デイヴィッド・リンチ監督の代表作を15年ぶりくらいに観てみた。
内容については想像以上に全く覚えていなくて、初めて観るような気持ちで観ていたと思う。まぁとにかく訳の分からない作品であることは間違いない。もしこの映画が2024年に初公開されていたら、評価は全く違っていたかもしれない気がする。僕たちは普段「分かる」ものばかりに触れていて、時代はますます「分かりやすい」ものを求める方向に急加速しているのだからね。たまにはこうやって「分からない」ものを観ておかないと、分かることが当たり前になってしまうと思う。だから、この映画は今日のような時にこそ必要な作品なのではないか。
いま観た印象を軽く残しておくのならば、映画が歩んできた栄光の道の裏側にはこういう悲劇があったかもしれない、という映画愛の映画なんじゃないかと思った。舞台が「サンセット大通り」に出る前の道の「マルホランド・ドライブ」になっていることはそういう意味なんじゃないか、と。そこで起きた悲劇を主人公たちがゴーストにでもなって、もう一度辿っている、のか??? 正解は分からないけれど…。