ワニ園の国歌、♪クロコダイルロック。

原作は１９６２年に発表されたバーナード・ウェーバーの児童文学「ワニのライルがやってきた」と続編の
「ワニのライル、動物園をにげだす」（Wiki）。可愛いイラストが挿入されているのだろうか。ワニは大きな
口とシッポが特徴で、デフォルメしにくいはずだが、ライルは上手く表現されている。実写映画の中にアニ
メーション画像が合成されるシステムで、なおかつミュージカルの楽しさも加えられた。

ハビエル・バルデムが売れないマジシャンのヴァレンティを演じている。お調子ものの芝居は笑わせる。
そんな彼が歌を歌うワニの赤ちゃんを手に入れて、野心を膨らませる。剥げたクロコダイルというラベルから
ライルと名づける。ワニが歌えば集客になる。劇場の支配人も期待したが、満席の客を前にライルは緊張し、
一声さえ上げることが出来なかった。ライルは屋根裏部屋に閉じ込められたまま、１８ヶ月が過ぎる。
空いた部屋に入ってきたのが、プリム一家。ジョッシュ少年は屋根裏部屋で、成長したライルを発見する。
ジョッシュとライルはすぐに打ち解け、ライルのエサを求めて夜のレストランの残飯をあさるようになる。
ママやパパもライルの存在を知り、プリム家一同で見守るようになる。親しい人たちの前では、ライルの緊張
は解け、きれいな声で歌う。そこに１８ヶ月の巡業の終わったヴァレンティが帰ってきて、奇妙な共同生活と
なる。ヴァレンティは再びライルをステージに引っ張り出すが、やはり歌えない。
しかし階下の住人グランプスはライルの騒音が我慢できない。愛猫のロレッタはそっちのけでペット追い
出しの住民集会を開く。ライルは鳥獣管理局の手で捕獲され、ＮＹ動物園のワニ園に入れられる。
ジョッシュは普通のワニとは違うことを証明するために、テレビのオーディション番組に出場させる。
ジョッシュのガールフレンドとともに歌唱してライルは一躍人気者に。
アパートの創設者の書類が見つかり、ＮＹ動物園の創立にも関わった人物だけに、すべての種類のペットの
同居と認める内容だった。シャイなライルは芸人としてステージには立たず、プリム家の一員として楽しい
時を過ごすことになった…。

ハートウォーミングな映画で満足度は高いが、最後までワニの口からきれいな歌声が聞こえるのが、奇妙な
感じでなじめなかった。