1995年のアメリカ(ニューライン)映画。2024年に監督自ら監修し4K修復されたもの。TOHO仙台では2K上映。定年退職を7日後に控えたベテラン刑事サマセットは赴任してきた新人刑事ミルズとともに超肥満男性の殺人現場検証をする。奥の深い事件であることを感じたサマセットは部長に担当を外すよう願うが聞き入れられなかった。ミルズは弁護士の殺人事件を担当となる。現場の床にGREED(強欲)の血文字が残されていた。サマセットは鑑識から不可解な胃の内容物を見せられ再び現場に赴き、冷蔵庫の裏にGLUTTONY(暴食)の文字とミルトンの「失楽園」の一節が書かれたメモを見つける。七つの大罪をなぞった連続殺人事件だと推測しあと五つの殺人が行われることを予想するも、現場にはそれ以外の手がかりは見つからなかった。しかし弁護士の妻に現場写真を見てもらったとき、壁にかかっていた現代アートの絵画がさかさまであることを指摘され、その絵画の裏に指で書かれたHELPの文字を発見する。その指紋から殺された弁護士が弁護したことのある異常者ビクターが割り出され、彼の部屋をSWATが急襲すると、ベッドのくくりつけられた瀕死のビクターを発見する。救急車で病院へ搬送したが、生き延びてもまともな生活はできない状態だった。そして壁にはSLOTH(怠惰)の文字が。サマセットは知り合いのFBIに頼み七つの大罪に関する本の貸し出し記録を手に入れジョン・ドゥにあたりをつけその住居に向かう。そこで外出から帰って来たジョン・ドゥと遭遇し、ジョンは拳銃を発砲し逃走。ジョンの部屋を捜査しているとジョンからの電話がありサマセットとミルズを賞賛し予定を変更すると伝えてきた。早々に娼婦が殺されそこにはLUST(色欲)の文字が。さらに顔を傷つけられた美人モデルの遺体が発見されPRIDE(傲慢)の文字が残されていた。あと二つというところで血まみれのジョンが警察に現れる。残る二人の遺体の場所へサマセットとミルズにだけ案内すると持ち掛けそれが叶うならすべての罪を認めると言う。二人は自身に盗聴器をつけ、ヘリコプターによる追跡もさせ、ジョンを乗せて車を走らせる。高圧電流の流れる送電所で降りた三人に向かってくる車を確認。サマセットがそれを止めるとミルズ宛の小包の配送だった。ヘリは爆弾処理班を要請したがサマセットが意を決して開封すると中にはミルズの妻トレーシーの頭が入っていた。サマセットはミルズに銃を降ろすよう説得するが何のことかわからす困惑するミルズにジョンは幸福なトレーシーに嫉妬して殺したといい、妊娠しているからと命乞いをしたなどと話すのだった。罠だとサマセットは説得したがミルズはジョンを射殺するのだった。ジョンはENVY(嫉妬)、ミルズはWRATH(憤怒)で七つの大罪が完成した。呆然自室のまま護送車に載せられたミルズにサマセットはヘミングウェイの一節「この世は素晴らしい、戦う価値がある」を思い出し後半は正しいと呟くのだった。
ダンテだのミルトンだの文学に精通してないとその本筋を理解できない捜査を要求するジョン・ドゥとはどれほど知識があるんだ。自宅で写真の現像もしていたし、ビクターの殺人行為は一年以上かけていたし、革製の殺人器具を作らせていたし、各方面に詳しく頭も切れるし、逃げ足も速い。自分がルシファーだと言うあたりは完全にサイコパスなんだけど、それらの知識を得るほどに高等教育も受けただろう彼の背景がもっと知りたかった。何故な七つの大罪にこだわったんだ。前半は暗くじめじめした感じが続き、終盤は砂漠のような明るく乾いた映像で締めるなんて素晴らしい。引退間近の老練な刑事と新人刑事の対比も楽しかったけど、やっぱ先輩の意見はちゃんと聞こうよ。しかしジョン・ドゥがどう殺したのかは一切描写せず、実際の殺しのシーンがジョン・ドゥをミルズが射殺するシーンだけというのも意味深だった。巻き込まれたトレーシーがとても可哀そうだった。モーガン・フリーマンやブラッド・ピットとともにケヴィン・スペイシーのサイコパス演技が目につきました。30年たっても色あせない映画で、IMAXで観た甲斐がありました。