機動警察パトレイバー the Movie

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機動警察パトレイバー the Movie

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レビューの数

57

平均評点

78.0(322人)

観たひと

527

観たいひと

35

(C)1989 HEADGEAR/BANDAI VISUAL/TOHOKUSHINSHA

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アニメーション / SF / アクション
製作国 日本
製作年 1989
公開年月日 1989/7/15
上映時間 99分
製作会社 バンダイ=東北新社
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督押井守 
演出澤井幸次 
脚本伊藤和典 
原作ヘッドギア 
原案ゆうきまさみ 
企画ヘッドギア 
キャラクター・デザイン高田明美 
メカニックデザイン出渕裕 
作画監督黄瀬和哉 
美術監督小倉宏昌 
音楽川井憲次 
編集森田編集室 
制作スタジオディーン 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演冨永みーな 泉野明
古川登志夫 篠原遊馬
池水通洋 太田功
二又一成 進士幹泰
郷里大輔 山崎ひろみ
榊原良子 南雲しのぶ
大林隆介 後藤喜一
千葉繁 シバシゲオ
阪脩 榊清太郎
井上瑤 香貫花クランシー

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

近未来の東京を舞台にコンピュータ犯罪を解明していく警察の活躍を描く人気OVAアニメの映画化。脚本は「紅い眼鏡」の伊藤和典、監督は同作の押井守がそれぞれ担当。2020年7月17日、シリーズ誕生30周年突破を記念して4DX版を公開。(配給:ユナイテッド・シネマ)

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1999年の東京。工事現場など生活の至るところでレイバーと呼ばれるロボットが活躍。警察でもパトレイバーが導入されていた。ちょうどその頃、レイバーは更新時期に入り、頭脳を操るコンビーュータOSはHOSという新型OSに書き換えられていた。ある日、自衛隊レイバーを始めとするレイバーの謎の暴走事故が発生、特車二課が調査に乗り出した。東京を壊滅できるだけのコンピュータ・ウイルスが仕掛けられた計画的犯罪で、HOSが関係しているとわかるが、その開発者は自分のデータを消して姿をくらましていた。東京湾岸では東京の土地問題を一挙に解決しようと今世紀最大の洋上工事計画=バビロン・プロジェクトが推進されていた。ここには全国で稼動中の45%のレイバーが集中し、その整備は洋上プラットホーム=方舟で行われていた。やがて特車二課はHOSがある条件下で暴走することをつきとめる。一定の風速を越えた際に生じる高周波によるもので、そのキーは方舟だった。そしてその日は刻々と迫っていたのだった。大型台風が東京湾に接近中であった。特車二課の面々は台風上陸前に方舟を解体しようと乗り込むが、作業途中でHOS搭載済みのレイバー達が暴走を始めてしまう。襲いかかるレイバー達。その中でなんとか方舟の自己崩壊システムを起動、方舟は崩壊し危機は過ぎ去るのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1996年臨時増刊 押井守全仕事

押井守のデーモン「パトレイバー」と「攻殻機動隊」:

1989年9月上旬号 創刊70周年記念特別号

日本映画批評:機動警察パトレイバー

日本映画紹介:機動警察パトレイバー

1989年7月下旬号

グラビア:機動警察パトレイバー

2024/09/25

2024/10/08

100点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


かつて、押井守が「日本を代表するスーパークリエイターの一人」と持ち上げられ、ネット上でも「オタクの必修科目」のように扱われていた時期があった(記憶が正しければ『イノセンス』『スカイ・クロラ』の頃)。
その頃、高校生になりたてのガキであった僕はオタクとしてのランクを上げたくて、レンタルビデオ店で手当たり次第に押井作品をレンタルして見ていったのだが、当時の僕はあまりに未熟で、押井作品の殆どを理解することが出来なかった。
『イノセンス』『スカイ・クロラ』は、起伏がなくて途中で寝た。
『GHOST IN THE SHELL』『機動警察パトレイバー2』『ビューティフル・ドリーマー』は、画作りには感動したが、話やテーマを理解できなかった。
『アヴァロン』。投げっぱなしジャーマンなオチにキレた。
特に『ASSAULT GIRLS』は、ビジュアル的にもシナリオ的にもあまりにもつまらなくて、「押井守って実はたいしたことないんじゃないの?」と当時の僕は疑惑を持ってしまったし、成長した今でも『ASSAULT GIRLS』だけは認めることができない。

そんな当時の僕が、唯一手放しで「すごい!最高の映画だ!」と感動したのが『パトレイバー the Movie』である。
そんな思い出の映画がスクリーンで見られるという一報を聞き、僕は急いで手近なリバイバル上映を行っている映画館に駆け込んだ。

スクリーンで見たパトレイバーは「あの頃と変わらない」どころか、かつて感じた以上の面白さがあった。
今や「コンピュータウイルス」という題材は目新しいものではなくなってしまったものの、本作は時代の流れで色褪せるようなチャチな作品ではなく、川井憲次の最高の劇伴と共に始まるプロローグ→ドカンと出るタイトルで既に心はブチ上がり、HOSの謎を追う遊馬とその裏でHOSを作り上げ自殺した帆場暎一を追う松井刑事、その間にテンポ良く挟まれるギャグ、そして何よりシゲさんと遊馬がレイバー暴走のメカニズムを解き、特車二課が方舟破壊に向かうクライマックスはいつ見ても最高オブ最高オブ最高。
年齢を経たことで、ガキの頃はいまいちわからなかった押井監督特有の「虚と実の境目を問う(この場合は帆場暎一の存在)」構造や松井刑事たちが地道に足で帆場の正体を探るダレ場の面白さも多少わかるようになったし、本当にスクリーンで再鑑賞してよかった。

『パトレイバー the Movie』を見る度にオジサン思うんだけど…やっぱ押井さんって、誰かが手綱を握って程よく制御したほうが面白いんじゃないかな。
それとも、今見直せば当時は見えなかったモンが見えてくるのかな。

2024/09/22

2024/09/23

78点

選択しない 


35周年記念リバイバル公開

ネタバレ

恥ずかしながら、初見。

35年前に公開された、日本のアニメ映画史上の屈指の名作。 

最初の公開は1989年。10年後の世界(1999年)をこんな形で想定していた点に、まずバブル経済の影響を感じます。

日本の科学技術は、素晴らしく、これからの未来は再開発によってバラ色。東京湾岸はトンネルではなく、埋め立てによってどんどん土地を増やしていく。人口はどんどん増えて経済は成長していく。推進力はもちろんジャパンマネー。

そんな楽観的な風潮に対するアンチテーゼを投げかけるのが、押井流だ。
「レイバー」と呼ばれる工作ロボットたちがOSの仕掛けによって暴走を始める。その世紀末的なプログラムを仕組んだ科学者、帆賀瑛一はすでに自死している。

現在におきかえれば、大掛かりなウイルスを使ったサイバー攻撃といったところでしょうか。

インターネットが社会に広く普及する前にこれだけの大掛かりな構想をつくれた、というだけでも先見の明を感じます。

思い起こせば、1980年代はガンダムを始めとするロボットものがアニメ界を席巻し、僕たち少年たちは虜になりました。そうしたヒット要素をしっかりと組み込みつつも、その裏テーマでは、シリアスなIT社会の脆弱性を指摘していた、とても硬派なアニメ映画だったんですね。

決して古さを感じさせないのは、その問題意識の緻密さと、方向性の正しさ、ゆえでしょう。改めて押井守監督の才能と手腕を実感しました。

さて、2026年には新作が上映されるとのこと。いまから楽しみです。

2024/04/15

2024/04/15

74点

VOD/U-NEXT 
吹替


約35年前にこれを思いついていたのは凄いと思うが

言わずと知れた、ロボットアニメの金字塔。

10数年ぶりに鑑賞。
断片的なシーンを何となく覚えていたが、
内容はほとんど覚えていなかった。

89年公開の作品なので、約35年前に作られている。
巨大ロボットが建築現場で働いたり、警察の警備の仕事をしたりしているという設定の話。
「パトレイバー」というシリーズ自体は日本のアニメ界に大きな影響を与えた金字塔と言われているが、この作品だけで見ると、正直そこまでではないと思う。
アニメシリーズの続編なので設定や関係性が少しわかり辛い所があり、それを補うために説明的なセリフが多い。
物語としても、大型ロボットが躍動するシーンは少ない。

ただ、35年前に労働不足による労働力としてのロボットや、それに伴う危険性、コンピューターウィルスや暴走という今から考えればベタ中のベタだが、それをちゃんと形にしていたのは凄いと思う。

2024/04/12

2024/04/15

60点

VOD/U-NEXT 


「1999 TOKYO WAR」

押井守監督の代表作の一つ。
ゆうきまさみの漫画版は序盤だけ読んだことあるが本作は初見。
1989年の公開当時に観ておきたかった内容。
この時代にこの内容は普通なら想像もできなかったはず。
今観ると当たり前にみえてしまうところがもったいない。

2023/12/03

2023/12/03

100点

購入/DVD 


何度見ても完璧

静と動、陰と陽、シリアスとコミカル。先見性に富んだミステリー。バランスのとれた傑作。邦画名作映画の上位に入れても異論はない作品だと思う。

2022/10/01

2022/10/16

70点

選択しない 


近未来と昭和の同居

ネタバレ

 89年公開ということだけどこのオタク的に作り込まれた設定はかなり時代を先取りしているように思え、大衆的というよりは通向けといったイメージ。当時どれくらいヒットしたのだろう? 自分は原作漫画がサンデーに連載されているのは知っていたけど、チラ見する程度で格別面白いと感じなかったのだろうのめり込むこともなかったし、OVAもテレビアニメの方も同様にスルー。
 劇場版の方も知らず今日まで。でも連載もの、連続ドラマものと違って一話完結の劇場版はその世界観に入り込みやすかった。しかも背景なども丁寧に描き込まれていてなかなか面白い。特に下町の雑然とした昭和感あふれる佇まいと、いかにも近未来的な湾岸周辺の高層ビル群の同居などちょっと「ブレードランナー」の世界観に似ている。
 そこにレイバーの暴走という謎をインサート、その事態収拾にあたる特車二課の活躍が描かれるというもの。ミステリータッチなシナリオも面白かった。
 もっとも日本を舞台にしてバビロン・プロジェクト、方舟、エホバ、ノア・・・・云々といった聖書ネタが散りばめられているのが気になったが。これは世界標準を狙ったシナリオだったか?