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ステラ・ダラス(1937)
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ラスト、自分の娘の結婚式に敢えて出席せず、遠くから見守るだけにするステラ(スタンウィック)。彼女が流す涙を観ながら、このシーンどこかで見た記憶があるなあと思う。それがリメイクの「ステラ」だったか別の映画だったか定かではないけど、メロドラマとしてはありがちなシーケンスとは言えるだろう。娘のために自分は身を引いて遠くから眺めるだけにする・・・そんな母親らしい行動が泣かせるのだが。 ではステラとはそんなに儚げで哀れな女性だったのかというと逆である。冒頭シーンからしてガラッぱちで気が強く荒んだ性格の女として登場する。父らが働く会社の重役スチーブンに巧みに近づき、言い寄る彼女の頭の中には打算しかない。サスペンスドラマに登場するのがお似合いのような女としての登場なのである。ではそんな女がどうやってラストシーンのような殊勝な女へと変貌を遂げることになったのか。それが本作の見どころなのだと思う。 劇中、ステラという女のキャラがなかなか掴めない。夫を差し置いて素性の良からぬ男たちの輪の中に入っていくステラ。夫婦仲が険悪なのかと言うとそうでもない。では男好き遊び好きで家庭には不向きな女かというとこれまたそうでもない。生まれた娘の面倒を甲斐甲斐しくみる愛情深い女でもある。どうもステラという女性の立ち位置がなかなか掴めない。 どうやら映画には当時のアメリカにおける階級社会への批判的視座が盛り込まれていたらしい・・・という解説をあとで読んで少し腑に落ちる。確かにセレブの中にあって貧困家庭の出であるステラには居場所がなさそうではあった。それが落ち着きのないスタンウィックの演技で強調されていたわけだ。そんな生活に嫌気がさしたステラは夫と別居、娘とふたり暮らし始めるが・・・。 ハイソな人々の中にあって、友人たちの心無い言葉に傷つく娘ローレル(アン・シャーリー)。深夜列車で彼らのひそひそ話をこっそり聞いてしまう母娘のシーンが転回点であったろうか。それからのステラの行動に迷いは感じられなかった。 格差社会というか階級意識のくだらなさを映画は強く印象づけながら感動的なラストへと導く。ステラだけを追いかけてみるとまるでジェットコースターのような人間ドラマを味わうことができる名画だ。
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