大いなる西部

おおいなるせいぶ|The Big Country|The Big Country

大いなる西部

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レビューの数

57

平均評点

77.2(258人)

観たひと

364

観たいひと

29

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 西部劇
製作国 アメリカ
製作年 1958
公開年月日 1958/12/25
上映時間 165分
製作会社 アンソニー・ワールド・ワイド・プロ映画
配給 松竹=ユナイテッド・アーチスツ
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「友情ある説得」のウィリアム・ワイラー監督が、「西部の男」以来18年ぶりで監督した西部劇。サタディ・アヴニング・ポストに連載されたドナルド・ハミルトンの原作をジェームズ・R・ウェッブとサイ・バーレット、ロバート・ワイルダーの3人が共同で脚本化。撮影監督は「誇りと情熱」のフランツ・プラナー。カリフォルニア州ストクトン附近のドレイス牧場一帯と、モジャヴ砂漠がロケ地に選ばれ、広大な野外シーンが常に心してとり入れられている。音楽はジェローム・モロス。タイトル・デザインを「八十日間世界一周」「めまい」のソール・バスが受けもっている。出演者はワイラーと共にプロデュースもしている「無頼の群」のグレゴリー・ペックに、「ベビイドール」のキャロル・ベイカー、「黒い罠」のチャールトン・ヘストン、「野郎どもと女たち」のジーン・シモンズ、「楡の木陰の欲望」のバール・アイヴス、「軍法会議(1956)」のチャールズ・ビックフォード、チャック・コナーズ、メキシコ俳優アルフォンソ・ベザヤ等。製作ウィリアム・ワイラーとグレゴリー・ペック。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1870年代のテキサス州サンラファエルに、東部から1人の紳士ジェームズ・マッケイ(グレゴリー・ペック)が、有力者テリル少佐の1人娘パット(キャロル・ベイカー)と結婚するためにやってきた。出迎えた牧童頭のスチーヴ・リーチ(チャールトン・ヘストン)は彼に何となく敵意を示した。スチーヴは主人の娘を恋していたのだ。途中まで許婚者を迎えたパットは、スチーヴを先に帰してジェームズと父の牧場に向かったが、途中で酒に酔ったハナシー家の息子パックたちに、悪戯をうけた。しかしジェームズは彼らを相手にしなかった。パットの父テリル少佐は大地主ルファス・ハナシーとこの地の勢力を二分し、争っていた。2人が共に目をつけている水源のある土地ビッグ・マディを、町の学校教師でパットの親友ジュリー・マラゴン(ジーン・シモンズ)が所有していた。彼女は一方が水源を独占すれば必ず争いが起こるところから、どちらにも土地を売ろうとしなかった。少佐は娘の婿にされた乱暴に対して、ハナシーの集落を襲い、息子たちにリンチを加えて復讐した。そんな少佐の態度にジェームズは相いれないものを感じた。彼は争いの元になっている土地ビッグ・マディを見て、女主人ジュリーに会い、中立の立場で誰にでも水を与え、自分でこの地に牧場を経営したいと申し出て彼女と売約契約をかわした。一方血気にはやるパットと父の大佐には、慎重なジェームズの態度が不満だった。水源地ビッグ・マディを手に入れて大佐に対抗するため、ハナシーはジュリーを監禁する挙に出た。ジェームズはメキシコ人牧童の案内で単身本拠にのりこみ、水源は自由にすると明言してジュリーを助け出そうとした。ハナシーの息子バックは、ジュリーに対する横恋慕からジェームズと決闘したが、卑怯な振舞いから父に射殺された。少佐とスチーヴの一隊がのりこんできて乱戦が始まった。そして、1対1で対決した大佐とハナシーは、相撃ちで共に死んだ。憎悪による対立と暴力の時代は終わった。今はジュリーの腕をとって、ジェームズは新しい我が家ビッグ・マディに、新生活を始めるため馬首を進めた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2011年8月上旬号

第二回 午前十時の映画祭:「シェーン」「大いなる西部」

1962年7月号増刊 西部劇シナリオ決定版 2

シナリオ掲載西部劇名場面集:大いなる西部

傑作ウェスタン・シナリオ:大いなる西部

1959年3月上旬号

外国映画批評:大いなる西部

1959年2月上旬特別号

旬報賞にかがやく人々:ワイラーと「大いなる西部のスタッフ」

1959年新年特別号

新作グラビア:大いなる西部

ウィリアム・ワイラーと「大いなる西部」:青い魚

1958年12月下旬号

外国映画紹介:大いなる西部

2024/11/17

2024/11/17

-点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


這え、犬のように

最初に出てくる決闘用の拳銃の伏線がどこに向かうかが1番の見どころかな。
この映画2時間45分もあるのに、ラストのオチのお父さん達は無謀じゃないですか?
昔の映画は単純でエンドマークが出たらなんだか納得したらしい、世界は複雑になった。

2024/08/16

2024/08/16

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


格調高い作品ではあるが

主人公が完全無欠すぎ。敵側のお父さんが男気あふれたりしていて。ツッコミどころはあるが、長時間観てもダレない作品ではる。

2024/07/28

2024/07/28

85点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


また観た

広大な背景の中で人間が小さく見える。人間の営み、怒りや憎悪を笑うかのような画のインパクトが強い。静かなラストシーンが余韻を残す。

2024/04/07

2024/04/07

78点

選択しない 


素晴らしいドラマなのだけど

東部から来たグレゴリー・ペック扮する人格者の男が西部で変革をもたらす名作ドラマ。
 ただ、雄大な風景描写と音楽で大いなる西部を描いてはいるが、登場する西部の人々がチャック・コナーズをはじめ意地の悪い人間ばかりでペックに対する悪意や偏見が酷く、観ていて楽しくない。全然、大らかさがないのだ。しかもチャック・コナーズは最後まで改心せず父親のバール・アイブスに撃ち殺されるのも暗く重い。それなりに殴り合いがあったり西部劇的娯楽要素もあるが全体的にスカッとした気分になれない。その様な訳で理性で良作だと評価するが、好きな作品ではない。

2022/07/18

2022/07/18

82点

選択しない 
字幕


西部劇の代表に見えて実は

『大いなる西部』The Big Country 1958

客「どうです?東部に比べたらここは広大な土地(Big country)でしょう?」
ジム・マッケイ「それほどでもありませんね。海に比べれば」

グレゴリー・ペック演ずる元船長ジム・マッケイは東部で知り合った大農場主の娘パット・テリルと結婚する為彼女の実家テキサス州サンラファエルのテリル少佐の牧場に来た。

地元の人々は「ビッグカントリー」だと思っているがジムから見ると海に比べたら「狭い土地」。ジムはアウトサイダーなのだ。
・東部人
・船乗り
・紳士
・変な帽子

イキってすぐ暴力を振るう西部男から見ると挑発されても言い返さないし殴り返しもしない男は軟弱者だ。なんと婚約者のパットすらジムを軟弱者扱いする。

牧童頭スティーブ・リーチ(チャールトン・ヘストン)は気性の荒い馬サンダーを乗りこなしてみろとジムを挑発するがジムは周囲の異様な気配を感じて「またにしよう」とかわす。

しかしテリル大佐やスティーブが出払った間に何度もトライしてとうとう荒馬サンダーを乗りこなす。しかしジムは立ち会った使用人には口止めする。

このグレゴリー・ペックの演ずるジム・マッケイのキャラクターは「西部の男」という言葉から思いつく特徴とは異なっている。
・メンツを潰されても平気
・人が見ていない所で努力する
・カッとして暴力を振るわない

物語を簡単に要約すると水源(ビッグマディ川)を巡るテリル家とヘネシー家の争いだ。

ビッグマディが流れる土地は祖父から受け継いだ教師ジュリー(ジーン・シモンズ)が所有してテリル家にもヘネシー家にも自由に水を使わせている。

テリル少佐とルーファス・ヘネシーは30年来憎み合っている。理由は不明だ。

ここに現れたアウトサイダー・ジムは争いを止めようと水源をジュリーから買い取って登記を済ませる。ジュリーの祖父の農場を復活させテリル家にもヘネシー家にも水を自由に使わせて争いをやめさせようとするのだが、、、

物語中盤、ジムは誰にも言わずに一人、馬で出かける。知らない土地に一人で出かけて迷子になっているはずと婚約者のパットは半狂乱になりテリル家総出で探索に出るが地図とコンパスを持っていたジムは無事に帰ってくる。迷子にはなっていないと言うジムの言葉をパットは信じない。次第にジムとパットの愛が冷めていく。

この「ビッグカントリー」の人達は「地図とコンパス」という科学や法律を重視しない。暴力で決着をつけようとする。だからジムから見るとこの土地は「小さな野蛮な田舎」だ。

「小さな野蛮な田舎」で法や科学を知る主人公が差別と戦う「アラバマ物語」を思い出した。「アラバマ物語」は「大いなる西部」の4年後の作品だった。グレゴリー・ペックが「アラバマ物語」に起用されたのは「大いなる西部」の主人公と「アラバマ物語」の主人公に共通するところがあるからかもしれない。

ワイドスクリーンに広がる西部の風景の中で豆粒のような人々が殴り合ったり殺し合ったりする様子をロングショットで捉える。ウィリアム・ワイラー監督は大いなる西部で小さな争いを繰り広げる人間の愚かさを冷静に描いている。西部劇の名作のように思われているけど実は暴力で決着をつけるマチズモは否定されている。

IMDBによるとペックとワイラー監督は東西冷戦のアレゴリーを意図して作品を製作したらしい。彼らはアメリカはソ連や中国ともっと話し合うべきだと考えていた。

だから一見敵役に見えるヘネシー家の親父さんが実は公正な人だったり元軍人のテリル少佐がただの戦争好きだったりなんだな。

2021/11/06

2021/11/06

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


東部から来た男

牧場の娘と結婚するため東部から来た男マッケイ(グレゴリー・ペック)が、水場の土地争いに巻き込まれて、それを解決する物語。
西部劇なのに主人公がガンを携帯していないという設定。マッケイはことさら自分の勇を誇示したりする男では無い。荒馬を乗りこなしてもそれを吹聴したり、牧童頭のリーチ(チャールトン・ヘストン)と後に1対1で対決するときはお互いが精神的に傷つかないように人目に付かないところで行いなど配慮する。
ラストの牧場主の息子との決闘や、牧場主同士のライフルによる決闘などは西部劇としては珍しい。牧場主のハナシー(バール・アイヴス)は悪役のように見えて、テリル少佐のように腹黒くない信義を重んじるかっこいい親父だった。
2時間45分が長いと思わないストーリー展開ですごく楽しめる。