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鑑賞日 2025/04/10  登録日 2025/04/10  評点 63点 

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3D/字幕 -/字幕
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ドイツ占領下のオランダを舞台のスパイもの

2025年4月10日に鑑賞。DVDにて。1時間48分16秒。スタンダード・イーストマンカラー。MGM映画。一部、ドイツ語。

期待して観たのだが、物語に無理がある。

1943年英国情報部→オランダのデルフト→アンヘルム郊外の製材所。オランダの運河沿いのロケ地は良い。

ドイツ情報部のディートリヒ大佐(O・E・ハッセ)が、逮捕したピーター・デヴェンター大佐(クラーク・ゲイブル)に「二重スパイになれ」と言う。翌朝、オランダのレジスタンス組織に属さない「独立した抵抗組織」のリーダー「スカーフ」(ヴィクター・マチュア)に救出される。「二重スパイ」の話は立ち消えになる。

●ディートリヒ大佐「秘密裡に我々の側につけ。捕虜になっているのは、君の頭脳・才能の無駄だ。つく側を変えれば、★君は天職を続けられる。私たちのような者は、スパイ業を極めたがる。抗い難い魅力だろ。スパイは性格を持たん。持ってると思うだけだ。忠誠心が痛むか?ドイツ人女性と結婚する必要はない(★結婚したドイツ女性が男を監視するためだ)一晩考えろ」

ピーター・デヴェンター大佐が発見されないのでドイツ軍は10月21日朝、デルフト市民3人を銃殺した。その中に、実業家ファン・オーヴェンがいた。

英国情報部は、スカーフとの連絡役を派遣する。ドイツの協力者のオランダ人の女性音楽教師フランシェンヌがいた。そのフランシェンヌにそっくりなカーラ・ファン・オーヴェン(ラナ・ターナー)が志願して来た。英国情報部はカーラをフランシェンヌに仕立ててオランダに送り込む。パラシュート降下。

★[疑問点]
カーラは歳が離れた夫と結婚し、ドイツ側に友人がいてドイツの協力者である。夫が射殺されたので、英国情報部に志願したという。う~ん。カーラは夫の財産を相続しカネ持ちである。情報部員になる必然があるのか?疑問を持ったピーター・デヴェンター大佐がカーラを調べて、2人は恋仲になる。これも何だかなあ。無理やり感がある。カーラ「祖国のために働きたい。夫の復讐を」「生きる理由をくれた。その理由を奪わないで」ピーター大佐「君の計画じゃないよな?嘘じゃないよな。疑うのが仕事だ」

オランダに潜入したカーラがスカーフとも恋仲になるのも、不要である。

[疑問点]
・オランダ諜報機関のピーター・デヴェンター大佐・暗号名「レンブラント」が、なぜか英国情報部のララビー将軍の「部下」にしか見えない。独立したオランダの情報部じゃないのか?

★オランダに潜入し音楽教師に化けたカーラ。英国情報部と協力することになったスカーフが、ドイツ軍襲撃計画を実行すると、スカーフの出かけた部下の2/3が死んでしまう事態が続き、英国情報部はドイツへの内通者がいると見る。ララビー将軍はカーラだと言う「カーラを始末しろ」。それを確認するためにピーター大佐がオランダへ。

★物語のテーマは「誰が裏切者(ドイツへの内通者)か?」に絞られる。

[ネタバレ]★この内通者がスカーフであった。ハリウッド映画なのでラナ・ターナーが叛逆者であるはずがない(笑)

ドイツと戦っていたスカーフが、なぜ叛逆者になったのかが、弱い。スカーフの最愛の母親が「ドイツの協力者」だと疑われて村人たちに「丸坊主」にされた。それが、スカーフが裏切った理由である。ウ~ン、無理やり感がある。村人たちがスカーフがレジスタンスだということを知らないはずがないよ。その母親を疑うものか。

ドイツ情報部のディートリヒ大佐(突撃隊上級将校)の飛行機が英国に不時着し投降する。ピーター大佐「二重スパイになれ」ここで開巻の「二重スパイ」が逆転し登場した。今、負傷してドイツの病院に捕虜として収容されているスカーフを、ドイツ将校に化けたピーター大佐とディートリヒ大佐(と英軍兵士2人)が救出しに行く。「移送命令」を偽造してスカーフを飛行機に乗せて脱出する。その時にドイツに残ろうとしたディートリヒ大佐をピーター大佐が殺す。

カーラ「スカーフはいつも無傷で攻撃から戻る。内通者はスカーフよ」という言葉を証明しようと、ピーター大佐がスカーフと対峙する。胸を撃たれたスカーフに傷はなかった。

アンヘルムでドイツ軍に包囲されていた英軍2500人とカーラが救出された。

[疑問点]
ドイツの協力者の音楽教師フランシェンヌに化けてアンヘルムに下宿したカーラ「(壁の)ウィルヘルミナ女王(1880-1962/在位:1890-1948)の肖像画を外して」と言う。宿の女将はカーラがドイツの協力者だと知っている。

→この女将の孫の青年がスカーフの仲間で負傷して下宿に搬入される。そこにカーラと女将がいる。おいおい、自分の孫がレジスタンスだとドイツの協力者のカーラに知れたらマズイだろ。ここでは、女将はカーラがスカーフの仲間だと知っているようだ。変だな。

カーラが化けた音楽教師として働く場面はない。スカーフが本物の音楽教師フランシェンヌを殺害している。1回だけドイツ将校のパーティで1曲歌うだけ。普段はカーラはドイツの協力者として行動し、人目を忍んでスカーフに任務を伝えるはず。ところが、カーラが周囲に注意を払う描写はない。いつもスカーフの家に出入りしている。

バレないかという緊張感が皆無だ。一度だけ学校で無線機を出したカーラの所にドイツ将校が来た。本物の音楽教師フランシェンヌはドイツの協力者なんだから、ドイツ軍に知り合いが多く、ドイツ人の彼氏がいるかもしれない。そういう、カーラの緊張感がある日常は全く描かれない。

画面では、監督:Gottfried Reinhardt、脚本:Ronald Millar、George Froeschel、音楽:Walter Goehr、撮影:F.A. Young、美術:Alfred Junge、編集:John Dunning、Raymond Poulton、撮影効果(Photographic Effects):Tom Howard、Miss Turner's Costumes Designed:Balmain-Paris、Make-Up:John O'Gorman である。