女性映画の小品

　面白いテーマを見つけたもんだ。レンタル家族とかレンタル友人なんか聞いたことはある。例えば結婚式で相手側の人数にあわせるためにレンタル友人使うとか、あるイベントに対して一時的に必要となると思うのだが、レンタル恋人となると、一時的に恋人みたいにデートするとかなのか。この映画ではレンタル男友達として、月間契約してどうなってくのか。
　微妙な女性の心理を上手く描けている。監督は女性だろうな、と思っていたが、穐山茉由と言う監督、この映画がデビュー作とのことだ。デビュー作でこのくらいの作品を撮れれば御の字だ。
　レンタル恋人なのか映画のタイトル通りレンタル男友達なのか。映画が進行していくにつれ、レンタル友だちから徐々に恋をしていくような心理を描いている。この微妙な心の揺れを絶妙に描いていてる。ルームシェアメイトの女友達がその男と音楽を一緒にし始めると嫉妬の感情が湧いてくる。これは恋しているのかな。でも、レンタル男友達だし。
　女性の心理は上手く描けているのだが、レンタルされる側の男の描き方があまり上手くない。ただいい人に描かれていて、男の心理が描かれていないのが残念だ。
　ラストはああいう終わり方をするのか。うん、おじさんの私としては、違う展開があってもいいかと思うのだが、穐山監督はこのエンドを選んだのね。
　製作費が潤沢ではなかったのであろう、それほど名の売れた役者が出ているわけではないのに、ここまでの質の映画を作ったのは、力がある証であろう。女性映画ばかりでなく、男もきちんと描いた映画を作ってください。