カッコーの巣の上で

かっこーのすのうえで|One Flew Over The Cuckoo's Nest|----

カッコーの巣の上で

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レビューの数

101

平均評点

81.5(860人)

観たひと

1492

観たいひと

153

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1975
公開年月日 1976/4/17
上映時間 129分
製作会社 ファンタジー・フィルム作品
配給 ユナイト映画
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

州立精神病院を舞台に管理体制に反撥する人間の尊厳と自由を描いたケン・ケーシーのベストセラー小説の映画化。製作はソウル・ゼインツとマイケル・ダグラス、監督は「パパ、ずれてるゥ!」のミロシュ・フォアマン、脚本はローレンス・ホウベンとボー・ゴールドマンの共同、撮影はハスケル・ウェクスラー、音楽はジャック・ニッチェ、編集はリチャード・チュウが各々担当。出演はジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、ウィリアム・レッドフィリルズ、マイケル・ベリーマン、ピーター・ブロッコ、ディーン・R・ブルックス、アロンゾ・ブラウン、スキャットマン・クロザース、ウィル・サンプソン、ブラッド・ダリフなど。なおゴールデン・グローブ賞6部門、アカデミー賞5部門を受賞した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1963年9月のある日、男が1人オレゴン州立精神病院の門をくぐった。その男ランドル・P・マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)は刑務所の強制労働を逃れるために気狂いを装っていた。そんな彼を担当医のスパイビー(ディーン・R・ブルックス)は深い興味をもってながめていた。そのマクマーフィが初めてディスカッション療法に参加した。病院は絶対権をもって君臨する婦長ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)の専制のもとに運営されていた。インテリ患者ハーディンを始め、他の患者たちがまるで生気のない無気力人間になっている事実にマクマーフィは驚いた。翌朝のディスカッション療法の席上、マクマーフィはワールド・シリーズの実況をテレビで見れるよう日課の変更を要求した。ラチェッドは一蹴したが、病院の方針により評決は患者たちの投票に委ねられることになった。しかし、賛成投票したのはチェズウィクとテーバーの僅か2人だった。患者たちの協力が必要と感じたマクマーフィは運動を開始した。再投票が行われた。『急性患者』9人全員の賛同を得た。しかしラチェッドらはこの病棟には他に9人の『慢性患者』がいるとの理由で却下した。完全痴呆の慢性患者、その1人1人を口説いてまわり、やっとチーフと呼ばれるインディアン患者(ウィル・サンプソン)の説得に成功するが要求は時間切れで冷たく拒絶された。ある日、マクマーフィは患者たちをレクリエーションに連れていく予定のバスを奪い、彼らを小さな港に連れていく。彼の女友達キャンディも一緒だ。船をたくみに借り出したマクマーフィらは一路外洋へと乗り出した。フレディリクソン、マルティニ、セフェルト、ビリー……誰もの顔が小さな鳥籠から大空に放たれた小鳥のように生き生きとしていた。それ以後も、マクマーフィは次々とラチェョドの専制的体制に反抗を続けた。次のディスカッション療法のとき、タバコの配給のことから看護人と争った彼は、罰としてチェズウィクやチーフと共に電気ショック療法に送られる。さすがに不安になったマクマーフィを勇気づけたのは今まで誰とも口をきいたことがなく口が不自由だと思われていたチーフダった。チーフがマクマーフィに対して初めて心の窓を開け始めた。2人は秘かに脱出計画を練った。決行日が近づいた。ある晩、マクマーフィは看護人を買収し、キャンディらを引き込み、お別れの乱痴気パーティを開いた。キャンディに恋したビリーの告白をきいたマクマーフィは、一夜の思い出にと2人を別室に送り込んだ。病院に朝日がさし込むと、看護人が現われ眼をまわした。室内は乱れに乱れ、患者たちが眠りこけているのだ。ラチェッドに、全裸でキャンディと寝ているところを目撃され攻められたビリーが自殺する。平静さを装って勤務につく看護婦ラチェッドの冷酷さにマクマーフィの怒りが爆発した。あやうく彼女を締め殺しそうになった彼は病室から連れ去られた。数日後、1人ひそかにその帰りを待つチーフのもとへ、今や額にロボトミーの跡をつけ、植物人間と化したマクマーフィが戻ってきた。怒りと悲しみ。マクマーフィをこのままここに置くにしのびないと感じたチーフは、枕を押しつけ彼を窒息死させた。チーフにとってそれが最後のマクマーフィに対する友情の証しだった。明け方、窓をぶち破り、祖先の愛した大地を求めて走り去るチーフの姿が、逆光の朝日の中にあった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2013年8月下旬号

新・午前十時の映画祭デジタルで甦る永遠の名作:「ロッキー」「カッコーの巣の上で」

1976年5月下旬号

外国映画批評:カッコーの巣の上で

1976年5月上旬号

外国映画紹介:カッコーの巣の上で

1976年3月下旬号

グラビア:「カッコーの巣の上で」

特集 「カッコーの巣の上で」:作品論と監督・製作者・主演者へのインタビュー

特集 「カッコーの巣の上で」:ジャック・ニコルソンは語る

特集 「カッコーの巣の上で」:ソウル・ゼインツに聞く

特集 「カッコーの巣の上で」:マイケル・ダクラスに聞く

特集 「カッコーの巣の上で」:ミロス・フォアマンに聞く

特集 「カッコーの巣の上で」:分析採録

1976年3月上旬号

グラビア:「カッコーの巣の上で」

1976年2月上旬号

キネ旬試写室:カッコーの巣の上で

2025/07/08

2025/07/08

88点

VOD/U-NEXT 
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見つめ直す自由と狂気

ネタバレ

冒頭、美しい山々と自然の映像に重なるように静かな音楽とテロップが流れ、ラストでは、沈みゆく太陽を背に、チーフが森へと去っていく。
今振り返ると、この映画を初めて観たのは中学生の頃だった。当時の自分がどんな思いでこの作品を受け止めていたのか、今となっては記憶が曖昧だ。ただひとつ言えるのは、この映画が持つ鋭いテーマと生々しさは、現代のテレビ放送ではおそらく実現不可能なほど強烈だということ。製作を担ったマイケル・ダグラス、そして監督ミロス・フォアマンの覚悟と勇気がなければ、生まれ得なかった作品である。

これは間違いなく、アメリカン・ニューシネマを代表する傑作の一つ。「暴力脱獄」などと同様、枠に収まらない自由を求めるムーブメントに連なる作品だ。(ちなみに町山智浩氏によれば、この流れを断ち切ったのが『ジョーズ』『ロッキー』『スター・ウォーズ』だったという。)

あらためて観ると、俳優たちの演技の素晴らしさに息を呑む。
マクマーフィが患者たちをバスに乗せて釣りに出かけるシーン。女友だちに “Are you crazy?” と聞かれて素直にうなずく場面。クルーズを盗み、それぞれを「博士」と紹介するくだり。彼らは実際、そう見えてくる。
そう、この作品は観る者の姿を映し出す「鏡」なのだ。精神病院という閉鎖空間の中で、目をそむけたくなるような存在に思える患者たち。しかし、マクマーフィは一人ひとりに光を当て、その個性を引き出していく。
登場人物の誰かに、かつての、あるいは今の自分を重ねることはできないか。そう問いかけてくる映画だ。

キャストも豪華だ。若きダニー・デヴィート、そして『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の“ドク”ことクリストファー・ロイドなど、後に名優となる面々が顔をそろえる。観ているうちに、彼らがまるで自分の友人のように思えてくる。

看護師長を演じるルイーズ・フレッチャーの演技も圧巻だ。冷静さと威圧感を併せ持ち、決して揺るがない。その彼女にマクマーフィが友人の死を機に怒りを爆発させ、首を絞めるシーン。あの凄まじい演技、もはや演技を超えていたのではないかと思うほどだった。

マクマーフィには持ち上げられなかった重い水栓を、チーフが持ち上げて脱走するラスト。水が湧き出すその瞬間は、まるで聖水のように感じられた。手術で意識を失ったマクマーフィに「一緒に行こう」と語りかけ、枕で彼を解放するチーフ。その手に伝わったのは、絶望か希望か。去りゆく彼の背中には、複雑な未来が重なって見えた。

社会が混迷するいまこそ、この映画の原点に立ち返るべきではないか――
そんな思いが、胸を強く打つ。

2025/04/06

87点

選択しない 


ミロシュ・フォアマン監督の傑作

ミロシュ・フォアマンの傑作。精神病院の閉鎖的空間で展開されるドラマで、更に冷徹な婦長のルイーズ・フレッチャーが抑圧的。だから観ているコチラは、つい患者に同情し反抗的な患者ジャック・ニコルスンを応援してしまう。こういうところが脚本の上手さでドラマにグイグイ引き込まれる。元は舞台劇だが病棟を抜け出し外界に出たロケは開放的な効果をあげている。病院側がニコルスンを問題ある患者と決めつけロボトミー手術した後の展開はやりきれないがチーフの行動は友情によるもので、チーフの脱出するラストに救われる。人間の尊厳や自由について考えさせられる作品。

2025/01/13

2025/01/13

-点

VOD/iTunes(AppleTV)/購入/タブレット 
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お衣装 髪型すてき

ネタバレ

婦長さん綺麗 生真面目 マクマーフィー危険
チーフ!ハンサム 素敵 ビリー可愛い!残念
男性スタッフ蝶ネクタイ 大きな人 小さな人

2024/12/07

2024/12/07

80点

VOD/その他/購入/テレビ 
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なるほど

なるほど名作と言われるだけあるね。映像ではなく演技力なんだよね。きっと。

2024/09/27

2024/09/28

90点

テレビ/有料放送/WOWOW 
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また観た

ラストシーンの感動、重苦しさから解放される快感。終わってもしばし余韻に浸れる。

1993/03/15

2023/10/02

95点

レンタル/大阪府 
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大人になって

初めて鑑賞。子供の時とは全く違った意味で思うところが。鑑賞の際に細部にまで目が行き届くようになった。

人間らしく生きるという当たり前のことが、この病院では完全に排除されただ生かされている状態。その状況を見て、今までただただのんべんだらりと生きて来た自分を顧みて、わずかでも皆に生きる事の楽しさを教えようとした、マクマーフィの勇気に感動。

当時レコード屋でテーマ曲の円盤を買って、家でヘビーローテーションしてたことを思い出しました。