ゴースト ニューヨークの幻

ごーすとにゅーよーくのまぼろし|Ghost|Ghost

ゴースト ニューヨークの幻

amazon
レビューの数

82

平均評点

75.9(770人)

観たひと

1384

観たいひと

50

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / ファンタジー / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1990
公開年月日 1990/9/28
上映時間 127分
製作会社 パラマウント映画製作
配給 パラマウント=UIP
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

幽霊となっても愛する人を守ろうとする男の姿を描くファンタジックなラブ・ストーリー。エグゼクティヴ・プロデューサーはスティーヴン・チャールズ・ジャフィ、製作はリサ・ウェインスタイン、監督は「殺したい女」のジェリー・ザッカー、脚本はブルース・ジョエル・ルービン、撮影はアダム・グリーンバーグ、音楽はモーリス・ジャールが担当。出演はパトリック・スウェイジ、デミ・ムーアほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

銀行員のサム・ウィート(パトリック・スウェイジ)は恋人のモリー・ジャンセン(デミ・ムーア)と一緒に幸福な共同生活を始める。しかしモリーがサムにプロポーズした晩、2人を暴漢が襲い、モリーを守ろうとしたサムは撃ち殺されてしまう。地上を離れたサムの魂は天国へ行くことを拒否し、モリーをいつまでも見守ることを選ぶが、彼女に声をかけることさえできないのだった。ある日、サムは自分を殺した男を目撃し、その男がウィリー・ロペス(リック・アビルス)という名であることを知るが、それを伝える術もなく途方に暮れている所に、霊媒師オダ・メイ・ブラウン(ウーピー・ゴールドバーグ)に出会う。オダ・メイは詐欺まがいの行為で客の金を巻き上げるような女だったが、サムの言葉に反応した。そこでサムは彼女を説得し、モリーとの伝令役を引き受けてもらう。最初半信半疑だったモリーだが、オダ・メイがサムしか知らないはずのことを語るので信用し、そのことをサムの親友のカール・ブルーナー(トニー・ゴールドウィン)に相談した。ウィリーの家に向かうカールの後をつけたサムはそこで、カールが、不当な金を銀行を経由させることで正当な金に見せかけるマネー・ロンダリングに関わっている事をサムに気づかれたと思い、ウィリーと共謀して自分を殺したことを知る。そしてサムがオダ・メイの手によってカールの秘密口座を解約したことで、サムが生きているのではないかと疑い始めたカールはウィリーと共に、モリーに襲いかかるが、サムとオダ・メイの助けによって救われ、カールはガラス窓に突っ込み死ぬ。モリーを助けるという使命も終わり、サムはモリーに愛を告げ天国に昇っていった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1990年10月下旬号

外国映画批評:ゴースト・ニューヨークの幻

外国映画紹介:ゴースト ニューヨークの幻

1990年10月上旬号

グラビア:ゴースト

特集 ゴースト ニューヨークの幻:作品論

特集 ゴースト ニューヨークの幻:エッセイ

特集 ゴースト ニューヨークの幻:分析

2025/05/07

71点

選択しない 


エンタメ度高いラブ・ファンタジー

暴漢に殺された銀行員(パトリック・スウェイジ)が幽霊となって婚約者だったデミ・ムーアを守るラブ・ファンタジー。二人でろくろを回す場面が有名で、パロディによく使われた。ロマンチックでセンチメンタルなだけでなく、暴漢が実はスウェイジの同僚からの差し金で、今度はデミ・ムーアが狙われるなどサスペンス要素もある。意思疎通に使われる霊媒師がウーピー・ゴールドバーグなのでユーモラスな要素もあり、恋愛ドラマは苦手な人にも楽しめるだろう。ラストも分かってはいるが泣かせる。こういうのをそれまでナンセンスなコメディばかり作っていたジェリー・ザッカーが監督しているのが驚き。

2025/04/28

2025/04/28

65点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


オダ=メイでないこと

オダ=メイ(ウーピー・ゴールドバーグ)に魅せられる.彼女の顔芸や憑依芸はもちろん,奇天烈な衣装や存在そのものが美しくもある.それにしてもなぜ,モリー(デミ・ムーア)のダンスの相手は,オダ=メイではなかったのだろうか.彼女(オダ=メイ)の中にいたのは確かにサム・ウィート(パトリック・スウェイジ)であったが,それは彼女(モリー)の中だけの見え方であったのだろうか.わたしたち観客は誰の何をみていたというのだろうか.
モリーはこのダンスの時,目をつぶっている.観客の目はおそらく開いており,そこにモリーとサムがスローにダンスする姿を見て,多くの観客は感動をしているに違いない.このときダンスの相手がオダ=メイであったら感動できなかっただろうか.あるいはモリーが目を開けて,そこにいるはずのオダ=メイを目の前にしていたら,モリーはサムとの感触や感傷に浸れなかったのだろうか.ダンスナンバーがこうした疑問を押し流すようにして,次の場面へと物語は先へ先へと急いでいく.
モリーやサムには,来歴がなく,映画の冒頭で突然,ニューヨークのダウンタウンにあるアパートの上階にいて,天使の彫像を窓から迎え入れている.彼女と彼の馴れ初めも,家族もわからず,天使を受け入れる人たちとしてそこにいて,そこにはカール・ブルーナー(トニー・ゴールドウィン)もいる.モリーを挟んで二人が対になって,スリーショットとして現れる構図は,映画の中盤にもある.天使か悪魔か,天国か地獄か,行動の選択が求められるが,モリーは,物語において決定的な行動を取ることはしない.彼女は受け身であり,名前として言い当てられた「マリア」的な存在でもある.天国行きか,地獄行きか,その行動によって判定されようとしているのは,オダ=メイであり,カールの欲や悪が,最初は小さなきっかけであったにしても,人間の死を伴うような大きな結果となり,カールは罪を背負うことになり,彼が劇中で断罪されるかどうかが一つのスリルにもなっている.
オダ=メイの前科は彼女の生きてきた証でもある.詐欺などで実刑もくらいながら,またインチキまがいの霊媒師を稼業としている.また,実行犯でもあったロペス(リック・アビレス)との過去の関係まで掘り起こされてしまう.あるいは地下鉄の車両を縄張りとしているあの幽霊(ヴィンセント・スキャヴェリ)も永続する怒りの中にあるように見える.こうした人間的な人間(あるいは幽霊)たちのすれすれの行動が,ダンスに昇華されてしまうところに,観客は観客の視線の罪を感じることができるのかもしれない.

2025/03/10

2025/04/15

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


古色

◎ ウェルメイド。オバケが出てこなければ、ヒッチコック作品にもなりそう。
◎ 17年ぶりに観たが、その古色も魅力的になってきている。

2012/10/07

2025/03/25

75点

テレビ/有料放送 
字幕


ライチャス・ブラザーズって、白人デュオだったんですね。

ネタバレ

洋の東西を問わず死後の世界は天国と地獄で落ち着く。宗教がそれぞれ色をつけ形を整えた。本作では、
キリスト教色を含めず、天国に行く前の猶予期間の物語を創造した。また、1955年のライチャス・ブラザーズ
の「アンチェインド・メロディ」という懐かしのメロディを主題歌に採用し、映画を大いに盛り上げた。陶芸は
アメリカの観客にはなじみがないのだろう。陶芸のラブシーンは絶賛となった。

NYの銀行員マーク・ウィート(パトリック・スウェイジ)は、陶芸家のモリー・ジェンセン(デミ・ムーア)との
交際も順調で仕事に励んでいた。口座データの異変を発見したが、原因解明には至らなかった。モリー
との観劇の帰り、彼女から結婚の言葉を聞く。そういう時期だったのだ。しかし暗闇から暴漢が出現し、
マークを襲った。もみ合う打ちに拳銃の音。マークは撃たれてモリーの腕の中…。しかしそれを見つめる
もう一人のマーク。いつの間にか幽体離脱してマークは出来事を見つめていたが、すでに幽体の身、もの
を触ることは出来ない。そして現実のマークは息を引き取る。
映画はマークが安心して成仏できない展開となる。マークは同僚のカールの悪巧みを知る。彼は麻薬組織
の400万ドルを資金洗浄していたのだった。暴漢ウィリーを使ってマークを襲ったのもカールの仕業。マーク
は送金用コードを変換していたのだった。カールはマークの手帳に書かれた変換コードが知りたかったのだ。
ウィリーを雇ってマークの財布を奪うのが主眼だったが、想定外の殺人に至ってしまった。カールはマークが
いなくなったことを幸いに、モリーを慰める。彼の下心はしだいに露骨になる。マークは一連の流れを見るだけ。
モリーの安全を図るために、地下鉄のゴーストから物の動かし方を学ぶ。そして偽霊媒師のウーピー・
ゴールドバーグと組んで、カールが預かった400万ドルを出金させる。カールは破滅へ…。

日本では天国や地獄ではなく、拝金の神バブルの時代。ちょっと甘ちゃんの映画だが、1990年の日本
配給収入トップテンの第4位となった(Wiki)。主題歌と陶芸のラブシーンと口コミに乗りやすい話題が成績に
響いたのだろう。普段、映画を観ない層が成績を上積みする。

1990年

2024/11/11

85点

映画館 
字幕


ゴーストになっても寄り添いたい愛を描く、最初から最後まで、なんとも美しい映画。

2024/08/29

2024/08/29

84点

VOD/U-NEXT 

・名作は今見ても面白い 単純なラブロマンスだけではなく、サスペンスやコメディの面でもレベルが高いエンタメ作品に仕上がっている 幼少期に鑑賞し、音楽とろくろの場面しか記憶がなく、男女どちらが死ぬかも忘れていた状態でした
・物語の大半は、死んだサムを殺した犯人を妨害すること、殺害の裏(麻薬組織にお金を振り込む)にある真犯人の同僚カールのたくらみを防ぐこと 死んでいることでなかなか伝わらない想いや、モリーに対し犯人側の意図が伝わらないもどかしさが、サスペンスフルで、映画的な楽しみにあふれている
・死んだサムが現実社会に伝える唯一の手段が霊媒師のオダメイのキャラがうさん臭く魅力的 カールをはめて小切手取得後に寄付する展開のくやしさ表現が巧み 後年の天使にラブソングをにつながるような展開で驚きました
・モリーを一途に想うサムの行動が王道で良かった 名場面のアンチェインメロディとろくろの場面は前半の死ぬ前であったことに驚きました 最後のセリフ、サムの口癖である「同じく」をモリーが発して天に召される場面は、ベタで王道で感動的
・電車の中の幽霊先輩から学ぶ力によって徐々に現実世界に影響を与えられる展開 犯人たちを止められる行動は痛快 またオダメイに降臨できる流れもしっかり前半に描かれる伏線となっていて、脚本も見事
・ウーピーの演技は後年の「天使にラブソングに」つながる好演 デミムーアはボーイッシュでありながら透明感がありキュート