ファンタスティック・プラネット

ふぁんたすてぃっくぷらねっと|La Planete sauvage|La Planete sauvage

ファンタスティック・プラネット

レビューの数

80

平均評点

73.6(390人)

観たひと

604

観たいひと

34

(C)1973 Les Films Armorial - Argos Films

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アニメーション / SF
製作国 フランス チェコスロバキア
製作年 1973
公開年月日 1985/6/21
上映時間 72分
製作会社 レ・フィルム・アルモリアル=ORTF=チェコスロヴェンスキー・フィルムエクスポルト
配給 ケイブルホーグ
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

場面 ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

フランスの代表的SF作家ステファン・ウルの小説『オム族がいっぱい』を原作とする長編アニメーション映画。共同脚本も担当したローラン・トポールが原画も手がけている。監督は「時の支配者」のルネ・ラルー。1973年のカンヌ国際映画祭で、アニメーションとして初めて審査員特別賞を受賞した。2025年6月20日より「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」として劇場上映(配給:ザジフィルムズ)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

人間より遥かに巨大で、全身真っ青の皮膚に目だけが赤いドラーク族が支配し、人間は虫けら同然の惑星。孤児となった人間の赤ん坊がドラーグ族の知事の娘ディーヴァに拾われ、ペットとして育てられた。テール(地球の意)と名付けられた赤ん坊は少年となり、ディーヴァが勉強に使っている学習器をこっそり使い、この惑星についての知識を深めていく。彼はディーヴァが瞑想の儀式に入った隙に学習器を抱えて逃げ出し、ひっそり暮らす人間たちに様々な知識を共有させた。やがてドラーグ族が人間狩りを開始。知識を得た人間たちは、ドラーグ族が捨てたロケットを改造して隣の星である未開の惑星へ、移住のための調査隊を派遣する。その折、テールを含む調査隊は、ドラーグ族が瞑想によってこの惑星に魂を飛ばし、マネキン人形を相手に踊るという行為で生命エネルギーを得て種の保存を図っていたことを知った。テールたちは踊りの最中の人形を破壊し、ドラーグ族を狂わせて大混乱に陥らせる。ドラーグ文明は崩壊の危機を迎え、やがて人間との間に協定が結ばれた。人間たちは未開の惑星と同じような人工惑星を作りそこに住むことになる。その人間の星には、テールの名がつけられた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1997年4月上旬春の特別号

COMING SOON【新作映画紹介】:ファンタスティック・プラネット

1985年7月上旬号

グラビア:ファンタスティック・プラネット

2025/07/29

2025/07/30

85点

映画館/兵庫県/元町映画館 
字幕


人間の行為を巨人族に重ねる醒めた寓話

初見では切り絵を使った暗く冷ややかなタッチで奇妙な生物たちが絵本のような2次元の背景の中で動き回るのにシュールな味わいを感じたが、我々人間の行為を巨人族に重ねる醒めた寓話として今回はこの作品を見た。ゴキブリのように駆除された人間が簡単に和平に応じるのは少し楽観的過ぎるが、理想を追う気持ちはいつまでも持ち続けたい。

2025/07/19

2025/07/20

68点

映画館/宮城県/フォーラム仙台 
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共存共栄

 1973年のフランス映画。2025年の4K修復版。ステファン・ウルの小説「オム族がいっぱい」を原作とするアニメーション映画。惑星イガムでは、かつて文明を有していたオム族は巨大で肌が青く赤い目のドラーク族に支配され駆除すべき対象になっていた。ドラーク族の子どもたちの遊びで母を亡くしたオム族の赤ん坊が知事の娘ディーヴァに拾われテールと名付けられペットとして育てられる。ディーヴァの学習に付き合うテールも知識を得ていく。ドラーク族は一日の大半の時間を瞑想に費やすが、ディーヴァも瞑想する年齢となり、その間に教育システムを持ってテールが逃走する。森でオム族の少女に助けられ廃園の大木の隠れ家へ。テールは始め胡散臭がれていたが、ドラーク族の文字が読めるため重宝がられるようになる。また持ち出した教育システムで皆が知識を得るようになる。ある時壁に「人間絶滅作戦」と書かれているのを見つけ、夜一人で外出した所オム族の別の部族である木の穴族に捕まってしまう。壁に描かれた文字から明日人間絶滅作戦が施行されると説いても誰も信じない。翌日毒ガスをまき散らす機械が廃園を走り回り多くのオム族が亡くなってしまう。木の穴族の老婆に助けられ脱出したテールたち。ロケットの墓場に隠れ家を移し、打ち捨てられたロケットを人間用に改造し、衛星である野生の星を目指す。人間狩りがロケットの墓場までやって来るが、野生の星に着いたテールたちは、そこで首のないマネキンが沢山放置されているのを目撃する。そしてそこへ瞑想によって離脱したドラーク族の意識が首になるとマネキンたちはダンスを始めこれによって生命エネルギーを得ていたことを知る。ロケットのレーザー砲でマネキンたちを次々破壊していくとドラーク族は大きなダメージを受けてしまう。ドラーク族の知事はオム族に和平交渉を提案し共存共栄の道を模索する。野生の星のほかに人工の衛星テールを作りそこにオム族たちの大半が移住し、惑星イガムでは残ったオム族とドラーク族が共に生きる世界となるのだった。
 これが半世紀も前の作品だと言うことにまず驚きました。アニメーション技術は現在とは比べる術もありませんが、この世界感は独特でアニメーション以外で表現することはまあ無理。現在ならCGを駆使して作れなくもないでしょうが、独特な様々な生物をCGで描いていくには相当の時間と費用がかかりそう。位置をコントロールされる首輪をつけられたテールだけど、ことあれば逃げ出そうとするその不屈の精神はどこから湧いてきたんだろう。逃走後に生き延びられたのはかなり偶然の要素が多く幸運だったとしか言えない。オム族の文明の痕跡というものが残されていたことから、ドラーク族はよそからの侵略者だったのかな。ところでドラーク族の食事っていったいどんなだったんだろう。家畜とか何かを栽培している感じはなかったし、でてくる植物や動物などの生物たちはオム族サイズで、ドラーク族に見合う巨大な物ってなかった気がするんだけどなあ。オム族はオム族で派閥が出来ていたリ違う部族がいたりでオム族が手を取り合ってドラーク族に対抗しようとしていなかったことも興味深かった。ドラーク族の文明や技術の発達が向かう方向性が人間であるオム族とずいぶん違っていたことや、オム族の特性を甘く見ていたことが敗因なんでしょうね。ところで人間狩りで毒ガスをまき散らしていた時、ガスマスクをつけて走り回っていたドラーク族側のオム族はいったい何をしていたんだろう。またロケット墓場に白い塗料を打ち付けていたけどあれはどんな意味があったんだろう。衛星の名前をいくらテール(terre)としても、これが地球のはじまりとはとても思えず、全く別の銀河の別の惑星のお話のままで違う種類の生命体でも共存できるということで良かったんじゃないかなあ。

2025/01/19

2025/01/19

-点

VOD/YouTube/レンタル/PC 
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カルト映画らしいカルト映画

紙芝居+α程度のアニメーションで、同じ動きの繰り返しも多用。大枠のストーリーはありつつも、小ネタをぶつ切りにして繋げたような構成。鉛筆描きのラフをそのまま残したようなライン。そう言ったことは逆に魅力に感じます。
人類が、自分たちより身体的にも知的にも強大な存在に支配されているが、やがてそれに伍する存在となり、共存の道を歩むというストーリーはSF的でありつつも、力でねじ伏せがちな人類への教訓を含んだ寓話的でもありつつ。瞑想するドラーグ人たちは、公開時1973年にしても遅れてきたヒッピームーブメントか。

2024/05/28

2024/05/28

77点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/テレビ 
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必見

これは、かなりぶっとんだ作品です。
そこそこ映画のことを知っていると思っていましたが、こんなものがあるとは、映画の世界の広さを改めて感じました。必見です。

2024/04/08

-点

選択しない 


強烈な画と設定

毒々しい作画に惹かれて鑑賞。ドラーグ人たちにとって人間とは、今の私たちにおけるゴキブリと同程度らしい。異なる点は、稀に高知能のゴキブリが混在することくらいか。
我々が殺虫剤を撒いてゴキブリを殺すように、ドラーグ人も同じく殺虫剤のようなものをばら撒き人間を虐殺したり、人間を殺すためだけに新兵器を作ったりして人間を駆逐しようとする。
そもそもゴキブリは、人間にとって本来そこまで有害な生物ではない。しかし人間は、ゴキブリを見るととりあえず殺しておく。という選択肢を取る。
なぜ人間は不必要な殺生を繰り返すのか。
本来そこまで有害でない犬猫などの動物は飼って愛でたりするのに、なぜ一部の昆虫や見た目の醜いものは迫害し殺生するのか。愛されるべきものと迫害されるべきものの違いは何なのか。
この映画は、人間の持つ利己的で都合の良い心理が、どれほど被害者の立場からすれば理不尽で残酷なものかを問題提起しているように思う。

2024/03/10

2024/03/10

50点

VOD/YouTube 
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この世界観は苦手。青い体のドラーク族のペットになっている人間。ドラークの教育機で知恵をつけ脱出。隠れて住んでいた人間たちとドラークの弱点を突いて共存できる世の中に帰るというお話し。奇妙奇天烈な動物や植物。ユニークなドラーク人。・・・やっぱり苦手だ。