セリーヌとジュリーは舟でゆく

せりーぬとじゅりーはふねでゆく|Céline et Julie vont en bateau|Celine and Julie Go Boating

セリーヌとジュリーは舟でゆく

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レビューの数

12

平均評点

75.5(67人)

観たひと

111

観たいひと

17

(C)1974 Les Films du losange

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ファンタジー
製作国 フランス
製作年 1974
公開年月日 1993/7/17
上映時間 193分
製作会社 アクション・フィルム=レ・フィルム・クリスチャン・フェンチャー=レ・フィルム・デュ・ローザンヌ=レ・フィルム7=レン・プロ=サーガ=シーモア・プロ=VMプロ
配給 コムストック=テレビ東京
レイティング
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

魔法のキャンディの力で夢の世界へ自由に行き来する二人の女の冒険を描くファンタジー。監督は「美しき諍い女」のジャック・リヴェット。製作は「北の橋」のバーベット・シュローダー。脚本はリヴェットと、「巴里ホテルの人々」のジュリエット・ベルト、「ジョナスは2000年に25才になる」のドミニク・ラブリエ、「北の橋」のビュル・オジェ、「バロッコ」のマリー・フランス・ピジェら四人の出演者たちの共同。撮影はジャック・ルナール。音楽は「厚化粧の女」のジャン・マリー・セニアが担当。他の出演は「ロザリンとライオン」のフィリップ・クレヴノなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

公園のベンチでジュリー(ドミニク・ラブリエ)は魔術の本を読んでいる。そこにセリーヌ(ジュリエット・ベルト)が走ってきて、落とし物をし、走り去る。ジュリーはそれを拾い、渡そうと追いかける。やがてセリーヌはホテルで、魔術師と称しチェック・インする。翌朝ジュリーはホテルのロビーで、セリーヌに落とし物のスカーフを渡す。ジュリーは図書館員、その図書館にセリーヌの姿が見える。ジュリーがアパートに帰ると、怪我をしたセリーヌがドアの前に佇んでいた。翌日、ジュリーは校外の屋敷に出掛け、セリーヌはジュリーの玩具箱から屋敷の写真を見つける。そこにジュリーの幼友達のグレゴワール(フィリップ・クレヴノ)から電話があり、セリーヌはジュリーになりすまし、グレゴワールを侮辱する。屋敷から抜け出したジュリーは記憶があいまいになっている。セリーヌはバーで手品を披露している。ジュリーはそれを見物しながら、屋敷の中の映像を幻視する。部屋に戻ったふたりは、屋敷の謎を解こうとする。ジュリーは屋敷から出る時口にしていたキャンディを舐めると、幻視できることに気づく。さらに翌日、セリーヌが屋敷に出掛けていく。ジュリーもセリーヌを助けにいくが中に入れない。戻ったふたりはキャンディを舐めて、夢のような物語のあらすじをつかもうとする--妻に先立たれたオリヴィエ(バーベット・シュローダー)という男が、娘のマドリン(ナタリー・アズナル)と義理の姉カミーユ(ビュル・オジェ)、亡妻の友人ソフィ(マリー・フランス・ピジェ)と屋敷で暮らしている。カミーユとソフィはどちらもオリヴィエを愛しているのだが、妻の遺言でマドリンのいる間はオリヴィエは再婚できない。ふたりのうちどちらかがマドリンを殺そうとしている。病弱なマドリンのために付き添い看護婦として働いているのがセリーヌとジュリー。物語の結末では、マドリンが毒殺されてしまう--キャンディがなくなり続きが見られなくなったふたりは、魔術本を図書館から盗み、それを参考に薬を調合する。薬を飲んだふたりは、夢の中に入り込み、自分たちの意志で行動できるようになる。ふたりはマドリンを助け出し、池の上を滑るボートに乗って去っていく……。そして再び冒頭の場面。公園のベンチでセリーヌは魔術の本を読んでいる。そこに今度はジュリーが走ってきて落とし物をしていく。追いかけるジュリー・・・。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年4月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「特集上映「ジャック・リヴェット映画祭」」

1993年11月上旬号

外国映画紹介:セリーヌとジュリーは舟でゆく

1993年9月上旬号

外国映画批評:セリーヌとジュリーは舟でゆく

1993年7月下旬号

グラビア《New Release》(新作映画紹介):セリーヌとジュリーは舟でゆく

2023/12/04

2024/02/01

60点

選択しない 


キャンディ

ネタバレ

 70年代のヌーベルバーグか。何とも摩訶不思議な映画。3時間超の長尺を小娘の遊びに付き合わされたという感覚。正直最後まで彼女たちの話に入っていけなかったのだけど何だか傍で見ていると何げにおかしいのだ。彼女たちの行動が。
 ジュリーとセリーヌを大人の女性として見ていたから入っていけなかったのかもしれない。途中から彼女たちはマドリンと同じ少女なのだと仮定してみると、なんとなくその変な行動も腑に落ちるのでした。
 それにしてもキャンディで夢を見ていたなんて、あとで解説をみるまで気づかなかったよ。少女たちの自由な発想についていくには自分は歳を取りすぎたのかもしれないのでした。

2023/08/16

2023/10/14

80点

VOD/その他/レンタル 
字幕


冒頭のセリーヌとジュリーの追いかけっこは、インスパイアされたという「不思議の国のアリス」のよう。何が起こるか分からないドキドキ感と、すっと仲良くなる二人がとても楽しい。そして、不思議な屋敷の演出がこれまた巧い。実際に二人が屋敷に入っている時の描写はなく、事後にキャンディを舐めれば屋敷内での出来事を幻視できる。屋敷内での二人は同一人物と思われる看護師で、セリーヌはジュリーであり、ジュリーはセリーヌでもある。これがあるから現実世界でのなりすましによる一悶着も、二人の間では何の問題もないのだと思える。最後の幻視のみ、屋敷の中に二人が同時に存在し、まるで「ひなぎく」のようなはっちゃけっぷりに笑ってしまった。と同時に、屋敷内の人たちの顔色の悪さも印象的。何とかハッピーエンドを迎えたと思いきや、ラストでの振り出しに戻った感。。セリーヌとジュリーの物語はまだまだ続く。

2023/03/30

50点

選択しない 


ホラーでミステリアスでファンタスティックな不思議体験を楽しめる

 原題"Celine et Julie vont en bateau"で、邦題の意。
 パリの公園のベンチで図書館司書ジュリー(ドミニク・ラブリエ)が魔術の本を読んでいると、通り掛かったウサギならぬ魔術師セリーヌ(ジュリエット・ベルト)が落とし物をしてウサギ穴ならぬ町中に去っていき、それを追いかけたジュリーが迷宮に入り込む…という『不思議の国のアリス』に着想を得たコミカルなファンタジーで、二人を待ち受けるのはハートの女王ならぬ幽霊屋敷の亡霊たち。
 亡霊屋敷で得たキャンディを舐めると屋敷で起きた殺人事件を追体験でき、当初は断片的だったシーンが次第に物語として形を成していくが、不条理なストーリー構成を理解するまでがわかりにくいのを除けば、3時間余りの長尺ながらホラーでミステリアスな不思議体験を2人とともに楽しめる。
 屋敷内で殺されることになる少女(ナタリー・アズナル)を二人が助け出し、物語を変えてしまうが、『不思議の国のアリス』同様に最後は夢オチとなり、物語はプロローグに戻る。
 もっとも、夢物語で二人が何度も同化したり入れ替わったりした如く、ベンチに座っているのがセリーヌで、ファンタジーに誘うのがジュリーと入れ替わり、ネバーエンドとなるが、最後まで心地よいトリップ感が味わえる。

2022/12/13

2022/12/15

80点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


かなり変な映画。
偶然出会った2人の女が、何故かお互いに執着するようになって、一緒に住んだりするのだが、行動に特に根拠はなく、しばらく何の映画か全くわからない。
その後、ある屋敷の謎を探ることになるが、それは呼び鈴を押すと自動的に扉が開いて
人を飲み込むような屋敷。
そこから出てくると何故か飴を咥えていて、それを舐めると過去の出来事を追体験できるという馬鹿馬鹿しくもマジカルな展開に。
まるでパフィーみたいな2人はそれを面白がってふざけ半分に続けるのが、独特な雰囲気で面白い。
繰り返される屋敷の中の恐ろしいドラマとふざける2人のがギャップが強烈。
ついに2人は過去に進入するが、クライマックスは2人のやりたい放題がむちゃくちゃで痛快。
2人はお互いを演じ合ったり(それはそれぞれの男を遠ざけようとしているように見える)、同じ看護婦を2人で演じたりと、何か意味がありそうだがよくわからない。
マジカルなコミック映画。
こんな変な映画を3時間も見せられるとある意味脱帽させられる。

2022/08/12

2022/08/12

90点

レンタル/東京都/TSUTAYA/SHIBUYA TSUTAYA/DVD 
字幕


魅力的な傑作!

何とも不思議な感覚にさせられるジャック・リヴェット監督作品。
「不思議の国のアリス」を更に進化させたような「現実と夢世界」・「外的世界と内的世界」・などが入り混じった映画で、3時間超の尺があるにも拘らず、のめり込むようにして見入ってしまった楽しい世界だった。

公園で「魔術」の本を読んでいるジュリー(ドミニク・ラブリエ)の見ている所で、いろんな物を落として行くセリーヌ(ジュリエット・ベルト)をジュリーが追いかける。
それから二人が体験する不思議な事を「観客は見る」ことになる。

面白いのは「飴をなめると幻視ができること」であり、それが彼女たち2人の共通イメージとして描かれる。
彼女たちが幻視するのは、実際にある家の中の物語なのだが、最初のうちは彼女たちのいずれかがその家に入って行くのは家の外観のみに留めていて、家の内部をカメラが直接映すことはしない。
しかし、カメラが映さない「家の中の出来事」は彼女たちの幻視によって描かれる。
この辺りの切り分けが、とても上手い描き方だと思った。
カメラが「現実と夢世界」の映画における棲み分けを明確にしているように見えるが、実は曖昧だったりする面白さ。

家の中の人物たちが幽霊に見えたりするが、セリーヌとジュリーたちがボートを漕いでいると、ボートを漕ぎもせずにスーッとそれらの人物たちが通るシーンなどは、なかなか怖いが面白い。

こうした摩訶不思議な映画は、とても魅力的に思えて「何度でも観たい」と思うのだが、如何せん3時間超の映画なのでリピート鑑賞は余裕がある時にしか出来ないかも…。

ジャック・リヴェット監督による魅力的な傑作!

2022/06/16

2022/06/16

60点

映画館/神奈川県/シネマジャック/ベティ 
字幕


不思議の国のセリーヌとジュリー

図書館司書の女性が、派手派手な格好をしていろんな物を落っことしながらパリの街を行く手品師の女の子に導かれて、少女殺人事件をめぐる摩訶不思議な冒険へと旅立つ。
冒険といっても、アタマの中だけの世界でのもの。文化財をそのまま使用した異世界であり、配役も現実の彼女たちよりずっと豪華、っていうのがトボけた可笑しみ。
すごく肩の力が抜けたユルユルの構成での休憩なし3時間半だが、妙にクセになる面白さでスイスイと観られた。