DVDの冒頭に淀川長治さんの解説映像が入っていて、見どころを包み隠さず話してくれる。映画を観てから聞きたかった!と少し思うものの、それでも本作が持つ力強さとメッセージ性が薄れることはない。中でも、“ポチョムキンの階段”と呼ばれるオデッサの階段シーンが印象的で、銃弾に倒れる母親と階段を雪崩落ちる乳母車が記憶に残る。他にも、戦艦ポチョムキンでの反乱と団結、オデッサに暮らす人々の優しさと怒り、ラストシーンの溜めと安堵等、約100年前の作品とは思えない完成度。なお、オデッサの群衆の中でひとりの男性がユダヤ人への差別的発言をし、周りにボコボコにされるシーンがある。偏見がないことを嬉しく思ったものの、どうやら当時のオデッサの人口の30%近くがユダヤ人だったからっぽい。今のロシアに戦艦ポチョムキンに当たる人たちが現れることを願う。