風と共に去りぬ

かぜとともにさりぬ|Gone With the Wind|----

風と共に去りぬ

amazon
レビューの数

117

平均評点

80.4(746人)

観たひと

1164

観たいひと

91

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1939
公開年月日 1952/9/4
上映時間 233分
製作会社 M・G・M映画
配給 MGM日本支社
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「白昼の決闘」「ジェニーの肖像」などの製作者デイヴィッド・O・セルズニックが1939年に完成した長編テクニカラー作品(上映時間228分)で、ベストセラーになったマーガレット・ミッチェル原作小説の映画化。監督は「ジャンヌ・ダーク」のヴィクター・フレミング、脚本はシドニー・ハワードの担当。撮影は「テレヴィジョンの王様」のアーネスト・ホーラーで、レイ・レナハン(「白銀の嶺」)とウィルフリッド・M・クライン(「二人でお茶を」)が色彩撮影に協力している。作曲はマックス・スタイナー、美術監督はリール・ホイラーが当たっている。主演は「欲望という名の電車」のヴィヴィアン・リーと「栄光の星の下に」のクラーク・ゲイブルで、「女相続人」のオリヴィア・デ・ハヴィランド、レスリー・ハワード、イヴリン・キース(「千一夜物語」)、トーマス・ミッチェル(「夢見る少女」)、バーバラ・オニール(「扉の蔭の秘密」)、アン・ルザーフォード(「虹を掴む男」)、ジョージ・リーヴス、フレッド・クラインらが助演する。なおこの作品は1939年度アカデミー作品賞をはじめ監督、主演女優、助演女優、脚色、色彩撮影、美術監督、編集、サルバーグ記念、特別と10の賞を獲得した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

前篇=1861年、南北戦争が始まろうとする直前。ジョージア州タラの大地主ジェラルド・オハラ(トーマス・ミッチェル)の長女スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、樫の木屋敷と呼ばれる同じ大地主ウィルクス家で明日開かれる野外宴会に、そこの嫡子で彼女の幼馴染みであるアシュリー(レスリー・ハワード)と彼の従妹メラニー(オロヴィア・デ・ハヴィランド)の婚約が発表されると聞いて心おだやかでなかった。激しい気性と美しさをあわせ持つスカーレットは、多くの青年の憧れの的であったが、彼女の心はアシュリーとの結婚をかたく決意していたのだ。宴会の当日スカーレットは想いのたけをアシュリーにぶちまけたが、彼の心は気立ての優しいメラニーのものだった。スカーレットはそこで、チャールズトン生まれの船長で素行の評判の良くないレット・バトラー(クラーク・ゲイブル)に会い、彼の臆面のない態度に激しい憎しみを感じながら、何か惹きつけられた。突然、戦争の開始が伝えられ、スカーレットは失恋の自棄からメラニーの兄チャールズの求婚を受け入れ結婚した。メラニーと結婚したアシュリーもチャールズも戦争に参加した。だがチャールズは戦争で病を得て死に、スカーレットは若い身を喪服に包む生活の味気なさからアトランタのメラニーの元へ行き、陸軍病院のバザーでレットと再会した。レットは強引に彼女に近付いてきた。戦況はその頃南軍に利なく、スカーレットとメラニーは看護婦として働いていたが、やがて、アトランタは北軍の接近に脅えた。スカーレットと生まれたばかりの子供を抱えたメラニーは、レットの御する馬車で故郷へと向かった。レットは途中ひとり戦線へ向かい、のこされた2人はやっとの思いでタラの地に着くが、すでに廃墟になって、北軍にすっかり蹂躪されたあとだった。後篇=戦争は南軍の敗北に終わった。捕虜になっていたアシュリーがかえって来てメラニーを喜ばせたが、スカーレットは再び彼に愛を告白してはねつけられた。タラは重税を課され、土地を守る決意を固めたスカーレットは、その頃北軍の営倉に捕らえられていたレットに金策を頼みに行ったが、断られた。彼女は妹スーレン(イヴリン・キース)の許婚フランクが事業に成功しているのを見て、欺いて彼と結婚し、事業を自分の手中に収めてアシュリーを仲間に引き入れ、唯金儲けだけに生きるようになった。フランクが死んで、スカーレットはレットと結婚し、娘ボニーを生んだが、まだアシュリーへの想いが断ち切れず、レットはもっぱらボニーへ愛情を注いだ。こうした結婚生活の不調和から、レットはボニーを連れロンドンへ行ったが、ボニーが母を慕うので再び戻ってきた。ところがボニーが落馬して死に、メラニーも病死してしまった。このためレットとスカーレットの結婚生活はまったく破れ、レットはチャールズトンへと去っていった。スカーレットはこのとき初めてレットを愛していたと気付くが、一番愛しているのはやはりタラの土地であった。彼女はタラに帰ってすべてを考え直そうと決心した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2011年5月上旬号

第二回 午前十時の映画祭:「風と共に去りぬ」「ドクトル・ジバゴ」

2010年1月上旬号

DVDがおもしろい!:DVDコレクション No.449 「風と共に去りぬ」

2004年12月上旬号

DVDコレクション :第174回 「風と共に去りぬ」

1994年7月上旬特別号

ビデオ:スペシャル・レポート 「風と共に去りぬ」50周年記念マスター発売

1972年6月下旬号

S・Bスペシャル ミュージカル2本:風と共に去りぬ

1967年4月下旬号

新作グラビア:風と共に去りぬ

1961年8月上旬号

旬報万年筆:復活した「風と共に去りぬ」

1952年10月下旬号

外国映画批評:風と共に去りぬ

1952年9月下旬号

「風と共に去りぬ」はいかに宣傳されたか:

1952年7月上旬夏季特別号

外国映画紹介:風と共に去りぬ

1952年4月下旬号

シナリオ:風と共に去りぬ(後篇) D・O・セルズニック製作 M・G・M映画

1952年4月上旬特別号

新作グラフィック:風と共に去りぬ

特別掲載シナリオ:風と共に去りぬ

2025/06/04

2025/06/04

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


赤い虚無と不吉

字幕で概況が語られると,時間と場所が大きく移り変わる.人物や室内や屋外を照らす光は赤っぽく感じられる.奇声をあげている者たちがいる.そして戦争が始まっている.
情熱が過ぎるスカーレット(ヴィヴィアン・リー)は,やがて風変わりな未亡人となる.見せかけの喪服を着て,夫の死をまるで悲しんでいないままにダンスに興じている.彼女のこの情熱が不吉であって,彼女の周りの人々は次々と消えていく.彼女は最初の夫の死と同じように,突飛な反応をするものの,それほど死には動じていない.が,徐々に周囲の死が彼女の心を蝕んでいくようにも見える.
レット(クラーク・ゲーブル)は,戦争の英雄となりながらシニカルな態度を貫く.ホールには大勢の紳士淑女が集まっており,彼の誘いでスカーレットは例の喪服で踊る事になる.アトランタで,そこは教会なのか病院なのかベッドには傷ついた者たちが寝て,苦しみ,叫んでもいる.キリスト像が描かれたステンドグラスは砲撃で一部が割れている.
スカーレットは奴隷のメイド,プリシー(バタフライ・マックイーン)を殴りつけ,産婆の役をさせている.いよいよ夥しい数の戦傷者は,赤い土の上に並んで寝ている.砲撃の音が著しい.ガラスが割れる音がする.あたりが炎に包まれると画面の赤味が増している.建物は燃えながら崩れ落ちていく.
大義について語られもする.敗残兵たちも溢れて行進している.力つきその場に膝をついてしまう者もいる.倒れた者たちを乗り越えながらスカーレットの馬車は,故郷タラの地のオークス屋敷を目指して進んでいく.彼女は屋敷で母の死体を目にし,悲鳴をあげる.家には,兄弟たちも病気となって見えなくなり,父も耄碌しているが,マミー(ハティー・マクダニエル )という女性の奴隷が相変わらず元気でいる.メラニーは看病されながら,嘘も上手くつき,悪くなっている.スカーレットが屋敷に侵入してきた北軍の脱走兵の顔面を撃ち抜くと快哉を叫んでいる.父はタラの土地を奪いにやってきた北軍の仇を見て,突然,馬で暴走を始め,落馬して死ぬ.スカーレットは,経済的な理由もあって再び結婚し,製材の事業を切り盛りしているが,また夫が死ぬ.
ニューオーリンズやロンドンといった土地にも舞台は移るが,やはり故郷タラにキャメラは戻ってくる.大酒を飲むのはスカーレットだけではない,レットは酔っ払ってスカーレットの頭を掴み,クルミのように握りつぶそうと想像する.
彼女の情熱は,南部的な情熱で,それは前近代的な精神とも言えるのかもしれない.北部が象徴する近代によって彼女は追い詰められていく.彼女の周囲の死は,前近代の死でもあるのだろう.こうした状況にあって,彼女の希望は虚無的にも見えている.

2025/06/02

2025/06/02

75点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


タラがある

もう、これで観るのはやめよう。と前回観たときに思っていたんだが、もしかしたら面白さが分かるかもしれないと思って

これが最後と背筋を伸ばして観た。

結果

今まで見た中では一番面白く観た。

そう、面白く

スカーレットの自分大好きな生き方、根性の座った生き方を見て、素直に笑ってしまったんだな。

どんな困難があっても、しぶとく生き続ける

大好きな男が結婚しても、決して諦めない。
財産や家を失っても、必死に生き抜く
娘を失っても
大事な友人を失っても、生き続ける
最後、実は大好きだった旦那に別れを告げられても

「そうだ、私にはタラがある」

と一瞬で立ち直り、タラのテーマで、あっさり映画は終わる

輝かしい歴史だけが風と共に去るのではない
不幸や苦難や挫折も風と共に去りぬ なのだな

はい、これで最後にします

2025/05/31

2025/05/31

-点

映画館/東京都/イオンシネマ多摩センター 
字幕


我が心のジョージア

「いつの日も明日は明日の風が吹く」

午前十時の映画祭15にて鑑賞。
我が生涯第3位(途中までは1位だった)の本作が、今後もこの地位を明け渡すことはないだろう。
13歳で初めて全編鑑賞した時の達成感は今でも忘れない。以来、何度も観てきたし台詞も粗方覚えている。にも関わらず何故今更スクリーンで観るのか?答えはただひとつ、そこに「風と共に去りぬ」があるからである。
午前十時の映画祭15がラインナップを投票で決めると発表した際、僕は真っ先に本作に票を入れた。むしろ焦ってさえいた。何度も観た作品だが劇場で観たことがない。加えて昨今の多様性の風潮からすれば、本作は真っ先に批判の矢面に立たされる作品であり未来永劫劇場で上映されなくなるかもしれない。そんな焦りがあったからラストチャンスのつもりで票を入れた。
幸いなことにラインナップに滑り込み、そしてようやく念願叶った。開始早々のジョージアの夕陽をバックにタイトルが横すべりし、「タラのテーマ」が鳴り響くシークエンスだけでもう涙目。4時間近い上映時間があっという間だった。
奴隷制度、そして南北戦争という日本人には馴染みの薄い題材ながら、本作が日本人に与えた影響は計り知れない。日本人を最も絶望させ、そして希望を与えた作品と言っていい。アメリカ公開の2年後に始まった太平洋戦争当初、向かう所敵なしだった日本軍は各地で本作のフィルムを押収した。フィルムを観た人々が口を揃えて言ったこと、それは「こんな映画を作る国と戦争をしても勝てるわけがない」だった。やがて日本は敗戦を迎え、1952年になってようやく日本でも一般公開となり、以来多くの観客が劇場に足を運んだ。戦争で荒れ果てたタラで、スカーレット・オハラ(演:ヴィヴィアン・リー)が朝日に向かって「二度と飢えには負けない」というシーンは、当時の日本人の支えとなった。はっきり言って、スカーレットはゲスの極み乙女だ。自分の目的のためなら手段を選ばないし、仮に自分の目の前にいたら本来であれば大嫌いになるのが自然である。しかし不思議と彼女のことは嫌いになれない。彼女がすることは不思議と許せてしまう。彼女は狡い、しかしそれ以上に行動できるところに僕は強さと憧れすら抱いてしまうのである。レット・バトラー(演:クラーク・ゲーブル)との関係も、擁護をさせてもらうならば彼女たちふたりきりであればうまくいったのではないかと思う。或いは結婚ではなく業務提携だったならば。しかし時には優しさすら彼女たちの邪魔になったがために結局すれ違いのまま終わってしまったのは残念でならない(個人的にはボニーですらふたりの関係をおかしくしてしまったと思っている)。
書きたいことはいくらでもあるし、原稿用紙をいくら渡されても足りないというのが本音なのだが、兎にも角にもスカーレット・オハラという存在は自分にとっては永遠に憧れであるし、いつでも心の片隅に留めておきたい存在なのでえる。
本作の製作は混乱を極めた。元々がベストセラー小説の映画化という経緯もあり、監督は二度も交代、スカーレット役は全米でオーディションを行っても決まらず、キャスト未定のまま撮影開始、さらには台詞の表現やキャストの起用を巡って製作費の裏で罰金や課徴金も多く課された。それでも本作が今日まで不滅の存在たり得ているのは、スカーレット以上に強情なプロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックによるところが大きい。製作当時は相当嫌われたらしいが、これだけの作品を遺してくれたことにただただ感謝したい。
明日もまた別の作品を劇場で観る予定だが、果たしてこの余韻を引きずらずに行けるだろうか...考えるだけで頭が痛くなる。まあいい、明日のことは明日考えよう。

2025/03/15

2025/03/15

71点

VOD/U-NEXT/レンタル/PC 
字幕


バタバタ感

ネタバレ

途中まではちょっとした感情の変化などがうまく描かれているように思えた。
しかし最後のバタバタと話が進んでいくところがなんか見ていて受け入れられなかった。

2025/01/17

2025/01/17

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


1939年の映画

こんな国に勝てる筈が無い。この女にも勝てない。

2025/01/12

2025/01/13

81点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


一途な思い

今までなんとなく食わず嫌いで観ていなかったので今回初めて観ました。
作品は思っていたよりもずっと観やすかったのですがスカーレットやレットに関しては観る前に思っていた人物イメージと違っていて違和感がありました。
スカーレットに関してはお金付きのあざとい女に見えなくもないですしレットはただの女好き。
二人ともその中でも一人の異性に対して一途な気持ちを思い続けるところだけは好感持てますがどちらかというとメアリーやアシュレーの二人の方が好きなキャラクターでした。