ガタカ

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ガタカ

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レビューの数

139

平均評点

78.8(1158人)

観たひと

1847

観たいひと

153

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル SF / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1997
公開年月日 1998/5/2
上映時間 106分
製作会社 ジャージー・フィルムズ作品
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

遺伝子が全てを決定する未来社会を舞台に人間の尊厳を問うサスペンスタッチのSFドラマ。監督・脚本は本作がデビューとなるアンドリュー・ニコル。製作は「マチルダ」など俳優・監督として知られ、自身の製作会社ジャージー・フィルムズで「危険な動物たち」などを手掛けるダニー・デヴィート、同社の共同設立者であるマイケル・シャンバーグとステイシー・シェール。撮影は「トリコロール 青の愛」(共同脚本も)などクシシュトフ・キェシロフスキ監督とのコンビが有名で近年アメリカに進出したスワヴォミル・イジャック。音楽は「キャリントン」のマイケル・ナイマン。監督のレトロ・フューチャー的コンセプトを徹底的に視覚化した美術はピーター・グリーナウェイ監督の諸作で注目された「陪審員」のヤン・ロルフス。衣裳は「マーズ・アタック!」のコリーン・アトウッド。編集はリサ・ゼノ・チャーギンがそれぞれ担当。主演は「恋人までの距離」のイーサン・ホーク。共演は「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」のユマ・サーマン、「オスカー・ワイルド」のジュード・ロウ、「エンド・オブ・バイオレンス」のローレン・ディーン、ベストセラー作家で脚本家・映画出演も多数のゴア・ヴィダルほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

近未来。遺伝子工学の進歩で胎児の間に劣性遺伝子を排除することが出来るようになった。自然の形で生まれたヴィンセント・フリーマン(イーサン・ホーク)は、心臓が弱く30歳までしか生きられないと宣告されていた。遺伝子操作されて生まれた弟アントン(ローレン・ディーン)と比べ、自分を遺伝子的に劣った「不適正者」であると思っていたヴィンセントだが、遠泳でアントンに勝った彼は家を出る決心をする。宇宙飛行士になるため、宇宙開発を手掛ける企業・ガタカ社の就職試験を受けたヴィンセントは、「不適正者」のため、DNAブローカーにジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ)を紹介してもらう。最高級の遺伝子を持つ超エリートの水泳選手だったユージーンは、自分の優秀さゆえに悩み、自殺未遂を図り、下半身不随になっていた。ユージーンの生活を保証することを見返りに、彼と契約したヴィンセントは、血液などのサンプルを提供してもらいジェロームに成り済ます。数年後、ヴィンセントは金星の衛星タイタン行きの宇宙飛行士に選ばれるが、ロケット打ち上げに反対していたヴィンセントの上司が殺される。捜査に協力した女性局員アイリーン(ユマ・サーマン)はヴィンセントを疑いながらも、彼に魅かれていくことになった。捜査官になったアントンは現場から検出された睫毛がヴィンセントのものだったことに驚く。結局、犯人は別にいたが、真実を知ったアイリーンは悲しみつつも彼を見逃してやる。打ち上げ決行の前日、ヴィンセントはアントンと再び遠泳で対決した。その闘いに勝ったヴィンセントはユージーンに別れを告げて探査船に乗り込んだ。残されたユージーンは、一生分のサンプルをヴィンセントに残して自ら命を絶った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1998年6月下旬号

劇場公開映画批評:ガタカ

外国映画紹介:ガタカ

1998年5月上旬号

CRITIQUES:ガタカ

1998年4月下旬号

COMING SOON【新作紹介】:ガタカ

2025/03/21

2025/03/21

84点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕

備忘メモ:
一貫した世界観。
登場人物一人一人の視点からレビュー書く。
生物/医療科学技術が進み過ぎて、生まれた段階で寿命が分かってしまうし、成人病や癌などのリスクも分かってしまう。そうなると、資本主義経済に有用な人とそうでない人がDNAや血液等で分かってしまうので、生体情報による差別が生じる、という話。そんな差別を法律では禁じているが、現実社会では、そんなの意味が無い、というコメントが強烈に私の頭の中で響いた。医学は人間の幸福の為なのに、資本主義はそれさえ資本主義都合のデータに替えてしまう。ほんと、有りうる仮説だ。だからだろう、当作品に出てくる人間描写は、妙に空虚だ。精気が感じられない。この独特の世界観雰囲気を上手く全編を通じて醸し出しているのが凄い。でも、表面的には従っていても、心の中で少し反発している人達が当作の登場人物達だ。

ガタカ社の検査官が良かったなぁ、最後、頑張ってこいよ~、と言わんばかりに土星宇宙船をヴィンセントを送りだす。知ってたのかも、ずっと前から。

ヴィンセント(イーサン・ホーク)は、頑張ってたよね、体力以上のトレーニングを日々積み重ねているんだから。吐きながら。何時しか、宣告された寿命より生きていた。むしろ、生まれつき優秀は生体を持っていた人間の方が、いざとなると空しいかも、ジェローム(ジュード・ロウ)の様に。

弟は知っていた

事実を知ったアイリーン(ユマ・サーマン)

2024/11/23

2024/12/14

60点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


非科学的だと素直に観られないのよね、結局

このストーリーをどうしても拒否してしまう理由は、
「遺伝によって人の能力や健康状態が決まる」という発想があまりにも非科学的で、
むしろ、後天的な要因の方が大きいと思うから。

「遺伝で決まる」が間違いだという最も解りやすい例は、
遺伝に問題がなくても、ケガや病気で後遺症が残るし、
不勉強や不摂生などで、知力や筋力や運動能力が落ちる事。

あと、製作された1997年当時に比べて技術が発達した今となっては、
生体認証で済む個人認証を、代わりに毎日採血や採尿で遺伝子検査をするのがバカげて見えてしまう。

以上の科学的な考証のズレ具合を見ると、
上層の人間たちが常にスーツ姿なのも、
不自然で非現実的で安直な設定だと感じる。

--

でも、発想を変えて、
遺伝子検査によって、
「優秀な人間であることを約束されている」
「どう頑張っても能力を発揮できる人になれない」
の2種類に分けられるという考えに基づいた社会の設定は、、、
根拠のない「差別」が蔓延している状況を象徴していると考えることもできる。

ただ、仮にそうだとしても、
この作品は登場人物が
「差別が間違いだと気付く」
「差別主義を解消しようとする」
のではなく、
「差別社会の中で上手く振舞う」
というストーリーなので、
反差別的な要素は弱い。

改めて、発想を変えて、
「不幸な状況にある主人公が、悩んだり頑張ったりしながら自分の人生を拓いていく」
という話だとは言えるが、
SFという構えの大きさに比べたら、不釣り合いになってしまうかな?

2024/10/19

2024/10/19

87点

テレビ/有料放送/WOWOW 


トップ3

初公開以来、何回観たであろうか。自分の中でトップ3に入るくらい好きな作品。まずアイデア、ストーリー及びキャラクターが素晴らしいのに加えて、静かで暗めの映像も、心を揺さぶる音楽も実に好み。SFでありながら、人間味にあふれた、はかなくも美しい物語。WOWOWでやっていて、つい観てしまったのだが、ここでの鑑賞記録をつけていなかったので、ここに、改めて自分がいかにこの作品が好きなのかを高らかに宣言する。

2024/09/16

2024/09/28

79点

購入/DVD 
字幕


おもしろい

面白い

2023/12/21

2023/12/22

75点

テレビ/無料放送/BS松竹東急 
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特撮、CGの発達で派手でスケールの大きな作品が全盛となっていた時に敢えて、(昔風な?)アイデアとドラマ性で見せるSF作品というところが、まず貴重と言える一作。
遺伝子によりすべてが判定され、生まれる前から遺伝子操作で人を創る時代に自然体で生まれたがゆえに遺伝子的ハンディを背負った主人公が夢を果たす為に取る手段は・・・。
イーサン・ホークとジュード・ロウがそれほど似ているかは疑問ではあるが、全て機械で判定される時代には、劇中でジュード・ロウが言うように、人の顔など誰も気にしていないということなのだろう。
ユマ・サーマンの美貌は本当にため息が出るぐらいですね。

2023/12/05

2023/12/05

60点

テレビ/無料放送/BS松竹東急 
字幕


眼鏡を通して

未来のことであるらしい.いろんな意味でジェロームになりきったビンセント(イーサン・ホーク)は清潔は信仰であるとも告白している.キーボードには文字が並び,「ガタカ」と呼ばれるエリート企業のオフィスでは従業員たちが同じ方向に向かって机を並べており,出社する労働者は,指紋認証でエントリーするらしく,認証機械に並びながら前へ前へと進んでいく.
ビンセントは,出生児の検査によって30年の寿命がほぼ定まっている.弟のアントンは優性な遺伝子によって出生する.兄弟は海で度胸比べと言って泳いでいる.その泳ぎは,精子の遊泳を象徴しているのだろうか,終盤に成人となった兄弟は,再び泳ぎ始める.
ビンセントの社会生活はトイレ清掃から開始し,ガタカの清掃員までたどり着いている.毛髪,唾液,尿,血液など人間のカケラは遺伝子情報を有しており,虹彩や指紋などは人間の個を特定する紋章にもなっている.それらを偽り,差し替え,改竄し,人間と個人を誤魔化すことに,寿命を超えたビンセントは賭けている.その賭けのために契約し,遺伝子や認証情報を提供するジェローム(ジュード・ロウ)がいる.彼は事故で下半身を動かすことができなくなったエリートでもある.彼がビンセントにまさしく献身的に奉仕する動機は複雑でもある.彼は残りの半生をビンセントに同化し,宇宙へ飛んでいくことで昇華し,ジェロームになったビンセントを生きようとしているのだろうか,彼は彼なりに必死でもある.そして証拠隠滅用の焼却炉に自らを投入して焼かれていく.ガタカの従業員でもあるアイリーン(ユマ・サーマン)も複雑である.中途半端なエリートである彼女は,半端な自分に負い目を感じながらも,優性な遺伝子を崇拝する社会に適合している.彼女の前にビンセントやジェロームが現れることで,彼女も揺れ始めており,ガタカを体現したような上司(ゴア・ヴィダル)でさえ,不適正を示し始めてもいる.
近視は不適正の最たる指標でもある.ビンセントの近視は,眼鏡として彼の目の前に見えており,それは清掃員であった彼がガラス越しにガタカを見る視線と重ねられる.星が塵のように,いわばゴミのように散りばめられた宇宙を見つめる視線は,やがてそのガラスを越えて宇宙へと同化していくようにも感じられる.