男と女(1966)

おとことおんな|Un Homme et Une Femme|A Man and a Woman

男と女(1966)

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レビューの数

115

平均評点

75.9(464人)

観たひと

641

観たいひと

57

(C)1966 Les Films 13

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / ドラマ
製作国 フランス
製作年 1966
公開年月日 1966/10/15
上映時間 103分
製作会社 フィルム13
配給 UA
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演アヌーク・エーメ Anne Gauthier
ジャン・ルイ・トランティニャン Jean Louis Duroc
ピエール・バルー Pierre Gauthier
ヴァレリー・ラグランジュ Valerie Duroc
シモーヌ・パリ The Head Mistress of the Boarding School
ヤーヌ・バリー The Mistress of Jean Louis Duroc

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「女を引き裂く」のクロード・ルルーシュが、製作・脚本(ピエール・ユイッテルヘーヴェンと共作)・監督・撮影を担当した恋愛篇。音楽はフランシス・レイ、劇中の歌は、ピエール・バルー(作詞も担当)とニコール・クロアジール。出演は「81/2」のアヌーク・エーメ、「マタ・ハリ(1965)」のジャン・ルイ・トランティニャン、ピエール・バルーほか。2016年10月15日より製作50周年を記念したデジタル・リマスター版を上映(配給:ドマ、ハピネット)。2025年9月5日より、特集企画「男と女 -クロニクルズ-」にてデジタルリマスター版を劇場上映する(配給:Diggin’)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

アンヌ(アヌーク・エーメ)はパリで独り暮し。夫をなくして、娘はドービルにある寄宿舎にあずけてある。年はそろそろ30歳。その日曜日も、いつも楽しみにしている娘の面会で、つい長居してしまい、パリ行きの汽車を逃してしまった。そんなアンヌに声をかけたのはジャン・ルイ(ジャン・ルイ・トランティニャン)彼も30歳前後で、息子を寄宿舎へ訪ねた帰りだった。彼の運転する車でパリへ向う途中、アンヌは夫のことばかり話しつづけた。その姿からは夫が死んでいるなどとは、とてもジャン・ルイには考えられなかった。一方、彼はスピード・レーサーで、その妻は彼が事故を起したとき、ショックから自殺への道を選んでいた。近づく世界選手権、ジャン・ルイは準備で忙しかったが、アンヌの面影を忘れられなかった。次の日曜も自分の車でドービルへ……。肌寒い日曜日の午後、アンヌ、ジャン・ルイ、子供たちの四人は明るい笑いに包まれていた。同時に、二人はお互いの間に芽生えた愛を隠し得なかった。血と汗と泥のレースを終えたとき、ジャン・ルイはアンヌからの電報を受けとった。それには、愛してます……と書いてあった。彼はすぐに車を駆ってパリへ、そしてドービルへ。二人は砂浜で身体をぶっつけ合い、その夜は安宿のベッドに裸身をうずめた。だが、愛が高まったとき、思いもかけずアンヌの脳裡に割りこんできたのは死んだ夫の幻影だった。二人はただ黙って帰り支度をした。アンヌは汽車で、ジャン・ルイは自動車でパリへ向った。しかしアンヌを忘られぬ彼は、彼女が乗換える駅へと車を飛ばし、ホームに彼女の姿を求めた。思いがけぬ驚きと喜びをひとつにして、アンヌはジャン・ルイの腕の中へ。凍てついた空気の中での口づけ。それは最後の口づけかも知れなかった。だが二人には、そんなことはどうでもよかった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

キネマ旬報増刊 大人のシネマ・ライフ 2016Summer→Autumn

映画の中で時間を旅する As Time Goes By:「男と女」―時間がたつとわかることもある

2010年5月下旬号

午前十時の映画祭:「男と女」「羊たちの沈黙」

1994年11月上旬号

グラビア:男と女

2025/09/16

2025/11/27

95点

映画館 


むせかえるような色気のアヌーク・エーメ。鏡越しに櫛で髪をとかすシーンだけでぞくっとする。すれ違いと邂逅。洒落た会話と色気。
何度も何度も繰り返し見ているけどやはり最高の大人の恋愛映画

リバイバルで4Kになって映像が見違えてよくなったのだが、それ以上に音楽が粒立ってパキパキに映えていたのが印象的。
思っていたより映像の遊びが面白い。散歩する犬で感情を表したり、アパートのカメラ視点の移動だけで不在を示したり。
まあとにかくいつ見ても最高です

2025/09/14

2025/09/23

85点

映画館/神奈川県/シネマジャック/ベティ 


ダバダバダ…

冒頭の、港町ドーヴィルの海岸に伸びているコテージの暗い風景にシビれる。ヨーロッパの風景だな〜、曇りがちな陰うつな、それでいてシックな魅力を湛えて自分とは遠い世界だな〜という郷愁にひたる。劇場で初めて観る。初見のころは会話の内容に興味が持てず、退屈に感じた。今回、じっくり観てその映像とストーリーの構成の巧みさに、改めて感心した。うまくできてるな〜。トリュフォーがルルーシュを認めないという点にも思い至る。悲しい場面に悲しみの詩を当てて、まるで日本の歌謡映画のようなベタな映像になっているところなどがそうなのか。個人的には、それも悪くないと思うけどね。でも、よく出来てるな。

2025/09/21

2025/09/21

76点

映画館/東京都/新宿武蔵野館 


不朽のインフルエンサー

大人のラブロマンスとはいえ、その実は子持ちのやもめ同士の恋愛劇。貧乏臭くならないのは、クロード・ルルーシュの洗練されたセンスとフランシス・レイの流麗な音楽によるところが大きい。さらに主演のジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメも気品に満ちた存在感で貢献している。インディーズの先駆け。映画のみならずドラマ・CM・MVなど、その後の映像作品に与えた影響は大と、あらためて再確認。

2025/03/27

2025/03/27

90点

選択しない 


流麗な映像と音楽で紡ぐ大人の愛のドラマ

クロード・ルルーシュ監督の映像センスが素晴らしく、流麗にして革新的。フラッシュバックやモノクロ映像の挿入、細かいショットの積み重ねなどにより、セリフ以上に映像で恋愛に至るドラマを紡いでいる。二人の暗い過去や仕事ぶりの見せ方も上手い。きちんとした大人の男女の恋愛ドラマなので観ていて気持ちも良い。A・エーメが前のご主人への愛からトランティニャンと上手く愛し合えなくず、気まづく別れた後、それでもやはり駅で再会して抱きしめ合う展開も凡百のメロドラマとは一味違う深味を感じさせる。フランシス・レイの甘美な音楽も素晴らしい。

2023/12/15

2023/12/15

95点

購入/DVD 
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美しい映画。クロード・ルルーシュの美しい映像を紡いでいくフランシス・レイの音楽。アヌーク・エーメの生き生きとした笑顔と戸惑いの表情。女の揺れる心情を計り知れずにいるジャン=ルイ・トランティニャンの表情。どれもが本物のような夢物語。見事!!!

2023/10/30

2023/11/24

100点

映画館/愛知県/名古屋 ミッドランドスクエアシネマ 
字幕


映画史上の大傑作

ネタバレ

「午前10時の映画祭」にて、30年ぶりの再見。

前回観た時も大変良いと思ったが、今回改めて観て、前回よりも感動した。

前回観た時には、シネスイッチ銀座で若干色褪せた昔のプリント。

今回はデジタルリマスターされて、公開当時の美しさで甦った映像での再見。

もうこの美しいショットの連続、そしてアヌーク・エーメの信じられないほどの美しさに驚愕した。

ストーリーは男と女のよくある陳腐なストーリーである。

それがクロード・ルルーシュの流麗な映像感覚で描かれることで、この陳腐なストーリーが普遍的な男と女の恋愛として提示され、さらには普遍的な人間の人生を描いた芸術にまで昇華されている。

セリフがなく、音楽だけでドキュメンタリー風に映像をつなぐ手法は、現代のプロモーションビデオやミュージックビデオを先取りしたかのような印象である。

私は昔これを観た時、これって新しい映画の文法を発明してないか?とさえ思った。

バラバラなエピソードの映像を断片的につないで一つの表現にしてしまう。

それをセリフなしで、ただ音楽を通してそのような映像をつないで見せ続ける斬新な話法。

この60年代の作品の演出・編集・映像は、90年代に観ても新鮮な印象であった。

だが、どの映画史の本を読んでも、本作については映画文法の革命とまでは書かれてない。

映画の文法、映像話法の観点で言えば、ゴダールの「勝手にしやがれ」やオーソン・ウェルズの「市民ケーン」などのような扱われ方はされていないのである(もちろんこの映画自体は評価は高いのだが)。

今回再見してその理由がわかった。

これはそれまであったカットバック、フラッシュバックの技法をルルーシュ流に表現し直したものであった。

新しい技法ではないが、もともとある技法を洗練されたスタイルで見せたということだ。

しかしルルーシュが見せたこの映像感覚は、後の映画、いやCMやプロモーションビデオやミュージックビデオも含めた映像全般に、大きな影響を与えたであろうと思う。

この映画の触感というか質感みたいなものは、これ以前の映画にはあまり感じられなかったものである。

陳腐でよくある男と女の物語が、もうまるで記憶の走馬灯のように描かれる。

男と女が出会う。そして少しずつ惹かれあう。

徐々に炎に火がつく。その火は燃え上がるような熱情にまで高まる。

そうして2人は身体を交わす。だがその直後から炎のような熱情が嘘のように引いていく。

虚しさから自分にも相手にも嫌な思いが残る。しかしやはり相手への想いは断ち切れない。

そして2人は再びホームで抱き合う。

この男女の姿がセリフなしの映像で、あのフランシス・レイの甘美な音楽で提示される。

もう本当に恋する男と女の姿がそこにある。

この映像は、もはやかつての自分の恋愛の追体験かのようであった。

男と女の恋愛を、これほどまでに美しい甘美な映像で描いたクロード・ルルーシュはかなりすごい。

ルルーシュは通俗作家のような扱いを受けたりもしているが、少なくとも本作で見せたこの演出は大変素晴らしい。

これは紛れもなく映画史上に残る大傑作だと思う。