インファナル・アフェア

いんふぁなるあふぇあ|無間道|Infernal Affairs

インファナル・アフェア

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レビューの数

108

平均評点

82.1(749人)

観たひと

1217

観たいひと

74

(C)2002 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション / サスペンス・ミステリー
製作国 香港
製作年 2002
公開年月日 2003/10/11
上映時間 102分
製作会社 ベイシック・ピクチャーズ
配給 コムストック
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

警察とマフィア、それぞれのスパイとして敵側に潜入している二人の男を描いたサスペンス・ドラマ。監督・製作・撮影は「拳神 KENSHIN」のアンドリュー・ラウ。共同監督・共同脚本は「ファイナル・ロマンス」のアラン・マック。出演は「Needing You」のアンディ・ラウ、「HERO」のトニー・レオン、「ドリフト」のアンソニー・ウォン、「アクシデンタル・スパイ」のエリック・ツァン、「冷静と情熱のあいだ」のケリー・チャン、「Needing You」のサミー・チェン、「ファイナル・ロマンス」のエディソン・チャン、これが日本初登場となるショーン・ユー、歌手のエルヴァ・シャオほか。第22回香港フィルム・アワード主要7部門受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

マフィアの組員ラウ(アンディ・ラウ)は、ボスであるサム(エリック・ツァン)の指示で香港警察に潜り込み、10年で内部調査課の課長に昇進。ベストセラー作家メリー(サミー・チェン)との結婚も内定していた。一方、ラウと同じ警察学校に通っていたヤン(トニー・レオン)は、組織犯罪課のウォン警視(アンソニー・ウォン)の指示で、サム率いるマフィアに潜入。今では麻薬取引を任されるまでになっていた。しかしヤンは長年に渡る内通捜査で自分を見失い、精神科医リー(ケリー・チャン)のもとに通院。いつしかヤンはリーを愛し始めていた。ある夜、ヤンから大きな麻薬取引を行うとの情報を得たウォン警視は、水面下で調査を始めるが、同時に警察の動きがラウからサムに伝わり、検挙も取引も失敗に終わる。双方にスパイがいることが明らかになった。ラウとヤンは、それぞれ裏切り者を探すよう命じられる。やがて争いの中で、サムの手下にウォン警視が殺される。サムの残忍さに嫌気がさしたラウは、サムを射殺。そしてヤンは、ラウがマフィアのスパイであることに気づくが、やはりサムの手下にヤンも殺される。残されたラウは、ヤンの分まで警官として生きていくことを決意するのだった。

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2020年7月上旬号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第7弾 2000年代外国映画ベスト・テン:ベスト16

2003年12月上旬特別号

日本映画紹介/外国映画紹介:インファナル・アフェア

2003年11月下旬号

劇場公開映画批評:インファナル・アフェア

2003年10月下旬号

巻頭特集 「インファナル・アフェア」:グラビア

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2012/03/24

2025/02/21

85点

選択しない 


抒情性とハードボイルドが違和感なく調和

ネタバレ

 2002年製作の香港映画「インファナル・アフェア」であります。日本公開は翌2003年。監督はアンドリュー・ラウとアラン・マック。本来はマックの単独監督の予定が、想定外の「オールスタア映画」となつたので、実績のあるラウが加はつたさうです。脚本はアラン・マック&フェリックス・チョン、音楽はコンフォート・チャンとなつとります。好評を得た本作は、ハリウッドで「ディパーテッド」としてリメイクされ、日本でもドラマ「ダブルフェイス」の元となつたのであります。

 香港マフィアのボス・サム(エリック・ツァン)は、警察内部の情報を得る為、配下のラウ(アンディ・ラウ)を警官として警察に潜入させました。既に十年が経過し、警察内での地位も固めてゐます。
 一方でラウと同じ警察学校にゐたヤン(トニー・レオン)は、組織犯罪課のウォン警視(アンソニー・ウォン)に命じられ、サムの配下としてマフィアに潜入します。十年にも及ぶ危険な任務に、精神を病み、精神科医リー(ケリー・チャン)の元へ通院してゐます。ヤンの正体を知るのはウォン警視一人だけです。

 サテ、ヤンの情報で近々大きな麻薬取引が行はれると知つたウォン警視は、水面下で調査を始めるとともに、大掛りな包囲網を編成します。ところが警察の動きはラウによつて、マフィア側に筒抜け。結果的に警察は検挙できず、マフィアも取引は失敗。これにより警察、マフィア双方ともに、スパイが潜入してゐると断定します。皮肉な事に、スパイを暴く役割に、サムはヤンを、ウォンはラウを夫々指名するのでした......

 原題の「無間道」とは仏教で云ふ「無間地獄」の事で、一度入つてしまへば二度と脱出できない、どこまでも苦しみが続く世界。字幕では「長寿は無間地獄 最大の苦しみなり」の文句もあり。マフィア、警察にそれぞれ潜入するトニー・レオンとアンディ・ラウの苦悩そのまゝであります。邦題も「無間道」で好いのに、何故かカタカナを使ひたがるんですよねえ。「インファナル・アフェア」ではイメエヂが湧きません。

 映画冒頭はしばらくストオリイの軸は見えませんが、忽ちこの主役二人の、陰影に満ちた演技に引き込まれました。しかし二人にかかる無間道ぶりは、マフィアに潜入したトニー・レオンの方が格段に上と存じます。任務に成功してもそれは当り前、バレたら即座に死が待つ境遇です。陸軍中野学校みたいですね。

 しかも三年、また三年とその期間を引き延ばされ、いつ元に戻れるか分からない状況では、精神に異常を来しても不思議ではありますまい。見てゐるこちらも、いつバレるかドキドキします。そしてその最期、エレヹーターのシーンは寂寞たる光景でした。警視の死によつて、自分が警官である事すら証明できず、一旦はラウによつてその存在が抹殺されます(死後に名誉復活、警視と同じ墓に入れます)。

 一方のラウは警察組織の中にゐますから、正体がバレただけでは殺される事は無いでせう。勿論マフィア側を裏切つたなら、サムに忽ち消されてしまふでせうが、警官と云ふ身分を公的に得てゐるので、ヤンに比べて少し余裕があります。最後は善人として生きる事を決意しますが、これもこの立場あればこそ。

 主演二人に加へ、夫々のボスであるアンソニー・ウォンとエリック・ツァンが素晴しい。流石に四大影帝と称される面面であります。この二人が留置場でお互ひの腹を探りながらやり取りするシーンは大好きであります。ウォン警視は故意に靴下の左右を違へて穿き、ラウが気付くかどうか試します。車の屋根に落下するシーンは衝撃的。
 精神科医のケリー・チャン、作家のサミー・チェンの、主役二人の相手役も美しくていいし、馬鹿にされた挙句殺されるキョン役のチャップマン・トウも印象深いのです。そして台湾の人気歌手エルヴァ・シャオがワンシーンながらヤンの元恋人役で出演。子供の年令を一歳少なく伝へるのも芸が細かいです。

 冷静に見てしまふと、ツッコミどころは多々あるのですが(警察学校で一緒だつた二人が何故気付かない? サムは何故こんな手の込んだ非生産的な手で警察情報を得やうとするのか? この騒動が起きるまでの十年間、ヤンはどんな働きをしてゐたのか不明、善人として生きる筈のラウが過去をなかつた事にするのは不可解など)、実力俳優たちの演技が非現実的な暗黒街を忘れさせ、画面に釘付けとなる102分でありました。

2024/11/01

2024/11/08

90点

選択しない 


トニー・レオンの脚にぶつかって開閉を繰り返すエレベーターの扉がせつなくて、忘れられない。

2024/08/30

2024/09/05

80点

映画館/東京都/新文芸坐 
字幕


潜入捜査官になるもんじゃない

オープニングからひたすらぞくぞくする面白さ。主人公2人の葛藤が胸の底まで刺して来る。ハリウッドリメイク版なんて必要ない。このオリジナルでシビれろ!特にT・レオンの追い込まれ方は出色。潜入捜査官の末路は哀れすぎる。栄光や幸せとは無縁の人生…。

2024/04/13

2024/04/13

95点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


奇跡的超傑作

約20年ぶりに二度目の鑑賞。あまりにも傑作すぎて痺れる。後にハリウッドでリメイクされたやつも観たけど、到底本作には及ばないわけで、何をしてこの作品をこれほどの傑作にしたのかと考えてしまう。まあ、トニー・レオンのカッコよさはたまらん。アンディ・ラウもいいんだけど、この作品はとにかくトニー・レオン。異論は認めない。惜しげもなく彼を殺してしまったのは、後にシリーズ化しようとしたときに後悔したと思うけど、だからこそ、この1本目が超名作になったのだと言っていい。
ところで、オーディアマニアの間では冒頭のオーディオショップのシーンが特に有名だけど、どうしてあんなシーンを入れたのかな? 特に必要とも思えないのに。あのショップ、オーディオオタクの端くれとして、一度行ってみたいものである。

2024/03/30

2024/03/30

80点

選択しない 


20年ぶりに再見
それでも変わらずカッコいい

2024/03/10

2024/03/14

80点

映画館 


この頃の香港映画は東映ヤクザ物に感じるような色気がある。その後アジア映画は韓国映画が圧倒してゆくのだが。

後にスコセッシがリメイクし、アカデミー賞を獲得した潜入捜査物の傑作。今見ても緊張感と男の色気にあふれている

マフィアと警官それぞれに潜り込んだイヌ。信頼と裏切り、バレたら即ち死を予感させる緊張感と背負って生きる哀しみがたまらない

トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォンの名優そろい踏みに加え、ケリー・チャンが美人過ぎてびびる

新文芸坐にて