緋牡丹博徒 お竜参上

ひぼたんばくとおりゅうさんじょう|----|----

緋牡丹博徒 お竜参上

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レビューの数

39

平均評点

75.7(151人)

観たひと

209

観たいひと

12

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1970
公開年月日 1970/3/5
上映時間 99分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督加藤泰 
脚本加藤泰 
鈴木則文 
企画俊藤浩滋 
日下部五朗 
撮影赤塚滋 
美術井川徳道 
音楽斎藤一郎 
録音渡部芳丈 
照明和多田弘 
編集宮本信太郎 
スチール木村武司 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演藤純子 矢野竜子
若山富三郎 熊坂虎吉
嵐寛寿郎 鉄砲久
汐路章 肘の喜三郎
平沢彰 豆徳
川並功 沢田
八尋洋 山本
高野真二 鈴村
井関悦栄 兼子
近藤洋介 佐藤好美
沢淑子 小川双葉
安部徹 鮫州の政五郎
名和宏 鯖江
林彰太郎 勘八
木谷邦臣 木和田
江上正伍 佐原
長谷川明男 島の銀次郎
沼田曜一 二保の順吉
天津敏 金井金五郎
村居京之輔 水源
京唄子 お梅
鳳啓助 大鳥
山城新伍 ニッケル
波多野博 舞台係
岡島艶子 おまつ
浅松美紀子 お留
丸平峰子 熊坂清子
疋田泰盛 小ヒゲ
夏珠美 碇石キミ
山岸映子 五十嵐君子
菅原文太 青山常次郎

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「緋牡丹博徒 花札勝負」でコンビを組んだ鈴木則文と加藤泰が脚本を共同執筆し、加藤がメガホンをとった“緋牡丹博徒”シリーズ第六作。撮影は「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の赤塚滋が担当した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

お竜は数年前、死に追いやったニセお竜の娘お君を探しながら渡世の旅を続けていたが、長野の温泉町で知り合った渡世人青山常次郎から浅草にいると聞き、東京へ向った。浅草にやってきたお竜は鉄砲久一家に草鞋をぬいだ。鉄砲久は娘婿の鈴村が、六区に小屋をもっている関係で、一座の利権をにぎっていた。だが、同じ浅草界わいを縄張りとする鮫洲政一家は一座の興行権を奪おうと企んでいた。鮫州政一家の勘八のふところをねらったスリのおキイだが、しくじり危ういところを彼女に思いをよせる銀次郎に救われた。お竜は鉄砲久に彼女の詫びを入れる銀次郎からおキイがお君であることを知った。そしておキイは鉄砲久に養女として預けられた。ところで、鈴村は鮫洲政一家の博奕に手を出し、多大な借金を背負い、小屋の利権を渡すよう迫られていた。鉄砲久にこの片をつけるよう頼まれたお竜は、筋の通らない金は受け取れないと拒絶した鮫州政に差しの勝負を挑み、いかさまを見破り、証文を取り戻した。この夜、常次郎が浅草にやってきた。彼を追う二保は鮫州政一家に草鞋をぬいだ。ある夜、鉄砲久は鮫州政の謀略にかかり、殺された。翌日、下谷一帯の権力者金井が仲裁人となった和解の席上鮫洲政一家はお竜と代貸喜三郎に匕首を向けたが、お竜を尋ねきた義兄弟熊虎に救われた。一方、銀次郎は鮫州に人質にされていたおキイと鈴村を助けたことから、殺された。そしてその夜、常次郎を立会人に鮫州政と差しでケリを付けようとしたお竜だったが、約束に反し鮫州政は手下を引き連れてやってくる。常次郎の加勢で手下たちを斬って捨てるお竜。残された鮫州政は塔から落ちて死んだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1971年8月10日号増刊 任侠藤純子おんなの詩

緋牡丹博徒シリーズ全7作:緋牡丹博徒・お竜参上

1970年4月下旬号

日本映画批評:緋牡丹博徒・お竜参上

1970年3月上旬号

日本映画紹介:緋牡丹博徒 お竜参上

2025/07/16

2025/08/02

80点

選択しない 


渾身の一作

ネタバレ

 シリーズ最高傑作との呼び声が高いだけあるスキのない仕上がりだ。一頭地を抜いていると言ったら言い過ぎか。監督の加藤泰はシリーズ全8作中3作の監督を務めているのだけど中でも本作は特に力が入っているように思えた。
 まぎれもない任侠映画なのだけどそこに詩情すら感じさせる演出(雪の橋上での藤と文太のやり取りなど)やほとばしる激情(鉄砲久闇討ちシーンなど)、哀切極まりないシーン(キイとお竜の再会シーンなど)と随所に見どころが用意されている。
 低位置に据えられたカメラによる長回しの効果とそれと伍すかのように熱の入った役者の演技がヒリヒリとした緊張感をもたらす。特に床に伏した瀕死の鉄砲久(嵐寛寿郎)を一堂が取り囲むシーンの情の高まりが素晴らしい。
 浅草六区の縄張り争いという筋書きは通り一遍のものなれど、それを演出する渾身の力によりいくらでも作品の格を上げることができる。その見本のような映画。

2025/07/02

2025/07/02

75点

テレビ/無料放送/BS12 トゥエルビ 
字幕


乱入する熊虎が破壊するもの

まず笑える場面がある.熊虎(若山富三郎)はお竜(藤純子)の大事な場面で乱入してくる.そして滅法強いので膠着した事態は好転するのであるが,何やら熊虎がぶち壊した席が真面目すぎたのか,滑稽で可笑しいのである.鮫州の政五郎(安部徹)とお竜が支援する一家との抗争は,大日本神明会の金井先生(天津敏)の仲介によって手打ちになろうとしており,その調停のかしこまった場に,予兆もなく熊虎が現れてしまう.この物語の破壊が楽しい.
浅草六区が舞台になってくる.凌雲閣の十二階も見えている時代設定である.人気の劇場「東京座」の興行を仕切っているのは鉄砲久(嵐寛寿郎)である. ここにおめおめと登場しているくるお竜がいる.青山常次郎(菅原文太)もお竜と怪しげな関係を結んでいる.この世界の女と男たちは「盆の上の勝負」に命を賭けている.
街路には風がやたらと吹いている.「いやなものが降ってきた」と見ると雪が降り始めている.大日本神明会の金井先生は人力車から降り立って,鉄砲久を訪問している.この死神のような男は不吉でもある.橋の親柱や張り紙,水門のハンドルなどが人物などそっちのけで存在感を放っている.鉄砲久の養女にもなった五十嵐君子(山岸映子)やニッケル(山城新伍)といった人物も濃く,印象的に現れ,あるいは去っていく.また,東京座で目下公演中でもある劇団関係者も変ではある.一座を率いる佐藤(近藤洋介)はなんだか演技に厳しく,看板女優の小川双葉(沢淑子)の演技が気に入らないらしい.佐藤は演劇人ではなく「芸人」の根性を見せるつもりでいる.
「喧嘩はならねえぞ」という親分お言葉が響いてくる.彼はシリーズの定石通りに床について死んでいこうとしている.「銀次」と呼ばれている銀次郎(長谷川明男)も刺されて階段から落ち,上りかけて,やはり絶命して落ちていく.お竜の乗る馬車は走るだけなく,急停車するのも異様である.お竜と彼女の天敵となってしまった政五郎の決着の場も一風変わっている.

2025/06/03

2025/06/04

65点

テレビ/無料放送/J:COM BS 


シリーズ最初の頃は悪ボスの右腕だった菅原文太が善い役の助太刀に昇格(笑)。
悪ボスの定番だった天津敏から安部徹に変更。シリーズの顔ぶれも新旧世代交代というところか。
藤純子の凛々しさと美しさだけは変わらず、それを引き立たせるような映像もよく計算されている見事さ。

2025/05/28

2025/05/28

79点

選択しない 


慣れ

緋牡丹博徒シリーズも6作目になってちょっと雑になってきた感じがします。熊虎の親分の出演シーンしかりラストシーンの菅原文太との別れのシーンも然り観る方が慣れてしまっただけなのかもわからないですが今回の終わり方はもう少し何か物足りない気がしました。

2025/05/27

2025/05/28

83点

テレビ/無料放送/J:COM BS 


美しい

このシリーズでベストだと思う。特に静かなシーンが美しい。雪の今戸橋の二人のシーン、みかんが転がる、菅原文太が静かに故郷を語る。名シーンだと思う。

2023/06/16

2023/06/17

89点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 


「花札勝負」の続篇と思しいが

こちらの方がずっとよかった。監督の加藤泰は相変わらずの凝ったアングル三昧で功罪相半ばという感じもするが今回は功が勝っていたというべきか。最後は相変わらずの主題歌にのせた殴り込みといった趣ではあるがそれなりの工夫はあり殊に殺陣は魅する。だが私としてはやはり前作の殴り込みをしないラストの方を支持するものである。