主人公が途中で降りることの出来ない危険なゲームを無理矢理にやらされてしまうといえば、すぐに「ジュマンジ」を思い出しますが、この「ゲーム」は、そのスリラー版と言ったところでしょうか(と言っても超自然ものではありません)。
監督は「セブン」のデーヴィッド・フィンチャーで、前回同様、今回のオープニングも大変魅力的です。まず、ジグソーパズルが画面一杯に広がり、それがパラパラと落ちていくところがミステリアスな雰囲気たっぷりで、思わず見入ってしまいました。そのあとセピア色に染まった主人公の幼年時代の映像が映し出されるのですが、わずか2、3分の短い時間に主人公と父親、そして弟の関係を浮かび上がらせ、漠然とはしているけれど一つの確固としたイメージを観客の心の中に植え付けてしまう手腕は見事です。つまり、このオープニング、トランプで言えば配られた手持ちのカードと場を確認し、「さぁて、これからプレイがはじまりますよ」という、申し合わせの時間のようなものなのです。
この種の映画は詳しいことを知らないほうが楽しめると思いますので、内容についてはあまり触れないことしますが、物語は意表をついた展開を見せ、思いもよらない結末を用意しています。配役については一癖ありそうな弟を、これまた一癖ありそうな俳優、ショーン・ペンが演じている点にご注目。あと、映画の様々な場面で拳銃が登場しますのでチェックしながら見てみてください。全体としてあまり難しいことを考えず、マイケル・ダグラス演じる主人公になったつもりで大いに楽しんで(恐がって)頂きたいと思います。
(1998/2/19 記)