神から遠く。

kino cinéma心斎橋にて鑑賞。

急死したローマ教皇に代わる新教皇を選ぶ教皇選挙を描くミステリーの映画化作品。自身の信仰について悩みを抱えながら教皇選挙を執り仕切ることを任された主人公ローレンスが、リベラル派の仲間と歩調を合わせながらも、疑わしい行動をしている有力候補者を調べる様は、珍しい枢機卿探偵とでもいうべきもの。街では不穏な空気が流れ、リベラルへの時流を逆行させるかの保守派が投票数を集めそうにもなる。

陰謀渦巻く中で、施設の責任者であるシスターや、アフガンなどの危険な地域での活動を厭わなかったが存在自体知られていなかった枢機卿といった、地に足のついた人が声を上げるときに感動がある。

選挙結果は予想外のものだが、その先にもう一度思ってもいない展開が。最後の最後まで目が離せない充実ぶり。権力が欲しくない人ほど選ばれて欲しいが、現実はなかなかそういかない。