オアシス(2002)

おあしす|오아시스|OASIS

オアシス(2002)

amazon
レビューの数

72

平均評点

82.2(323人)

観たひと

455

観たいひと

78

(C)2002 Cineclick Asia All Rights Reserved.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス
製作国 韓国
製作年 2002
公開年月日 2004/2/7
上映時間 133分
製作会社 イースト・フィルム
配給 シネカノン
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演ソル・ギョング Hong Jong-du
ムン・ソリ Han Gong-ju
アン・ネサン Hong Jong-Il
チュ・グィジョン Jong-Sae's Wife
リュ・スンワン Hong Jong-Sae

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

前科者の青年と脳性麻痺の女性が、お互いの愛をどこまでも純化させ貫く姿を痛ましくもピュアに描いた衝撃のラブ・ストーリー。監督・脚本は「ペパーミント・キャンディー」のイ・チャンドン。2002年ヴェネチア国際映画祭で監督賞と新人賞(ムン・ソリ)を受賞。出演は「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョングとムン・ソリ。2019年3月15日よりHDデジタルリマスター版が公開(配給:ツイン)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

暴行、強姦未遂に続いて、今度はひき逃げ事件による2年6ヵ月の刑を終えたばかりの青年ジョンドゥ。出所して家族のもとに戻った彼を、誰も快く迎えてはくれず、疎ましい感情を隠そうともしない。ある日、ジョンドゥはひき逃げで死なせてしまった被害者の遺族を訪れる。しかし、一家は引越しの最中で、部屋にはコンジュという女性一人が取り残される。彼女は重度の脳性麻痺のため手足が不自由で、発語にも重い障害を抱えていた。兄夫婦は彼女の名義で障害者用の大きなアパートを手に入れ、そこへ移って行ってしまったのだ。ジョンドゥはひとりぼっちのコンジュのことが気になり始め……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023年10月号

巻頭特集 恋愛以上の恋愛映画:Chapter02 あまりに特別な恋愛映画10本 「オアシス」

2020年7月上旬号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第7弾 2000年代外国映画ベスト・テン:ベスト16

2004年3月下旬号

劇場公開映画批評:オアシス

2004年2月上旬号

特集 「オアシス」:ムン・ソリ インタビュー

特集 「オアシス」:ソル・ギョングについて

特集 「オアシス」:作品評

2025/05/15

2025/05/15

90点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


脳性麻痺で体の不自由な女性と社会に適応出来ない男性の生き様を真正面から描く衝撃作品!

ネタバレ

備忘メモ:
主役の二人、ホン・ジョンドゥを演じたソル・ギョングとハン・コンジュを演じたムン・ソリが素晴らしかった。
ソル・ギョングは、恐らく精神面で少しハンディを抱えており他人との距離の取り方が苦手で自分中心でしか行動出来ない男性役をまさに体現していた。過度に行動の異常さを演出していないが、明らかに迷惑だよなぁ、という様子を上手く体現していた。
ハン・コンジュは脳性麻痺で体の不自由で、常に身体や顔を妙に捻った動きをしている。本当にこういうハンディを背負っている人が演じている、と思ってしまった位の迫真さだった。時々、健常者の動作に戻って自分の気持ちを表現するシーンがあるが、それがミュージカルを観ている感覚を想起させて上手くメリハリを利かせた面白い演出だと思った。渋滞の高架道路でホンがコンを抱えてダンスするシーン、ホンが見た夢(壁掛けオアシスの絵に描かれているインド女性、子供、像が出てきて二人と踊る)を再現するシーンのカメラワークも素敵だ。手持ちカメラで自在にアップ顔や周りから映す効果など、映画的な効果を上手く駆使した監督だ。
一方で、どこかドキュメンタリー・タッチな視点も感じられる。私は、コンのあの動作をずっと観るのは辛いと感じたし、ホンがコンを襲うシーンは観るに絶えず、嫌悪感で鑑賞を止めようかと思った位だ。でも、そこからホンも気持ちに変化が生じる。仕事をしようと思う様になるのだ、コンの為に。そこあたりから、ホンの自分本位の行動に対する私の感情が変わっていった、肯定的に見れる様になったのだ。社会から受け入れられないコン、コンの障害を使って国からマンション補助をだまし取る兄などのシーンを観たからかもしれないが、ホンのコンを思う純粋な気持ちに、心の芯の強さを感じた。
韓国映画ではテンションのメリハリが重要だが、この作品にも充分に用意されていて、二人が裸で愛し合うシーンをコンの兄たちに見つけられるシーンはハラハラドキドキだ。
警察官は「あんなに身体の不自由な人を強姦しようとするなんて、人間じゃない」は一見その通りに思えるが、次の言葉「おまえ、よく性欲が沸くなぁ?」は、この警官はコンを人間と見なしていない事を証明していた。そして、同じことを考えていた私自身に自己嫌悪を感じさせた作品でもあった。嫌悪感を感じる、ということは、私自身の中に潜む嫌なものを感じてしまった、ということでもあるのだ。
木を登ることに何の意味があるか?少しでもコンに近づきたかったのかな。ラジオを大音量にすることで、自分も同じことを感じていることを証明するコン。あ~、素敵~
ラストのホンからコンへの手紙は、何か救われるものを感じた。飄々とした感じで「お元気ですか?」。「大脱走」のスティーブ・マックイーンを思い出した。

ホンの兄は常々「社会に適応しろ、社会に責任を持て。」と言っていた。中盤に思わぬ真実が明らかになるのだが、兄の罪をホンが身代わりになって牢屋に入ったのだ。お互いの合意があってのことだろうが、社会に適応出来ない奴だから、牢屋に2年6カ月居ても構わんだろう、的な考えがあったに違いない。コンの兄も、妹を利用してマンション補助を受けながら、妹はボロアパートに隔離している。心配なんかしていない・面倒もみていない、世間から隠したいだけだ。そんな本音の社会に誰が好き好んで適応するだろうか?そんな思いが感じられた。

2025/05/09

2025/05/09

-点

選択しない 
字幕


主演女優の演技が凄かった。電車の中のシーンまでは、てっきり本当に障害があるのかと思っていた。冒頭のレイプシーンもすごかった。おそらく同じような境遇の人なら、正視に耐えないであろうと思われるが、そうしたシーンを克明に描いているところに、監督の覚悟を感じた。

2025/04/03

2025/04/03

75点

VOD/U-NEXT/購入/テレビ 
字幕


呪文の代わりに

前科3犯の男と脳性麻痺の女性

2004/03/31

2025/01/15

80点

映画館/東京都/Bunkamura ル・シネマ 
字幕


意思疎通が困難な男女の恋物語(劇場公開時の感想)

変な例えだが、
エッチビデオで女が男に乱暴に扱われても喜んでいるように描かれるのは、
「女の喜ぶ顔が見たい」と男が思っているからではないだろうか?

現実の恋愛でも、
男は好きな女のご機嫌を取ろうとしてあれこれつくして、
そのことを本当に気に入ってもらえているか?
いや、ひょっとしたら気に障ることをしてしまって怒ってしまったのではないか?
ということをとても恐れているのではないだろうか?

しかし、
男は、同性の他の男ですら何を考えているのか判らないのに、
女が何を望んでいるかとか、
女の言動などからどう思っているのかを読み取るとか、
全くと言っていい程判らない。

恋愛下手な男にとって、
自分に自信がないこと以上に、
この「女の気持ちがわからない」ということが恋愛に積極的になれない原因で、
これが判ったらどんなにいいだろうと思うのではないだろうか?

--

というわけで、この『オアシス』という映画は、
思っていることを言葉や表情で表わせない「筋肉運動」に問題のある女と、
相手の立場になって考えたり自分の立場をわきまえて自分を抑えたりすることの出来ない「精神」に問題のある男のラブストーリーである。

ここで描かれるれる恋は、
上に述べたように男にとってはとても大きな障壁のあるもので、
一方、女にとっても障壁が大きい男であろう。

愛し合う2人の前に大きな障害が立ちはだかるということで、
典型的なラブスト-リーの設定でありながら、
体の障害が愛の障害にになっているのが有効で判りやすい。

面白いのが、
妄想シーンとして、女の筋肉が自由になって動き回るシーンが時々あり、
そこで映画を観る者に対して、
彼女は表面には出ないものの、
心の中では健常者と同じようにちゃんと物事を考えていること、
そして彼女が考えていることは男を愛していることだということが示される。

このあたり、
女が考えていることを知りたい、
女に喜んで欲しいという、
男の気持ちをくすぐられる。

--

ところでこの映画、
主人公の2人はどちらも周りの人々に疎まれているが、
そんな2人が「似たような相手同士で惹かれ合った」というような疎外感を強調した描かれ方をされてないのは何故だろう?

ベタベタするのを避けるためだろうか?

それから、
映画の設定が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とよく似ているのだが、
類似性が目立たないのはラストの印象の違いが大きいということなのか?

まあ、あんまり意味の無い比較なのだが、
私としては悲劇が好きなので、
どちらも良く出来た悲劇だというのが感想。

(以上、劇場公開時に書いた感想に、若干の手直しをした文章)

2024/12/14

2024/12/15

89点

その他/録画WOWOW 
字幕


再び観る

ネタバレ

 ジョンドゥ(ソル・ギョング)は、社会に適応ず、それは、やはり何らかの発達障害があるからだろう。仕事の出来なさや、人とうまく関われない所から、家族に嫌われている。しかし、家族から、罪の身代わりにされていることが段々明らかに。

 また、脳性麻痺のコンジュ(ムン・ソリ)もその障害の為に、仕事が出来ず、逆に家族にその障害を利用されていることが分かってくる。

 コンジュの姿を見るのはなかなか辛く、この二人の気持ちが近づいて行くのを見るうちに、こちらも段々二人の気持ちに近づいて行く。

 ラストの悲惨さは、この二人の気持ちに絞って観れば、凄い落としどころになっていると思った。

 一方、この二人の周りの家族は、かなり酷い仕打ちで、それは見るに耐えなかった。

 イ・チャンドンのこの監督作を久しぶりにまた観て、衝撃的だった。

2024/12/04

2024/12/04

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 


踏絵のような映画。目を背けずに見なければならないと思うがその心もなんだか嘘っぽい。