去年(2003年)公開された夏休み映画の中で予想外の大ヒットとなった「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、まさにディズニーランドのアトラクションそのもの。大人も子供も理屈抜きで楽しめる冒険活劇です。
海賊たちが世界の海をまたにかけ暴れまわっていた18世紀、カリブ海沿岸の町にたった一人、おんぼろ船でやってきたのがジョニー・デップ演じる海賊ジャックです。どうやらこの海賊、部下のバルボッサ(ラッシュ)の裏切りに遭い、船を追い出されたらしいのです。そんな彼がひょんなことから総督のお嬢様・エリザベスを助けたことからこの物語は始まります。
海賊ジャックに扮するデップの役作りが凝っています。群れをなしてこその海賊なのに、彼はたった一人のはぐれ海賊、しかも乗っていたオンボロ船は上陸寸前にブクブクと沈んでしまいます。かなりカッコ悪い登場シーンですが、そのスタイルもビジュアル系のロックスターのようなイカれたもの。キャラクターも荒くれ者のイメージとは程遠く、腕力よりも悪知恵と小細工で万事切り抜けようとするタイプ。オカマっぽい態度で人を食ったとか思えば、すばしっこい剣さばきも見事、なかなかに食えない奴なのです(デップの芸達者ぶりに感嘆!)。
物語は金のメダルを狙うジャックと敵役のバルボッサの戦いに、エリザベスと彼女を慕う鍛冶屋の青年ウィルのラブストーリーがからんで進んでゆきます。エリザベスへの愛ひとすじ、誠実な二枚目・ブルームと、利益になればどちらにでも寝返る節操のないお調子者・ジャック、そして気が強くてお転婆なお嬢様・エリザベス三者三様のアンサンブルが楽しいです。
また、アステカの呪いによって亡霊にされてしまったバルボッサ一味が、その呪いを解くために今は亡きターナー船長の子孫の血を求めているという設定も面白いです。亡霊なので殺しても死なない代わりに、月光を浴びるとゾンビになってしまうという、見た目のおどろおどろしさに加え、チャンチャンバラバラの冒険活劇にこの不死のトリックが巧く作用して、二転三転するストーリー展開は、まさにカリブ版ジェットコースター。「海賊映画なんて、古臭い」と思っている方、ぜひご覧になってみて下さい。予想以上の面白さに、続編が楽しみになるはずです。
去年公開された夏休み映画の中で予想外の大ヒットとなった「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、まさにディズニーランドのアトラクションそのもの。大人も子供も理屈抜きで楽しめる冒険活劇です。
海賊たちが世界の海をまたにかけ暴れまわっていた18世紀、カリブ海沿岸の町にたった一人、おんぼろ船でやってきたのがジョニー・デップ演じる海賊ジャックです。どうやらこの海賊、部下のバルボッサ(ラッシュ)の裏切りに遭い、船を追い出されたらしいのです。そんな彼がひょんなことから総督のお嬢様・エリザベスを助けたことからこの物語は始まります。
海賊ジャックに扮するデップの役作りが凝っています。群れをなしてこその海賊なのに、彼はたった一人のはぐれ海賊、しかも乗っていたオンボロ船は上陸寸前にブクブクと沈んでしまいます。かなりカッコ悪い登場シーンですが、そのスタイルもビジュアル系のロックスターのようなイカれたもの。キャラクターも荒くれ者のイメージとは程遠く、腕力よりも悪知恵と小細工で万事切り抜けようとするタイプ。オカマっぽい態度で人を食ったとか思えば、すばしっこい剣さばきも見事、なかなかに食えない奴なのです(デップの芸達者ぶりに感嘆!)。
物語は金のメダルを狙うジャックと敵役のバルボッサの戦いに、エリザベスと彼女を慕う鍛冶屋の青年ウィルのラブストーリーがからんで進んでゆきます。エリザベスへの愛ひとすじ、誠実な二枚目・ブルームと、利益になればどちらにでも寝返る節操のないお調子者・ジャック、そして気が強くてお転婆なお嬢様・エリザベス三者三様のアンサンブルが楽しいです。
また、アステカの呪いによって亡霊にされてしまったバルボッサ一味が、その呪いを解くために今は亡きターナー船長の子孫の血を求めているという設定も面白いです。亡霊なので殺しても死なない代わりに、月光を浴びるとゾンビになってしまうという、見た目のおどろおどろしさに加え、チャンチャンバラバラの冒険活劇にこの不死のトリックが巧く作用して、二転三転するストーリー展開は、まさにカリブ版ジェットコースター。「海賊映画なんて、古臭い」と思っている方、ぜひご覧になってみて下さい。予想以上の面白さに、続編が楽しみになるはずです。
(2023/1/20 記)