ペレ

ぺれ|Pelle Erobreren|----

ペレ

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レビューの数

12

平均評点

76.6(52人)

観たひと

106

観たいひと

15

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 デンマーク スウェーデン
製作年 1987
公開年月日 1989/6/24
上映時間 150分
製作会社 ホルスト・フィルム・プロ=スヴェンスク・フィルム=デンマーク・ラディオ=SID
配給 フランス映画社
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

19世紀のデンマークの小島を舞台に、スウェーデンからの移民親子の可酷な体験と少年の成長を描く。製作はペア・ホルスト、マーティン・アナセン・ネクセの原作『勝利者ペレ』の〈幼年時代〉を基に、監督・脚本は本作品が日本公開第一作になるビレ・アウグスト、撮影は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のヨルゲン・ペルソン、音楽はステファン・ニルソンが担当。出演はマックス・フォン・シドー、ペレ・ヴェネゴーほか。88年カンヌ映画祭グランプリ、89年アカデミー賞外国語映画賞受賞作。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

今から100年ほど前、スウェーデンからの移民の人々をのせた船が、デンマークのボーンホルム島に到着した。その中のラッセ(マックス・フォン・シドー)とペレ(ペレ・ヴェネゴー)のカールソン父子は、仕事を求めるものの老人と子供ということで次々と断わられ、最後にやって来た〈石の農園〉の管理人(エリック・ポスゲ)にようやく拾われ、農園の牛小屋で暮らすことになった。移民の子ということでペレにとってはつらい日々が続くが、朴訥なラッセは怒りにかられるだけで何もしてやれない。そんなペレをかばってやるのは、いつかアメリカに行くことを夢みている同じ使用人のエリック(ビヨルン・グラナト)であった。新学期が始まりペレは学校に入学することになるが、彼はここでも仲間たちからいじめられる。しかし農園では主人で女好きのコングストルップ氏(アクセル・ストロビュー)の夫人(アストリッド・ヴィラウメ)に可愛がられ、農婦たちの人気者でもある。氏の私生児らしいルズ(トロエルス・アスムッセン)という友達もできた。が、そのルズは期末試験の日に島を去り、船主の息子ニルス(トゥーレ・リンハーツ)との間の嬰児を殺したアンナ(クリスティーナ・トーンクヴィスト)は警察に逮捕される。絶望したニルスも、難破船を救いに嵐の海に出て死んだ。また管理人から無理難題を命じられたエリックは、怒りから彼に襲いかかるが、その最中止め具の外れた井戸の重石が頭を直撃し、廃人となってしまう。ある嵐の日に、ペレがオルセン夫人(カーン・ヴェゲナー)の家に厄介になったことから、ラッセは夫人と親しくなり、夫が一年前に漁に出たきり帰ってこない、という彼女との結婚を決意する。その頃農園ではコングストルップ夫人が、彼女の姪のシーネ嬢(ソフィー・グロベル)が夫によって乱暴されたことを知り、ハサミで氏の性器を去勢するという事件が起きていた。新しい母ができることにペレは喜んでいたが、そんな折オルセン氏が島に戻ってきて、彼は友達から“オルセン夫人のヒナドリ”とからかわれ、学校に行かなくなる。ペレは春が来たらここを出て世界を征服しよう、とエリックに話しかける。そんな時ペレは、コングストルップ夫人から新しい管理人助手を命じられるが、制服の仮縫いの日エリックが農園から連れ去られる光景を目撃し、彼もここを出発しようと決意する。老いた父を牛小屋に残し、ペレはひとり雪原を歩き出すのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1989年8月上旬号

外国映画紹介:ペレ

1989年7月上旬号

外国映画批評:ペレ

1989年6月下旬号

グラビア:ペレ

特集 ペレ:評論

1989年

2025/03/22

99点

映画館/東京都 


生涯の名作

公開当時有楽町のシャンテで観た記憶あり。15歳だった当時と30代に結婚してから観たときでは大きく感想は違ったが、どちらもすごく感動した点は同じ。スウェーデンからデンマークに移民としてやってきた老父とペレ少年の関係性、雇われた地主宅での生活、そこでの人間関係と何もかもが印象的。最後はペレ少年の幸運を祈る。

2024/05/16

2024/05/17

80点

選択しない 


ペレならできる

フィンランドから移住してきたものの貧しい環境でこき使われる親子の姿が痛ましいのですが、その中で差し伸べられる優しさに少し癒されます。不幸の連鎖のように重なっていくものの、夢を持って前向きに考える少年ペレの姿が感動的でした。きっと彼ならやり遂げるという思いでエンドロールの冬の海を見ていました。

2021/02/13

2021/02/13

80点

レンタル/東京都/TSUTAYA 
字幕


ペレの瞳

ネタバレ

<ネタバレあり>

ビレ・アウグスト監督の映画は「リスボンに誘われて」がすごく良かったんだけど、その25年前に作られていたのがこの映画。これも好きだな。外国の農園の生活って地に足がついてる気がしてずっと見ていたい、というのもあるけど、ペレの諦めない瞳がいい。ろくでもない毎日から駆け出す彼の小さくなっていく姿を見ていると自分も連れて行かれるような気になります。サーカスに入るといって村を出て、本当にサーカスと一緒に帰ってきた子もいたしね。

なんか、「サイダーハウス・ルール」思い出しますね。昔の村には、どこにもこんな小さな独裁者がいて、小規模だけど誰かの心を砕くトラブルがあって、誰かが死んだんだろうな。

アウグスト監督は「ロマンに誘われて旅に出る」ほうの人(を描こうとする監督)なんだな。気が合います(?)。

ペレはアメリカに渡って、賢さと意志の強さでひとかどの大人になって、父を呼び寄せて日曜の朝にはベッドにコーヒーを運んであげた、んじゃないかな。そう思いたいな。

1990年代

2019/04/24

80点

レンタル 
字幕


深い余情

その昔に一度観たきりなんで細かなことはあまり覚えていない。ただ、良かったな、という観賞後の満足感とともに、朴訥とした存在感を漂わすM・V・シドー、P・ヴェネゴーの役にはまった好演や、北欧の美しくも厳しい自然をリリカルに捉えた風景描写、そして、雪原をひとりゆくペレをロングショットで捉えた終幕の深い余情が今も記憶に残っている。出来れば映画館で再鑑賞したい作品のひとつ。

2018/06/16

2018/06/17

75点

その他/飛行機 


まずまず

改めてペレの凄さがわかる

2017/10/04

2017/10/04

60点

レンタル 


老いた父と幼い息子

移民としてやってきたデンマークで、過酷な労働に臨む父子。年老いた父と幼い息子の歳の差が、さらに悲惨さを際立たせる。逆境に対して、怒りはするも抵抗する力が残っていない父親と、虐げる者と闘い、何かと抵抗しようとする息子。未来に希望を持てるかどうかで、二人の間に徐々に溝が生まれていく。主一家の旧家らしい、どろどろした人間関係もみごたえがあった。