砂に引き込まれる

　　男（岡田英次）が昆虫採集のために砂丘に行くが、そこで、砂の女（岸田今日子）に捕まってしまい、そこで暮らさざるを得ないが…、という話。

　　何とも凄い話だった。男が、砂の女のいる穴の底に降りて行くのは、あたかも心の底の深い所に降りていくよう。また、そこから、何度も逃げようとするが、段々砂に取り込まれていく。最後に、そこから逃げることをやめるのが、心の底に降りていって、そこから出られなくなってしまうようだった。

　　原作（未読）には、詳しいようだが、男が、現実が逃げたがってるから、最後は砂から逃げられるのに、帰ろうとしなくなったのだろう。

　　また、若い頃の岸田今日子の女が引き込まれるような存在だし、砂がいかにもこちらを引き込むようなものだった。

　　男が、砂に取り込まれるのが、なんだが分かりにくくて、再見だけれども、終盤は忘れていた。でも、何とも引き込まれる話だった。