ギャンブルをテーマにした映画は沢山あるが、これはその中でもカードゲームを主に扱った作品。
ニューヨークの地下カジノで、天才的な才能のある主人公(マット・デイモン)とイカサマとズルい事しかしない親友が色々とやらかす。この親友が本当にどうしようもないクズっぷりで、本当に見ていてうっとおしくなる疫病神である。
マット・デイモンが演じているのはロースクールで法律を学ぶ苦学生なのだが、いわゆるいいとこの出ではなく、努力して這い上がってきたタイプだけに、彼を巻き込んで自爆を繰り返す様はなかなかにひどい。主人公はそれでも親友を見捨てないのだが、なんとこのクズ、結局主人公をあっさりと裏切り、一人でどっかへ逃げてしまう。
すごい。
決して悪役ではない(悪いことは沢山するが)し、主人公は彼のことを唯一無二の親友だと何度も言っている。若干の愛嬌もあると思うが、徹底的に駄目である。自分と金と、金ヅル以外には何も判別出来ていないという疑いがある。主人公のこともせいぜい飯のタネくらいにしか見えていないだろう。
一見の価値アリです。
補足的な話だが、この作品で主に扱っているのはテキサス・ホールデムというルールのポーカーで、いまいち日本では馴染みがないかもしれない。007のカジノ・ロワイヤルでダニエル・グレッグがやってたものと同じなのだが、少なくとも僕はカジノ・ロワイヤルを見るまでよく知らなかった。
このテキサス・ホールデムというルールを知っているか知らないか、カードを使わなくてもアプリや何かで少しでも自分でやったことがあるかどうかで、この映画の評価はおそらくものすごく変わると思う。もちろん知っていた方が断然理解が深まるし、面白く見られます。
簡単なルールだし、何よりテキサス・ホールデムというもの自体がとても面白いので、気になる方は是非一度何かでやってみてください。
クズが行方不明になる直前に、
「俺にとって実力ってのはイカサマまで含めた分の強さなんだよ」
って言ってたのが、結構胸に来ました。気持ちはすごくわかる。でもなあー。