冒頭、ジム・キャリー扮するジョエルがベッドで目覚めるシーンから始まります。なんか変だ…。ジム・キャリーのいつもの「笑わしてやるぞ〜」的なオーラがない。思い詰めたような表情をしてるのである。
その理由は、当たり前だがストーリーが進行すると明らかになる。だが、そのストーリーに付いていくまでに多少は混乱する人が一定数はいると思います。時系列があちこちに飛ぶものだから、観てる側は錯綜する。登場人物も錯綜してるのだから、当然と言えば当然かもしれません。
ジュエルは恋人だったクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)との失恋で傷ついていた。
その傷を癒やすには、どうすれば良いか?と、考えると究極の選択があったのである。それはクレメンタインのことを記憶から消すことである。これには恐れ入りました。いくらなんでも合理的すぎます。
それでもジュエルは記憶を消失する道を選択するのでしたが…。
とにかく本作は分かりづらい。記憶を消失しようとするのだが、断片的に蘇ることがある。部分的に欠落している記憶なので、ジュエルの過去の回想シーンはとてもシュールである。ゴダールの映画のようにも見える。
個人的には失恋の記憶を消すのは、勿体ないと思う。何事も経験は成長のエキスになるはず。後、恋愛に関しては男の方が女々しい。そこのところは納得できました。
キルスティン・ダンストのサブストーリーもあったが、こちらも不倫の記憶を消していた。ただ、こちらはマーク・ラファロ扮する恋人がおり、サバサバしたものだった。女の方がやはり強いのかな?
本作のヒロインを演じたケイト・ウィンスレットは良かった。タイタニックの時よりもずっとハマり役。本当にアメリカ人女性はこんな感じだと思わされたので。
ジム・キャリーもいつもと違ってカッコ良かったですね。そんな風に思える本作は希少性はあると思います。
ただ、失恋の痛手を記憶の消失で逃れようとするのは共感出来ない。まぁ、及第点の作品ということで。