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鑑賞日 2025/04/03  登録日 2025/04/08  評点 72点 

鑑賞方法 VOD/U-NEXT 
3D/字幕 -/字幕
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マイノリティーは常に差別される

 これがベルギー映画なんだよね。ベルギーったらヨーロッパの中でも最も進んだ国の一つだと認識しているんだけど、それでも当事者はつらいよね。
映画の最初、可愛い女の子が出ているなあ、と思った。タイトルが「Girl/ガール」だから思春期の少女を主人公にして心の揺れを描いているのかと思った。そして、彼女が上着を脱ぐと胸が真っ平らじゃない?男の子か。それからはこの映画を観ていて切なくなってくる。
 主人公の女の子?は生まれた時は男の名前を持っていたが、今はララと呼ばれている。ダクシー運転手の父と弟と暮らしている。女性になるための治療を受けているが、ゆっくりなのでなかなか女性らしくならない。男性器もつけたまま。周りの大人達は父親も含めて理解がある。この辺は進んでいるなあ、と感じる。もし日本だったらなかなか理解を得られないだろう。
 ララはバレー学校に通っているが、そこのクラスメイトからあるいじめを受ける。子どもって残酷なんだよなあ。特に相手を傷つける事に快感を覚える様な女は山の様にいるから。そしてマウントを取ってくる女(偏見?)。どこの世界でも弱い物がいじめられる。ララは、ただでさえマイノリティを自覚しているので、傷ついてしまう。この辺の微妙な機微をきちんと描いている。
 そしてラストはちょっと悲しいかな。
 こんなテーマをよく取り上げて映画にしてくれた。映画を観ている間中、なにかハラハラしている。曲芸のロープ渡りを観ている様な危なっかしい感覚になる。そして最後は、自らロープから落ちてしまった。でも、周りの大人達は助けてくれたよ。
 きちんと考えさせてくれる映画だった。