ファイト・クラブ

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ファイト・クラブ

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レビューの数

150

平均評点

80.4(1667人)

観たひと

2729

観たいひと

243

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1999
公開年月日 1999/12/11
上映時間 139分
製作会社 リンソン・フィルムズ作品
配給 20世紀フォックス映画
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

暴力と狂気に魅入られていく男の姿を描いた異色ドラマ。チャック・ポーラニックの同名小説の映画化。監督は「セブン」「ゲーム」のデイヴィッド・フィンチャー。脚本はジム・ウールス。撮影は「ゲーム」のジェフ・クローネンウェス。音楽はダスト・ブラザーズ。出演は「ジョー・ブラックによろしく」のブラッド・ピット、「ラウンダーズ」のエドワード・ノートン、「鳩の翼」のヘレナ・ボナム・カーターほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャック(エドワード・ノートン)は保険会社に勤めるヤング・エグゼクティブ。ここ数カ月は不眠症に悩み、さまざまな病気を抱える人々が集まる「支援の会」に通い始め、そこで泣くことに快感を覚えるように。ある時、やはり「支援の会」中毒の女、マーラ(ヘレナ・ボナム・カーター)に出会い、電話番号を交換する。出張先の飛行機でジャックはタイラー(ブラッド・ピット)と知り合う。フライトから帰ってくるとなぜかアパートの部屋は爆破されており、ジャックは仕方なくタイラーの家に泊めてもらうが、タイラーは自分を力いっぱい殴れという。タイラーはエステサロンのゴミ箱から人間の脂肪を盗み出し、石鹸を作って売っていた。数日後、ジャックとタイラーは再び酒場の駐車場で殴り合う。次第に見物人は増え、ついにタイラーは酒場の地下室を借りて互いに殴り合う「ファイトクラブ」の設立を宣言する。一方でタイラーはマーラを呼び出し、情熱的なセックスを繰り返す。「ファイトクラブ」は会員が増え、全国に支部ができるまでになった。ついにクラブは、いたずらとテロを組織的に繰り返すようになる。タイラーはついにクレジット会社のビルを爆破する計画を立てる。ジャックはタイラーを阻止しようと走り回るが、なんと意外な事実が発覚。なんとタイラーはジャックのもうひとつの人格だったのだ。かくしてタイラーはジャックを凌駕しようとするがそれは阻止され、ジャックは駆けつけたマーラと共に美しく崩れ落ちるビル群を眺めるのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

臨時増刊2月21日号 KINEJUN next vol.01

特集 拳闘×映画 ボクシング映画の魅力:「子猫の涙」 Extra Movie 「ファイト・クラブ」「UNCHAIN アンチェイン」

2000年2月上旬号

外国映画紹介:ファイト・クラブ

2000年1月下旬号

劇場公開映画批評:ファイト・クラブ

1999年12月上旬号

巻頭特集 ファイト・クラブ:グラビア

巻頭特集 ファイト・クラブ:メイキング・オブ・ファイトクラブ

巻頭特集 ファイト・クラブ:作品評

巻頭特集 ファイト・クラブ:プラピの魅力

巻頭特集 ファイト・クラブ:ブラピ&ノートンフィルモグラフィ

巻頭特集 ファイト・クラブ:汚れ役が似合う美形俳優

1999年10月上旬号 創刊80周年特別号1

スペシャル・セレクション:ファイト・クラブ

2025/09/02

84点

VOD/Disney THEATER 
字幕


地上に溢れ出す暴力

ネタバレ

人は痛みを恐れ、痛みから逃げようとする。
が、同時に痛みを求めようともする。
それは精神的、肉体的に関わらず。
痛みを乗り越えることで人は強さを得ることも出来る。
だからなのか、いつか痛みを感じること自体が快楽になってしまう者もいる。
これは痛みを求めることで、自分を他でもない特別な存在に変えようとする者たちの物語だ。

映画は主人公の一人称で矢継ぎ早に語られていく。
彼はエリートサラリーマンだが空虚な日々を送っており、ストレスにより不眠症に陥っている。
そんな彼が生きがいを求めて参加したのが癌患者の集いだ。
もちろん彼は癌には罹っていない。
彼は患者たちの痛みに触れることで感情が高まり、思わず涙を流してしまう。
そしてその夜、彼はぐっすりと眠ることが出来た。
この快感に味をしめた彼は、次々と病気を持つ患者たちの集いに参加する。
が、同じように様々な集いに参加するマーラによって、彼の快感の日々は脅かされてしまう。
彼はマーラを排除しようとするが、彼も病気を偽って参加しているため強く責めることは出来ない。
結果的に曜日を分けてお互いが会わないようにすることで合意を得る。
再び鬱屈した日々を送ることになった時に、彼はタイラーという謎の男と出会う。

これぞデヴィッド・フィンチャーの真骨頂ともいえる暴力的で退廃的な映像、目まぐるしい展開と様々な仕掛けに翻弄される作品だった。
冒頭から違和感だらけだが、見事なシナリオの誘導によって観ている者は重大な違和感に気付かない。
そして主人公のモノローグのせいである思い込みに囚われてしまう。

何故タイラーは痛みを求めるのか。
彼の行動の意図と目的が分からず、困惑しつつも画面から目が離せなくなる。
タイラーはいつしか地下に格闘場を作り、極秘のファイトクラブを運営するようになる。
集まるのは鬱屈した日々を送る普段は冴えない男たちばかり。
タイラーは彼らに様々な縛りを課す。
その一つが「クラブのことを口外してはならない。」
それなのにクラブの参加者は着実に増えていく。
それもタイラーの思惑通りであるのだが。

やがて組織は大きくなり、地下から地上へと活動の場も拡大していく。
その間もタイラーは様々な縛りを参加者に課し続ける。
そしてタイラーはついに参加者たちに犯罪行為を強要するようになる。
ある計画について質問することすら禁止する。
共同経営者だった主人公はいつの間にか蚊帳の外に追い出されてしまう。

タイラーが参加者に縛りを課すのは、自分がクラブの支配者であることを植え付けるためである。
そして彼の支配欲はクラブだけに留まらなくなる。
彼の行動がエスカレートしていくのは、彼が社会全体に自分が特別な存在であることを認めさせたいからだ。
主人公はタイラーの暴走を食い止めようとする。
が、彼は想像も出来ない驚愕な事実を知ることになる。

もう一度冒頭から観直せばガラリと印象の変わる作品になりそうだ。
本来ならば主人公とタイラー両方に関わりのあるマーラが鍵となるはずなのだが、彼女も薬により不安定な状態になっているので当てにならない。
映写技師のバイトをするタイラーが、アニメーション映画に一コマだけ男性器の映像を潜り込ませるエピソードが印象的だ。
実は序盤からこの映画も一瞬だけ別の映像が差し込まれている。
観ているこちら側は違和感を抱くものの、何が映されているかまでは理解出来ない。
もし映ったものに気づいたなら、まったく違う楽しみ方が出来ただろう。

2025/07/22

78点

選択しない 


とあるオープンチャットに入って、自分を安心させていたことがある私。同類である。

2025/03/15

82点

選択しない 


デヴィッド・フィンチャーならでは

途中でなんとなく二重人格の話だと読めてしまったのは監督がデヴィッド・フィンチャーだから。単なる格闘クラブの話で満足する人ではないだろう。もっと歪んだ性格してると勝手に思っている。(笑)そして自分も。だから面白かった。やや強引な感じが気になるが、それでもビル爆破のクライマックスなども圧巻で満足できる。

2014/01/23

2025/01/20

85点

レンタル 
字幕


血と暴力で、現代の暗黒の扉を開ける作品。

ネタバレ

20世紀末の作品だが、内包するテーマは鋭く現代文明への批判になっている。原作小説があって、一人称
で書かれているとのこと(Wiki)。映画では主人公のエドワード・ノートン視点で描かれる。名前は紹介されず、
現代グローバル資本主義の暗喩として、優れた社員として登場する。つまり大手自動車会社のリコールを
担当し、全米を飛び回っている。自宅はブランド物の家具やファッションで満たされ、極みの人生そのもの。
しかし重度の不眠症に悩まされていて、廃人に陥る危機さえある。

彼の対処方法は、睾丸ガンのグループセラピーに出て、出席者の悩みに共感すること。しかしそこに健康
な女性が紛れ込んでいることに気がついた。マーラ・シンガー(ヘレナ・ボナム=カーター)といって、他の
難病のグループセラピーにも通っていて、他人の不幸を滋養にしている。
彼は出張中の飛行機の中で、自称セールスマンのタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と知り合う。自宅に
戻ると火災で全焼の有様だった。彼はタイラーに電話して、一夜の宿を求める。バーで酒を飲みながら親交
を深める。タイラーは反モラルの行動で律しられている。
タイラーは地下の駐車場で、戯れに顔を殴ってくれ、と彼に頼む。二人は廃墟となっていた邸宅に住み、
戯れに殴り合いをする日々となった。それが人を集め、1対1の喧嘩ファイトのルールが出来上がった。
そしてタイラーが地下のファイトクラブの主宰者となったのだ。マーラを呼び出し、セックス三昧にひたる。
タイラーのアナーキーな思想は血と暴力に彩られる。タイラーに心酔する者も増える。それが軍事組織に
なるのは自然な成長だった。

タイラーはメイヘムというテロリズム攻撃を企画した。革命思想はなく、破壊によるカオス到来が目的だった。
石鹸のセールスマンから危険思想の軍事組織のトップになった。怪物の出現だ。
映画は恐怖のネタばらしに至る。語り部自身の妄想がタイラーを生んだのだ。現代資本主義の象徴とも
言える高層ビルが次々に爆破される。血と暴力の非文明的な暗黒祭から、エンディングはジ・エンド・オフ・
ザ・ワールドの暗喩となる。

2025/01/11

2025/01/11

65点

テレビ/無料放送/J:COM BS 
字幕


痛覚と共同体

喋り続けている男(エドワード・ノートン)の声が聞こえてくる.声に合わせて動いている男は,月給取りで生計を立てているらしく,車のリコールの査定などで国内の出張に飛び回っており,北欧家具などを取り揃えて悦に入っている.睾丸がんを患っているというわけでもないのに,癌患者のサークりに出入りし不幸を分かち合った気でいる.こうした日常はテンポよく紹介され,リズミカルに壊されていく.
ボディービルダーであったボブ(ミート・ローフ)の乳房に顔を埋め泣いているところに肉欲とその破壊への前兆がないではない.不眠症が彼の日常感覚を悪夢感覚へと連れ出しているようで,「コピーのコピーのコピー」など複製が行き渡り,消費者社会で希薄なリアリティの所在が破壊と暴力に求められている.
男は,自分の洞窟に入っていくとペンギンがいる.その姿は自らのシャツとネクタイ姿に色合いが似ている.イカサマ女のマーラ(ヘレナ・ボナム=カーター)と出会い,サークルの曜日や時間を分け合って,そこにある癒しや瞑想タイムを棲み分けしていく.しかし,マーラは奇跡を見せるかのように,交通量の多い車道をわけもなく横断していく.のちにタイラー(ブラッド・ピット)が猛スピードで逆走するシーンにマーラの奇跡は接続しているように感じる.
派手なタイラーであるが石鹸の製造と販売をしているらしい.なぜ彼と飛行機の座席に隣同士になってしまったのだろうか.彼は爆弾でもあり,爆弾によって喋っている男と接近していく.爆弾にも様々がある.振動を感知して作動するもの,石鹸などの日用品からも爆弾の製作は可能でもある.男の部屋がガス爆発し,モダンリビングがパーになり,二人の間にあった障壁をも破壊したのか,二人は友のように殴り合う.そこには原始的で動物的な友愛が感じられる.タイラーは映写技師でもあり,フィルムにいかがわしいコマを割り込ませる.ウェイターもして,異物を気づかない程度に混入させ客に振る舞う.殴られたいし,殴れば殴り返される.こうした関係は彼らの同棲や「クラブ」の共同運営にまで至る.そこは廃墟でもあるような建物に住み,見捨てられた街のペーパー通りの路上でゴルフの打ちっぱなしまでする.殴らることのリアルは,男から音を遠のかせており,母子家庭世代としての共通項が母性をどこかに求めている.
毎週ルールを作っていく.ファイターかどうかが問われる.説明は不要であり,禁じられただ動き,殴り,殴られ,血を流すことのみが絶対でもある.有名人や歴史上の人物と戦いたい欲望もそこにある.ファイターたちは社会へと都市へと繰り出し,喧嘩を売り歩いていく.底まで落ちるには強い痛みの経験を必要としている.「スペースモンキー」とも呼ばれるタイラーの軍団が形成され,質問は禁じられ,メイヘム計画が謎のまま拡大しているらしい.地下から地上へとテロリズムは拡散しようとしているが,男はパンツ姿で走り出してもいる.言葉の過剰が身体性と共同体の原理と奇妙に混じりあう.

2024/12/18

2024/12/18

66点

テレビ/無料放送/J:COM BS 
字幕


う~ん・・・

ありゃあー、二重人格だったのね。まんまと騙されたが、ちょっと無理なもっていきかたのような気もするけどなぁ・・・。何か納得できない感じ。