よくある設定で何度も作られているストーリーなのだが
よくある若者の恋愛ストーリーだ。こんな設定、昔から定番の設定だ。こんな設定にすれば客が集まるだろう、感動してくれるだろう、の設定だ。それこそ今井正の「純愛物語」とか「愛と死を見つめて」とか「ある愛の詩」とか「せか中」とかガス・ヴァン・サントの「永遠の僕たち」とか、もう例を挙げれば切りが無い。そのくらい定番の設定だ。
よくも恥ずかしくもなく、こんな設定で映画を作る物だ、と思ったのだけれど、意外とちゃんと観れてしまった。
こんなB級の小品、いかにもGAGAが引っ張ってきそうな映画だ。1990年代、映画を観まくっていた頃はギャガヒューマックス配給の映画も観ていたが、だいたいB級品以下、たまに大作も持ってきた。東銀座の近く、日比谷線の上、晴海通りの下にある銀座シネパトスという映画館でギャガヒューマックス配給作品を観たものだ。よくもこんなところに映画館を作ったなあ、と言う所にあった。それでもちょっと気になる映画があったらこの地下の映画館に通ったものだ。
編集もありきたりで、例えば時間の経過を表すために短い風景などのカットをつないで行って時間が経ちましたよ、と言うお約束通りの繋ぎでした。
監督の演出も特にずば抜けているわけでもなく、編集もありきたりなのだが、なんか心にきた。ひょっとして、私自身こんな陳腐な悲恋物語が好きなのかしら?割と馬鹿にしていたんだけど。
主人公のランドンは不良で、仲間に入りたい男子を肝試しさせるが怪我をさせてしまって、その罰として奉仕活動を行わなければいけなくなる。その活動は障害児童に勉強を教えることだ。そこで幼なじみのジェイミーと親しくなっていって、やがて好きになる。一方ジェイミーは不治の病に罹っていて。ってよくあるよね。
ランドンが不良仲間との付き合いをやめてジェイミーと付き合うようになったものだから、以前の不良仲間たちが意地悪をしてくる。うん、よくあるよね。
ジェイミーは父親が神父のためもあって、宗教のがんじがらめになっていて、これってどこかの宗教団体のプロパガンダ映画かな、と疑ってしまったのだが、それは後半になって謎が解ける。
こんなストーリーなのになんで面白かったのだろう。
ヒロインのジェイミー役を演じたマンディ・ムーアと言う女優、そんな美人じゃないけどよかったね。ランドン役はシェーン・ウェストが演じている。シェーン・ウェストってウェキおじさんに聞くと、大した映画に出ていないんだけど、テレビドラマ「ER緊急救命室」にでているのね。それで名前を覚えているんだ。二人とも口が同じ方向に曲がっているのは愛嬌という物。
ジェイミーが演劇発表会で独唱でフルコーラス歌うとは思わなかった。カットしないのね。