与力の不幸。

河野寿一監督作で、大友柳太朗＝むっつり右門のシリーズ最終作。また戦前に始まる嵐寛寿郎主演の右門捕物帖シリーズを含めても、本作が最後の右門映画作品。

あば敬こと村上敬四郎が徒党を組んだ一団にある男を牢から出すよう脅され、同様な内容の脅迫を右門も受ける。村上と右門は警戒を強めるが、その男・友吉は何者かの協力もあってか牢を破り、姿を消し…

犯罪者の情婦となる二人の女性、おりんとお仙が共に哀れな末路を遂げるのだが、命懸けで犯罪者たちと渡り合いながら報われることの少ない与力の不幸も描かれる。他人のために仕事をする満足を語る右門の言葉に作品の本質がある。

ゲスト出演の千秋実、木村功といった“七人の侍”がそれぞれ重要な役割を演じている。

(※BD-R 録画　CATV 東映チャンネル)