そして、何も知らないお嬢様。
色のついていない役者を選択したという事が
この作品の大成功の秘訣だったのかもしれない。
いちいちのリアクションが新鮮に映り
その言葉の響きも新鮮に映る。
これが何度となく主演を経験した役者さんだったら
お姫様の無垢さを表現できなかったのかもしれない。
対する新聞記者さんは酸いも甘いも知っている人が演じるべきで
その対比こそが王家と庶民の生活の違いを表していたんだと思いました。
何も知らないただ可愛らしいだけのお姫様が
1日の休みの中でいろんな事を経験して
その言葉にお飾りではない重みを加えることが出来た。
それはいつしか庶民的という形容詞で彼女を飾るようになるのかもしれない。
決して飛び越える事の出来ない境界線。
ただその目線で交わす言葉に
忘れられない思い出が横たわっている。
残り香だけを置いていく休日。
彼女のいない日々を彼はどうやって過ごしていくのだろうか…