今見ると、息子も酷いが、嫁には優しい父親の家族に対する罪の重さもひしひしと感じる。
じっくりとキャラクターの心情を表現する演出だが、時々ハッとさせられる瞬間もある。
秘書が能面を被るシーンと嫁の菊子が鼻血を流すシーン。
終盤までなかなか姿を現さない息子の浮気相手。それまでに秘書だったり、同居している女だったりが登場して、どこか浮気相手の存在自体を隠すような設定は何故なのか謎だ。
常に笑顔で苦悩を表に出さない菊子が実は大きな決断をしていたのは意外な展開。
父親と嫁が歩きながら会話するシーンは冒頭から何度もあり、最後も公園での歩きながらの会話で幕を閉じる。