣かせる。トワイライトとちっぽけな宅配便。
宅配便は沖縄に着く。そこには仲間である大げさなキジムナーに歓迎される。泣かせて笑わせる絶妙の
エンディングでした。

2022/08/04

2022/08/10

75点

映画館/東京都/目黒シネマ 


河童の頭の皿は社会を映す鏡

江戸時代、龍神沼を干拓して農地にする事業に、河童が役人に中止を願い出ますが聞く耳を持たず、一刀のもとに切り捨てられてしまいます。

時代は現代に移り、小学生の上原康一クンは夏のある日、変な形の石を拾い、水で洗うと河童が覚醒します。
両親の許可も得て、まだ子供の河童を飼う事に決め、名前もクゥーと付けます。
上原家内だけの秘密だったクゥーの存在がやがてマスコミの知るところになり、取材の嵐に晒される事になります。
このクゥーと上原家の周囲で起きる様々なエピソードは、元が児童文学である事もあって、あまり深刻なものはありませんが、住む世界が元来異なっているという大きな問題があって、先行きには別れが待っている事が予想されます。

みんなにチヤホヤされているようでいて、実態は異質のものは排除したいと思うのが料簡の狭い人間の性で騒ぎとは別のプレッシャーに悩まされます。
クゥーは同じような経験を踏んでいた上原家の飼犬オッサンや、康一の理解者の同級生紗代子の手助けを受けながらクゥーの安住の地を捜します。
流れから、土地勘のある岩手県の遠野かと思っていたら、ハガキで誘われた沖縄のヤンバルへと向かい、キムジナーの処に長かった旅の草鞋を脱ぎます。

子供の世界だけでなく、大人社会にもイジメが存在している事を示しつつ、周囲には手をさし伸ばしてくれる仲間の存在があるのだよというメッセージが伝わってきます。