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エミリア・ペレス
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過去に麻薬戦争を扱った映画は多い。銃撃戦があったり、残忍な抗争の描写がつきもので、観る方も覚悟 がいる。映画カメラはj情報量が多く、嫌でもリアリズムを強調する。しかし麻薬戦争の中でも、人々は生きる、 そして愛を語る。麻薬戦争から人間ドラマを抽出し、精神を純化するために、本作は、音楽とダンスの力を 借りてミュージカルシーンを多く加えたようだ。 麻薬戦争にはラテン系のねっとりした情念がからみ、出口なしの死闘が繰り広げられる。麻薬カルテルの ボスのマニタスは、メキシコシティの弁護士リタを呼び出す。復讐に次ぐ復讐、さすがのマニタスも戦争から 離脱を決心をしていた。性転換して女性として残りの人生を生きる。すでにホルモン治療は行っていたが、 肝心の外科手術には名医だ必要。弁護士の肩書きは、そんは医療関係にアクセスしやすい。 リタはタイをはじめ世界の医療機関を回り、イスラエルの医師に白羽の矢を立てる。マニタスの妻ジェシと 二人の子供はスイスに移住。性転換手術は成功、マニタスは他人の遺体で自分の死を演出、エミリア・ ペレスという女性名をつけ、後半生の一歩を踏み出す。 4年後、エミリアはマニタスの従妹と称し、ジェシと子供二人と会い、保護を申し出る。ついにエミリアはマニ タスの位置に戻るが、ジェシは少しも疑わない。女性となったエミリアは麻薬ビジネスから解放されると、 贖罪の意識も目覚めた。リタとともに非営利団体を作り、麻薬カルテルのために行方不明者となった人たち の再調査を始めるのだった。いまだに裏社会に強い影響力の残すエミリアは、確度の高い情報を集める。 非営利団体の活動は軌道に乗る。 未亡人のジェシは新しい愛人に夢中、結婚を予定し子供を連れて家を出ると言う。エミリアは激怒、クレジット カードを停止させ、兵糧攻め。ついにジェシ一派とエミリア親衛隊が激突する…。 麻薬戦争とミュージカルという水と油を掛け合わせた野心的な試みは成功したと思う。エミリア・ペレズの 愛情は、あっちの世界もこっちの世界もたっぷりと上手く表現した。終始、リタ弁護士視点で描ききったのが、 映画として安定した。銃撃戦は最後の最後ということで最小限の扱い。妥当なところ。 メキシコの麻薬戦争を描いたが、フランス映画であるこのには変わりがない。メキシコ人の観客には、やり たい放題じゃないか、と批判的になるかもしれない。私にとっては新しい世界に感慨ひとしおだった。
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