毒々しい作画に惹かれて鑑賞。ドラーグ人たちにとって人間とは、今の私たちにおけるゴキブリと同程度らしい。異なる点は、稀に高知能のゴキブリが混在することくらいか。
我々が殺虫剤を撒いてゴキブリを殺すように、ドラーグ人も同じく殺虫剤のようなものをばら撒き人間を虐殺したり、人間を殺すためだけに新兵器を作ったりして人間を駆逐しようとする。
そもそもゴキブリは、人間にとって本来そこまで有害な生物ではない。しかし人間は、ゴキブリを見るととりあえず殺しておく。という選択肢を取る。
なぜ人間は不必要な殺生を繰り返すのか。
本来そこまで有害でない犬猫などの動物は飼って愛でたりするのに、なぜ一部の昆虫や見た目の醜いものは迫害し殺生するのか。愛されるべきものと迫害されるべきものの違いは何なのか。
この映画は、人間の持つ利己的で都合の良い心理が、どれほど被害者の立場からすれば理不尽で残酷なものかを問題提起しているように思う。