戦前に、こんな作品を作れる国と戦争してはいけない。
ネタバレ
オズの魔法使
「ウィキッド ふたりの魔女」を見た関係で、復習の意味を込めて再見。まず、今回、4Kで見た効果もあったが、1939年という戦前の映画であるにもかかわらず、その画質、色彩の良さには感心した。いつも言うが、あの時代にこんな映画を作ることのできる国と戦争するなんてナンセンス。それと、ドロシーを囲むおじさんたちのダンスのテクニックの凄さ。特に、案山子を演じたレイ・ボルジャーのちょっとした動き、タイミングの良さはまさに案山子を感じた。また、ブリキ男のコスチュームの質感の良さ、あの当時、どんな素材を使っていたのだろう。なお、ライオンは実際のライオンの毛を使っていたらしい。それに、序盤のオズの国の大人数の小さな人間たちはどのように撮影したのだろうか、ロングショットでは子供、アップでは小人と使い分けたのだろうか。とにかく、今ではありえない撮影だったのではないだろうか。今ではなんのことのない特撮、合成だって、時代を考えれば、相当な手間、経費をかけていることが想像されるし、音楽についても、相当な予算がかかっていると思う。今回、再見して、改めて、この作品の凄さを実感した。監督のヴィクター・フレミングは。1939年の同じ年にこの作品と「風と共に去りぬ」の映画史上に残る作品を2本、作っているなんて信じられない。