リトル・ミス・サンシャイン

りとるみすさんしゃいん|Little Miss Sunshine|Little Miss Sunshine

リトル・ミス・サンシャイン

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レビューの数

118

平均評点

79.0(997人)

観たひと

1619

観たいひと

129

(C)2024 Searchlight Pictures.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2006
公開年月日 2006/12/23
上映時間 100分
製作会社 ビッグ・ビーチ・フィルムズ=ボナファイジ・プロダクションズ
配給 20世紀フォックス
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ビューティー・クィーンを夢見る末娘が参加するコンテストに出場するため、崩壊寸前の家族がミニバスに乗ってカリフォルニアを目指す一風変わった家族ドラマ。監督は、夫婦でもあるジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリス。出演は「unknown アンノウン」のグレッグ・キニア、「イン・ハー・シューズ」のトニ・コレット、「40歳の童貞男」のスティーヴ・カレル。2006年アカデミー賞助演男優賞(アラン・アーキン)、オリジナル脚本賞(マイケル・アーント)を受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

アリゾナ州に住むオリーヴ・フーヴァー(アビゲイル・ブレスリン)の夢は、小太りの眼鏡っ子にもかかわらずビューティー・クィーンになることだ。兄ドウェーン(ポール・ダノ)は、自室にこもって、筋肉トレーニングに余念がない。一家と同居するグランパ(アラン・アーキン)はバスルームに閉じこもり、ヘロイン吸引で夢見心地となっている。フーヴァー家の主婦シェリル(トニ・コレット)は、夫リチャード(グレッグ・キニア)の反対にもかかわらず、自殺未遂で病院に入院していた兄フランク(スティーヴ・カレル)を自宅に連れ帰る。大学で研究するフランクは、ライバルに恋人を奪われたことにショックを受け、手首を切った挙句、仕事を失っていた。ゲイであるフランクをグランパが「ホモ野郎」と呼び、“負けを拒否する!”をモットーとするモチベーション・スピーカー(成功論提唱者)のリチャードは、フランクを「負け犬」と決めつける。そんな中、「リトル・ミス・サンシャイン」コンテスト地方予選の優勝者が失格となり、繰り上げ優勝となったオリーヴがカリフォルニアで行われる決勝出場資格を得たという知らせが入る。狂気乱舞するオリーヴだが、フーヴァー家にシェリルとグランパの分の飛行機代を捻出する経済的余裕はない。自殺傾向のあるフランクを高校生のドウェーンとともに残しておくこともできず、一家全員がおんぼろのフォルクス・ワーゲン・ミニバスに乗り込んで一路、カリフォルニアを目指す。ただでさえギクシャクする家族なので、狭苦しいミニバスのなかで早速、口論がスタートする。しかも車が故障する始末だ。前途多難なフーヴァー一家は果たしてカリフォルニアまで無傷でたどりつけるのか? そしてオリーヴはビューティー・クィーンの栄冠をゲットすることができるのか?

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年4月上旬号

劇場公開映画批評:リトル・ミス・サンシャイン

2007年1月上旬特別号

作品特集 「リトル・ミス・サンシャイン」:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督 インタビュー

作品特集 「リトル・ミス・サンシャイン」:「リトル・ミス・サンシャイン」のヒットに観るアメリカ

作品特集 「リトル・ミス・サンシャイン」:作品評

2025/01/11

2025/01/13

68点

映画館/宮城県/フォーラム仙台 
字幕


エドウィンおじいちゃんが楽しかった

 2006年のアメリカ映画。サーチライト・ピクチャーズ(ディズニー傘下に入るまではフォックス・サーチライト・ピクチャーズ)設立30周年記念の代表作6作品の再上映プログラムで鑑賞。アリゾナ州に住むフーヴァー家。リチャードとシェリル夫婦と息子で高校生のドウェーンに娘で7歳のオリーヴ、そしてヘロインのため老人ホームを追い出されたリチャードの父エドウィンで暮らしていた。リチャードは自己啓発プログラムを開発し売り込もうとしていたがうまくいってはいなかった。シェリルは自殺未遂を謀った兄のフランクを精神病院へ迎えに行く。病院では入院をすすめられるがフランクの保険の関係で入院は難しくシェリルの自宅へ連れて帰る。一人にしないようにと言うことでドウェーンと同室になる。ドウェーンはパイロットになるための航空学校へ入学への願をかけ一言もしゃべらずどうしてもの時はメモを書いて意思表示していた。そんなとき、美少女コンテストで準優勝だったオリーヴが優勝者がダイエット薬を使用していたため失格となり繰り上げでオリーヴがロサンゼルスで開かれる「リトル・ミス・サンシャイン」全国大会への出場権を得るのだった。しかし自己啓発プログラムの売り込みにお金をかけていたリチャードは全員分の飛行機代を出すのを渋り、かといって高校生のドウェーンと自殺未遂のフランクを二人だけにするのも心配だったため、年季の入った黄色いワーゲンミニバスで1200㎞強の旅をするのだった。途中クラッチが壊れたが、修理工場で3速4速にはクラッチはいらないので、坂道を下ってスピードが出たら3速から走ればいいといわれ、全員で押しがけしての旅となる。途中リチャードのプログラムを出版すると言ってくれた人に会いに行くが、どこも相手にしてもらえず出版はできないと言い渡される。またモーテルで一泊した時、エドウィンが目を覚まさず病院へ搬送され死亡が確認される。しかし各種手続きをしているとミスコンに間に合わない、遺体は許可がないと州をまたげない、置いて行けば死体遺棄になると脅され、職員の目を盗んでミニバスに載せて出発する。病院でオリーヴがもらってきた視力検査表でドウェーンの色覚異常が発覚する。それでは航空学校には入学できないことから声を発して暴れ出しバスを降り一人でいじけていたがオリーヴが寄り添ったことで出発を決意した。何とかロサンゼルスの会場に到着したが、主催者の女性は規定より5分すぎていると言って受け付けてくれなかった。それでも会場を提供した男性が登録してくれた。しかし出場者は大人顔負けの化粧や衣装、そして歌やダンスなどを披露しているのを見て、家族はオリーヴに出場を諦めさせようとするが、シェリルはエドウィンの遺志を継ぎオリーヴの背中を押す。そこでオリーヴが披露したダンスはストリッパーのセクシーダンスで、ゲストは楽しげに笑っていたが主催者はこれを中止させようとした。それを家族全員で阻止し全員が舞台に上がりオリーヴと一緒に踊るのだった。混乱の責任を取らされ、今後オリーヴはカリフォルニアにおけるミスコンテストに出禁となるが無事解放され、エドウィンの遺体もドライブ中に亡くなったことにしてうまく処理され、家族全員よい関係となって帰途につくのだった。
 プルーストがゲイだったからと言ってプルースト研究者もゲイというのはなんだかなあ。フランクもフランクのライバルも同じ男性に思いを寄せ、振られたフランクが自殺未遂をはかるとか、旅の途中でそのカップルに偶然遭遇するとか、ライバルの方は第一人者として研究成果を出版するとか、ちょっとご都合主義的だったかな。いい味出していたのはアラン・アーキン演じるおじいちゃんでした。たのしい老人ホーム生活もヘロイン吸引がバレて追い出されるなんてなんか面白かった。また遺体は許可がないと州をまたげないと言うのも知らなかった。日本だったら死亡診断書があれば(故郷まで搬送するなどの言い訳すれば)とりあえず国内移動は可能な気がする。それにしてもジュニアのミスコンの酷いこと。大人顔負けの化粧や衣装は気持ちが悪かった。公開当時に鑑賞した際には自己啓発プログラムとか勝ち組、負け犬などにあまり興味がなかったため気にならなかったけど、人生終盤に差し掛かるとドウェーンを慰めるためフランクが持ち出したプルーストの逸話は結構身に沁みましたね。パイロットを諦めたドウェーンがどう進んでいくのか、自己啓発プログラムの売り込みに失敗したリチャードは次に何をするのか、この先のフーヴァー家の顛末は幸せな家族となりきっと映画にするほどは面白くないんだろうなあ。

2023/05/25

2023/05/26

75点

レンタル 
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お爺の仕掛けた芸

2023年5月25日に鑑賞。DVDにて。1時間42分27秒。シネマスコープ。FOX SEARCHLIGHT PICTURES。市立図書館所蔵(76作品目)。

家族の甦生物語。

お爺の仕掛けた芸がラストで炸裂する。6~7歳の少女オリーヴのあのダンスは、お爺が好きだったストリップ・ダンスであった(笑)でもあの異様な少女ミスコンは粉砕しないとだめでしょう。

この「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストは、本当に存在するのでしょうか? 6~7歳の少女たちが着飾って大人の女の化粧でしなをつくって、審査員や観客に媚びる様は異様としか言いようがない。大人のミスコンを真似ているのだから、大人のミスコンも同じ形態ということでしょう。そういうステージ・ママたちが多数いるのでしょうね。

だが、オリーヴ(一家)も地方大会(ニューメキシコ州大会)で第2位になっているのだから、そういう少女たちの大会だというとは、先刻ご存じでしょう。

ニューメキシコ州アルバカーキからカリフォルニア州レドンドビーチへ、1120km を往復する。

オリーヴのアビゲイル・ブレスリンの名前に記憶があったが、本作が2006で、「ゾンビランド」(2009)、「ゾンビランド ダブルタップ」(2019)のあの娘じゃないか。

兄ドウェーンのポール・ダノは、「プリズナーズ」(2013)、そして「フェイブルマンズ」(2022)ではお父さん役である。

2022/09/19

2022/09/19

95点

選択しない 
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久しぶりに見た。チグハグな家族が、祖父の死を乗り越えて、一つにまとまっていく姿、最後のオリーヴのステージで全員が踊り出すシーンは、笑えるのに泣ける。娘のためを思うからこそ、ステージに上げたくないという気持ちは痛いほどわかるし、振り付けも最悪で中止させられそうになっても、それをオリーヴにとって楽しい思い出に昇華させるために、ミスコンというルッキズムの象徴とでもいうべきイベントが後にオリーヴにとってトラウマになったり嫌な思いをしないよう、
家族がステージで一つになって踊ったのは泣けたし、これぞヒューマンドラマという気がした。
最初は車の中でも歪み合ったり祖父が勝手に話してみんなが辟易してたり、道中それぞれが抱える問題によって挫折したり絶望したりするけど、朝ご飯を食べるときにオリーヴがアイスを自重してるときにみんなで食べさせたり、車をみんなで押すシーンだったり、チグハグな家族が、それでも一つの目的地に向かって全員で、オンボロになっても進んでいく、という感じがした。
作中のセリフもグッとくる。モーテルが祖父がオリーヴに語った負け犬の本当の意味。負け犬とは負けることではなくて挑戦することが怖くて逃げるやつだ、というセリフは、本番直前のオリーヴにきっと励みになったと思うし、カリフォルニアのホテルの近くで、苦悩の意味をフランクが兄に語ったのは男同士の会話という感じがして良かった。観た後優しい気持ちになれる、本当に大好きな映画。

2022/08/30

2022/08/30

83点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


ラストは大爆笑!この作品を皆が喜ぶこと自体が嬉しくなる作品でした。

一見バラバラな家族が、娘のダンス大会出場の為カリフォルニアへ行くが、その道中およびダンス大会の騒動にて、絆が深まっていく物語。まぁ、こう書いてしまえば普通ですが、社会の風潮(世の中を勝ち組と負け犬の二つの分類する風潮)を笑いで批判しており、まさに、負け犬揃いの家族が何か一つに纏まっていく姿をユーモラスに描いています。演者達の会話運びと表情の裏に潜めた感情を上手くコミカルに表現しており、引き込まれていきました。負け犬って何?そんなの存在するの?だって、僕達、みんなで生きてるよ~という喜びをラストでもらいました。
何かを一緒にやるって、絆を深めるんですね(当作品で言えば、故障した軽バスを皆で押す)。
相手が落ち込んでいる時は、何も言わず、ハグしてあげるのが一番なんですね。GO HUG MOM
最後は、一見セックスとドラッグしか頭にない強面頑固じじい(アラン・アーキンが演じてる)の教え(と言うか、選曲と振付)が観客を惹き付けました。社会風潮が勝ち組と思わせている人達を小馬鹿にした、爽快な映画でした。
ポール・ダノは上手かったなぁ、頬が膨らんで、身体も隠れ肥満な感じがする根暗で、必ず爆発するだろうなぁ、という危うさも感じさせて、でも、良い奴そうだし、という青年を上手く演じてました。
スティーヴ・カレルは自殺未遂直後という設定もあり、体重を絞ってましたねぇ、彼とポール・ダノの役が、この家族のバリエーションを豊富にしましたね。お爺ちゃんはぶっ飛んでたけど。そして、あの勝ち組志向の(実際は、負け組になっちゃたけど)お父さんが、だんだん形振り構わなくなってくるのが、やはり、家族なんだなぁ、って思いました。お母さんは振り回されっぱはしだし。娘が一番純粋でしたねっ!

2022/08/05

2022/08/05

79点

テレビ/有料放送/WOWOW 
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なんとも後味のいい映画

登場人物がクソばかりかと始めは思ったが、どんどん一人一人が愛おしくなる。うまくいかないことばかりでも、ほんの少しだけでも味方になってくれる人はきっといる、と信じさせてくれる。
ほんの少しのほろ苦さを残しつつ、誠にラヴリーな一作。でもなんでPG12なんだろ?

2022/05/13

2022/05/13

80点

VOD 


おじいさんの存在感。死んでしまうけど、それによってさらに存在感が際立つ。変な家族だけどだんだん団結して最後には充足感が得られる。