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ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団×リッカルド・ムーティ「第九」200周年記念公演 in cinema
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現在のCDをはじめとする、ディスク類(DVDやBlu-ray)の直径は、「第九」の演奏時間が決定していると聞いたことがある。 どういうことかといえば、本来はもう少し小さめの設計であったのだが、それでは「第九」の演奏時間に入りきらないことを知った、ヘルベルト・フォン・カラヤンが、ディスクの直径を大きくするようにメーカーにかけあったからだそうだ。 しかし、この映画の「第九」の演奏時間は、カラヤンの想定時間を超える、約80分(映画自体は83分)。 CDの技術が進歩している現在ならば、収録は可能な時間であるのだろうが、CDの発売がはじまった40年前には収録不可能な長さであったに違いない。 そもそも、カラヤンの演奏では70分台の前半で終わってしまうのだから、その演奏時間の長さは、推して知るべしだ。 では、なぜ、このような差が出てしまったのか。 それは、この映画の指揮者、リッカルド・ムーティの曲の解釈そのものであるに違いない。 そもそも、最近のクラシック音楽の演奏は、ベートーヴェンしかり、ブラームスしかり、はては、チャイコフスキーにいたるまで、あまりにも早すぎるというのが私の印象である。 ハイドンの交響曲第94番「驚愕」が初演されたときには、ティンパニのひとたたきで、徴収の女性が失神したという話が伝わっているほど、聴衆は繊細な意識を持って、コンサートに臨んでいたのであろう。 もちろん、それは、音の強弱だけではなく、その速さについてもいえることである。 現在の演奏は、あまりにも、速すぎるのである。 それを、真っ向から否定したのが、この映画におけるムーティの解釈である。 とにかく、出だしからスローだ。 また、昨今の演奏ではとばされがちな繰り返しの部分も、きちんと演奏している。 これは、ムーティが、その名のとおり、「200周年記念」ということにこだわったからであるだろう。 私は、自分で「第九」を歌ったこともあるほど、「第九」に惚れ込んでいる。 その最たる部分が、やはり、第4楽章である。 あの曲を歌っていると、自分がまるで、宇宙の真ん中に放り出されたような恍惚感に浸ってしまうのである。 それは、意外かも知れないが、誰もが知っている有名な「歓喜の合唱」の部分ではない。 どの部分が、それほど、私の心を打ちのめすのか、ぜひ、「第九」を聴き込んでいただきたいと思うが、忙しい昨今であるから、そんな時間はないだろうし、本映画も再び上映されるのかどうか、わからない。 カラヤンのような、爽やかな風が吹き抜ける演奏ではなく、ベートーヴェンが望んだだろう、魂を揺さぶる、泥臭い演奏を耳にしてこそ、本当の「第九通」になれるはずだ。 1週間の限定上映であったことが恨めしい。 Blu-rayの発売を、心から望む作品である。
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