永遠と一日

えいえんといちにち|Μιά αιωνιότητα και μιά μέρα|Eternity and a Day

永遠と一日

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レビューの数

26

平均評点

79.0(123人)

観たひと

209

観たいひと

42

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 ギリシャ フランス イタリア
製作年 1998
公開年月日 1999/4/17
上映時間 124分
製作会社 テオ・アンゲロプロス=ギリシャ中央映画局=ギリシャ・テレビ=パラディス・フィルム=インテルメディア=ラ・セット・シネマ作品(製作協力*カナル・プリュス=クラシックSRL=イスティテュート・ルーチェ=WDR\アルテ=ユーリメージズ=カウンシル・オブ・ヨーロッパ)
配給 フランス映画社配給(フランス映画社=日本ビクター提供)
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演ブルーノ・ガンツ Alexandere
イザベル・ルノー Anna Alexandere's wife
アキレアス・スケヴィス TheChild
デスピナ・ベベデリ Alexandere's Mother
イリス・ハジアントニウ Katerina Alexandere'sdaughter
エレニ・ゲラシミドゥ Ourania
ヴァシリス・シメニス Nikos Alexandere's Son in law
ファブリツィオ・ベンティヴォリオ Solomos The Poet

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

詩人の人生最後の一日の心の旅を重厚なタッチで描きだした映像叙情詩。監督・脚本は「ユリシーズの瞳」のギリシャの巨匠テオ・アンゲロプロス。脚本協力は「シテール島の船出」以来アンゲロプロスと組むイタリアの名脚本家トニーノ・グエッラ(「ノスタルジア」)と、ペトロス・マルカリス、ジョルジオ・シルヴァーニ。製作はアンゲロプロス、シルヴァーニ、エリック・ユーマン(「ユリシーズの瞳」、監督作『ジェマ港』)、アメデオ・パガーニ。撮影のヨルゴス・アルバニティス(冬のシーン撮影)とアンドレアス・シナノス(夏のシーン撮影)、音楽のエレニ・カラインドルーはアンゲロプロス作品の常連。美術はヨルゴス・パッツァス。編集はヤニス・ツィツォプロス。録音はニコス・パパディミトリウ。衣裳はヨルゴス・ジアカス、コスタス・ディミトリアディス。出演は「ベルリン 天使の詩」「星の王子さまを探して」のブルーノ・ガンツ、「恋する女」のイザベル・ルノー、実際にアルバニア難民の少年アキレアス・スケヴィス、『親和力』のファビリチィオ・ベンティヴォリオ、「狩人」のニコス・クロウスほか。98年カンヌ映画祭パルム・ドール(大賞)受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

現代。北ギリシャの港町、テサロニキ。作家で詩人のアレクサンドレ・アレクサンドロス(ブルーノ・ガンツ)は不治の病を得て、入院を明日に控え、人生最後の一日を迎える。母の呼ぶ声を耳に3人の親友と島へと泳いだ少年の日の思い出の夢から覚めた彼は、3年前に先立たれた妻アンナ(イザベル・ルノー)が遺した手紙を託すため、娘カテリナ(イリス・ハジアントニウ)の元を訪ねる。手紙の1通は30年前の夏の一日、生まれたばかりの娘を囲んでの海辺の家での思い出をよみがえらせ、妻の深い愛情を改めて知らしめた。町に出た彼はアルバニア難民の少年(アキレアス・スケヴィス)と出会う。アレクサンドレは国境まで少年を送り帰そうとするが、彼は離れようとしない。河辺で少年に前世紀の詩人ソロモスの話をするアレクサンドレ。幻想のなかでかの人ソロモス(ファビリチィオ・ベンティヴォリオ)に出会うふたり。痛みをこらえながらアレクサンドレは少年と旅を続けるうち、さらに過去の記憶が甦る。夏、アンナをともない親戚らと島へ向かったこと、島に残る少年の日の思い出の崖。少年の仲間の死は病院で別れを告げた母(デスピナ・ベベデリ)を思い起こさせる。仲間と旅立つという少年とバスに揺られれば、さまざまな年代の人々が夢かうつつか乗り込んでくる。結局、少年は深夜、大きな船で去った。思い出のこもった海辺の家は解体される。病院行きをやめたアレクサンドレの耳に、亡き妻の声が響く……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1999年5月下旬号

劇場公開映画批評:永遠と一日

外国映画紹介:永遠と一日

1999年4月上旬春の特別号

特集 永遠と一日:作品評

特集 永遠と一日:テオ・アンゲロプロス監督 インタビュー

1999年3月下旬号

COMING SOON【新作紹介】:永遠と一日

1958年10月上旬40年記念号

日本映画紹介:絶唱

2023/01/24

2023/01/25

100点

選択しない 


老詩人の人生最後の一日に起こる出会いや別れを綴った感動的な作品でした。テオ・アンゲロプロス監督の映画は一度観ただけでは見えないものが多く(あらすじを確認してやっとわかるものもあり)今回も詩人としての生き方と妻との関係、アルバニア難民の少年との出会いと別れそして難民問題、思い出の家への郷愁など見所がとても多くありました。しかも死に直面した詩人の物語でありながら悲劇的な物語になっていないことがとてもよかった。特典映像での監督の言葉が印象的です。「詩人として言葉を投げ、(監督として)映像を投げ、それで道を探し出す」

2022/01/08

2022/01/08

90点

レンタル/東京都/TSUTAYA/TSUTAYA 高田馬場店/DVD 
字幕


心象風景

 なかなか素晴らしい映像だった。そして、主人公アレクサンドロス(ブルーノ・ガンツ)の心象風景がやりきれない現実を潤していくように思った。

 亡くなった妻アンナ(イザベル・ルノー)と母への思慕と、アルバニア難民の少年(アキレアス・スケヴィス)との出会いと別れを描いて行く。

 解説を読まないと分からない所もあるが、何とも言えぬ、映像の力に惹きつけられた。

 テオ・アンゲロプロスは、詩人は言葉によって過去を呼び起こすことが出来る、映画監督は映像によって、それが成し遂げられる、そして希望を持つことが出来る、と語っていたが、本当にそう思った。

2021/12/23

2021/12/23

80点

購入/DVD 
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映像美しい カメラ広角映像が綺麗 ガラス窓がぼけてる
テオアンプロスは 詩人のように描くが上手につくられている
一日であった。

2021/10/26

2021/10/26

56点

レンタル/兵庫県/TSUTAYA/TSUTAYA 三木店/DVD 
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共通言語

他所者にしている自分の心。

2012/07/01

2019/04/05

90点

映画館 
字幕


珠玉の人間ドラマ

ネタバレ

鈍色の閉塞がほんの束の間解けたことを隠すべくもない夢幻のようなエンディングが素晴らしく、ひとりの詩人の来たるべき人生の終焉に僅かばかりの安らぎを与え、辿ってきた記憶の残滓に得も言われぬ華やぎを添えている。

ギリシャ神話をベースにイデオロギーや国境というテーマを掲げた「大きな物語」と、20世紀三部作というより「大きな物語」の狭間に生み落とされた「小さな物語」。それは、登場人物をいつになくセンシティブな眼差しで見詰め、その陰影深い人生譚をシュールで体感的な映像世界を通して紡ぎ出したT・アンゲロプロスの原点回帰ともいえる珠玉の人間ドラマ。それはまた、映画監督としての新たなる飛翔に向けての集大成ともいえる洗練された映像抒情詩でもある。

主人公の内面に巣食う諦念と詠嘆と悔恨を見事に体現した名優B・ガンツの巧まざる演技が秀逸で、荘重なオペラの響きを背景にした滋味深い佇まいが忘れられない。

2019/02/01

2019/02/02

60点

レンタル/東京都/TSUTAYA/代官山 蔦屋書店/DVD 


自分には難解過ぎました。
精神世界を映像化したような、詩的な世界を映像化したような内容だということはわかったが、どう面白いか全然ピンと来ず。
芸術性が極めて高い作品だということぐらいは理解したつもりだけど。。

ただ映像表現は圧巻。
長回しでじとーっと被写体に迫っていくかと思ったら、そのまま別の被写体が写り込んできては完璧な構図で止まりを繰り返す。
息を呑むような美しい映像が連続するのは圧巻。
すげえわ、このカメラワークは。

映画人が見なければいけないと言われる所以の一端ぐらいは掴んだ気分。