緋牡丹博徒 お竜参上

ひぼたんばくとおりゅうさんじょう|----|----

緋牡丹博徒 お竜参上

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レビューの数

37

平均評点

76.5(144人)

観たひと

199

観たいひと

13

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1970
公開年月日 1970/3/5
上映時間 99分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督加藤泰 
脚本加藤泰 
鈴木則文 
企画俊藤浩滋 
日下部五朗 
撮影赤塚滋 
美術井川徳道 
音楽斎藤一郎 
録音渡部芳丈 
照明和多田弘 
編集宮本信太郎 
スチール木村武司 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演藤純子 矢野竜子
若山富三郎 熊坂虎吉
嵐寛寿郎 鉄砲久
汐路章 肘の喜三郎
平沢彰 豆徳
川並功 沢田
八尋洋 山本
高野真二 鈴村
井関悦栄 兼子
近藤洋介 佐藤好美
沢淑子 小川双葉
安部徹 鮫州の政五郎
名和宏 鯖江
林彰太郎 勘八
木谷邦臣 木和田
江上正伍 佐原
長谷川明男 島の銀次郎
沼田曜一 二保の順吉
天津敏 金井金五郎
村居京之輔 水源
京唄子 お梅
鳳啓助 大鳥
山城新伍 ニッケル
波多野博 舞台係
岡島艶子 おまつ
浅松美紀子 お留
丸平峰子 熊坂清子
疋田泰盛 小ヒゲ
夏珠美 碇石キミ
山岸映子 五十嵐君子
菅原文太 青山常次郎

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「緋牡丹博徒 花札勝負」でコンビを組んだ鈴木則文と加藤泰が脚本を共同執筆し、加藤がメガホンをとった“緋牡丹博徒”シリーズ第六作。撮影は「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の赤塚滋が担当した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

お竜は数年前、死に追いやったニセお竜の娘お君を探しながら渡世の旅を続けていたが、長野の温泉町で知り合った渡世人青山常次郎から浅草にいると聞き、東京へ向った。浅草にやってきたお竜は鉄砲久一家に草鞋をぬいだ。鉄砲久は娘婿の鈴村が、六区に小屋をもっている関係で、一座の利権をにぎっていた。だが、同じ浅草界わいを縄張りとする鮫洲政一家は一座の興行権を奪おうと企んでいた。鮫州政一家の勘八のふところをねらったスリのおキイだが、しくじり危ういところを彼女に思いをよせる銀次郎に救われた。お竜は鉄砲久に彼女の詫びを入れる銀次郎からおキイがお君であることを知った。そしておキイは鉄砲久に養女として預けられた。ところで、鈴村は鮫洲政一家の博奕に手を出し、多大な借金を背負い、小屋の利権を渡すよう迫られていた。鉄砲久にこの片をつけるよう頼まれたお竜は、筋の通らない金は受け取れないと拒絶した鮫州政に差しの勝負を挑み、いかさまを見破り、証文を取り戻した。この夜、常次郎が浅草にやってきた。彼を追う二保は鮫州政一家に草鞋をぬいだ。ある夜、鉄砲久は鮫州政の謀略にかかり、殺された。翌日、下谷一帯の権力者金井が仲裁人となった和解の席上鮫洲政一家はお竜と代貸喜三郎に匕首を向けたが、お竜を尋ねきた義兄弟熊虎に救われた。一方、銀次郎は鮫州に人質にされていたおキイと鈴村を助けたことから、殺された。そしてその夜、常次郎を立会人に鮫州政と差しでケリを付けようとしたお竜だったが、約束に反し鮫州政は手下を引き連れてやってくる。常次郎の加勢で手下たちを斬って捨てるお竜。残された鮫州政は塔から落ちて死んだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1971年8月10日号増刊 任侠藤純子おんなの詩

緋牡丹博徒シリーズ全7作:緋牡丹博徒・お竜参上

1970年4月下旬号

日本映画批評:緋牡丹博徒・お竜参上

1970年3月上旬号

日本映画紹介:緋牡丹博徒 お竜参上

2025/06/03

2025/06/04

65点

テレビ/無料放送/BS松竹東急 


シリーズ最初の頃は悪ボスの右腕だった菅原文太が善い役の助太刀に昇格(笑)。
悪ボスの定番だった天津敏から安部徹に変更。シリーズの顔ぶれも新旧世代交代というところか。
藤純子の凛々しさと美しさだけは変わらず、それを引き立たせるような映像もよく計算されている見事さ。

2025/05/28

2025/05/28

79点

選択しない 


慣れ

緋牡丹博徒シリーズも6作目になってちょっと雑になってきた感じがします。熊虎の親分の出演シーンしかりラストシーンの菅原文太との別れのシーンも然り観る方が慣れてしまっただけなのかもわからないですが今回の終わり方はもう少し何か物足りない気がしました。

2025/05/27

2025/05/28

83点

テレビ/無料放送/BS松竹東急 


美しい

このシリーズでベストだと思う。特に静かなシーンが美しい。雪の今戸橋の二人のシーン、みかんが転がる、菅原文太が静かに故郷を語る。名シーンだと思う。

2023/06/16

2023/06/17

89点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 


「花札勝負」の続篇と思しいが

こちらの方がずっとよかった。監督の加藤泰は相変わらずの凝ったアングル三昧で功罪相半ばという感じもするが今回は功が勝っていたというべきか。最後は相変わらずの主題歌にのせた殴り込みといった趣ではあるがそれなりの工夫はあり殊に殺陣は魅する。だが私としてはやはり前作の殴り込みをしないラストの方を支持するものである。

2022/08/10

2022/08/10

85点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


加藤泰、再登板の第6作

同時上映「関東テキヤ一家 喧嘩仁義(ごろめんつう)」鈴木則文*菅原文太

第3作「花札勝負」の加藤泰が、いまいち心に響かなかったのだが、この第6作は、人が変わったように気合が入っている。

長廻しのシーンが多く、それも多人数で、という驚きの趣向。
どんなに画面の奥にいようが、台詞がなかろうが、端役だろうが、主役と同じ責任を、すべての役者が背負わされる。
気合を入れてかからないと、自分のせいでNGになってしまう。
藤純子にしても、長いカットの台詞を全部頭に入れ、芝居をこなさなければならない。
ウイキペディアの記述によれば、藤純子と加藤泰には相当な確執があったようだ。
その確執が芝居に反映されたのか、純子さんの芝居に鬼気迫るものが感じられたのは、私のうがち過ぎというものであろうか。
油が乗ったという言葉では説明できない、お竜の成長(生意気で失礼)さえも感じさせたのであった。
第3作の眼を患った女の子が成長したという設定なので、あれから10年ほど経ったということになるのであろうか。

文太さんの芝居も、びっくりするほどよい。
静かに品のある芝居だからこそ、雪降る橋の上のシーンが映える。
もう全然、前5本と雰囲気も、皆の芝居も違う。
   (正直、このシリーズ、健さんと鶴田浩二は食傷気味)

ただ凌雲閣のラストは、まずまずか。
個人的な好みでは、前作「鉄火場列伝」のラストの一対一が好みです。
終わったか?とスッキリしなかった本作の最後の処理は何なのだろう。
てっきり第7作「お命戴きます」と連作かと思ってしまった。

キネマ旬報ベストテン1970年17位

浅野潜 1位!
飯島哲夫 6位
佐藤忠男! 4位
滝沢一 6位
村山祥邦 8位
山田宏一 8位  (各氏敬称略)
男子読者 17位
女子は選外

2021/11/29

2021/11/29

70点

映画館/東京都/丸の内TOEI 


ぞろっぺえな脚本と張り詰めた演出のアクション映画

九州人吉・矢野組二代目のお竜(藤純子)は旧知の娘お君を探しながら渡世の旅を続けていた。
お君は幼い頃に患った眼病のせいで、一間先はほぼ見えない、年のころは十六だと、ある賭場で知り合った渡世人・青山(菅原文太)に告げる。
似た娘の噂を東京・浅草で聞いたと青山の言葉を頼りに、浅草に向かったお竜は、浅草六区を預かる鉄砲久(嵐寛寿郎)のもとに身を寄せることにした・・・

というところからはじまる物語で、その後、六区の興行利権を狙う鮫洲政(安部徹)一家との攻防に巻き込まれていく・・・と展開する。

義理と人情の任侠映画・・・というよりも、基本的にはアクション映画だろう。

アクションシーンを撮るために、静かなシーンに力を入れて、驚くような構図で撮っている。
雪降る橋上のシーンなど、奥行きを出すために、橋の欄干を画面の半分が占めるというような凝った構図である。
(穿った見方をすると、セットが狭く、奥行きがないのを、このような大胆なアングルで奥行きを出していると思われる)

また、番傘をさしたお竜・青山のショットも、画面右にふたりを置き、肩から上だけを撮り、空間を残す演出をしているが、これとても、セットを写さないことで、背景を際立たせているのだろう。

このように静的シーンに見どころが多いのだけれど、大人数のシーンでも、びっくりするような演出をとっている。

女スリだった娘(山岸映子)が実はお君だったことがわかるシーンは、鉄砲久の和室に十人ほどの人物を押し込め、お竜とお君の愁嘆場を際立たせるために、画面右中央手前にみかんをひたすら食べる女を配置している。
愁嘆場の背景を埋める大人数と、手前のみかん女。
やや演劇的な構図ではあるが、映画として観ると、やはり驚かされます。

アクションシーンもキレがあるのですが、それほど素早く動いているわけではない藤純子が、あたかも運動神経抜群のようにみえるのが、演出のキレというのでしょう。
(動いていないものを動いているように魅せる、それがアクション映画だ、というのが持論なのです)

ということで、ワンシーン、ワンシーンは素晴らしいのですが、それに対して脚本がぞろっぺえ。
いい加減といってもいいレベルで、眼病病みのスリ師とか、敵対勢力・鮫洲政の若い衆(長谷川明男)とお君を結婚させるのに父親なしでは可哀そうと鉄砲久がお君を養女にしたりとか、果ては予告なく現れて去っていくシルクハットの大親分(若山富三郎)とかはデタラメなレベルかもしれません。
(脚本は加藤泰と鈴木則文のコンビだが、こりゃメインは鈴木則文だな)

ということで、傑作というかケッサクというか評価は微妙です。