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鑑賞日 2025/04/07  登録日 2025/04/07  評点 68点 

鑑賞方法 映画館/宮城県/MOVIX仙台 
3D/字幕 -/-
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甘く切ないファンタジー

 成長した姿は彼女たちの思い描いた姿だったのか。さくらも彩芽も殺人犯に対して何で殺したと問うけど、そこにどんな意味があるんだ。すでに12年経過し、殺人の理由を知ったから何が変わるんだろう。それでどんな安心が得られるんだろう。殺人犯は刑期を終えてもやはり殺人犯なんだろうか。そのあたりの葛藤はファンタジーには不要かな。「プレゼンス」でもそうだったけど、幽霊というのは壁やドアをすり抜けられるものだと思っていたけど、そうではなかったんだ。さらに「プレゼンス」ではポルターガイスト現象のようなことができたけど、そういったことはできなかったのは三人の思いが足りなかったのだろうか。見ることも触れることもできるのに相手からは一切認識されない存在ってすごく寂しい。そんな生活を12年も続け、さらにこれからも続けようとしていたあの三人はいったい何者なのだろう。そこから抜け出すことはできないのか。年を重ね婆さんになっても存在し続けるのか。その先はどうなるんだ。いわゆる成仏ということはあり得ないのか。是非津永の元を訪ねていき真理の探究をして欲しいものです。一方12年もの間遠ざかっていたピアノはちょっと練習するだけで元の様に弾けるようになるものなんだろうか。そしてさくらの家庭環境が全然出てこなかったがあの年齢なら母親を求める気持ちが強いんじゃないかと思うんだけど、いったい何があったんだろう。こういったファンタジーにそこまで求めてはいけないのかな。すず、花、果耶はいずれも愛おしかった。そして「声は風」は耳に残りましたね。ところで最後のシーンでムーンライダーズのおじいちゃんたちには彼女らは見えていたんでしょうか。

あらすじ:合唱コンクール前日、練習室でピアノを弾く典真、そばで音楽劇のシナリオを書く美咲、美咲のおなかが鳴り典真が席を外す。典真を探す美咲だったが続々登場する仲間。当日はあわただしいので今のうちに写真を撮ろうという提案でみんなが並ぶ。美咲は典真がいないと訴えるが写真撮影に。ちょうどシャッターが下りるときドアが開き皆一斉にドアの方を向きシャッターが下りる。12年後さくらが古い一軒家に帰って来ると、美咲と優花がさくらの20歳の誕生日パーティをサプライズで準備していた。サプライズを見越していたさくらは冷静だった。それでも美咲と優花のベッドにさくらからのお礼の手紙が置いてあった。朝起きてみんなでご飯を食べ美咲は会社に仕事へ、優花は大学へ、さくらは水族館へアルバイトに出かけた。美咲とさくらが乗るバスでいつも遭遇する寝ぐせの男性を美咲が気にかけていることから、さくらは美咲の背中を押すが美咲は消極的だった。さくらはその男性の携帯を盗み見て、彼女とコンサートに行くことを知り、ふたりで同じコンサートへ。彼女が二股をかけていることを知ったさくらがステージに上がって大声でなじり、美咲がそれを止めるが誰も反応しない。美咲、優花、さくらは12年前合唱団の練習所へ侵入した若者による無差別刺殺事件で死んだ三人だった。三人は自分の死体が運ばれていくのを眺め三人で暮らすことを決め、普通に年齢を重ね成長していた。ただし他人には見られたり認識されたりすることはなく、現実のものを持ち上げても三人はそれを手に取ることはできるが、現実ではものが動くことはなかった。美咲が気にかけていた男性は成長した典真で、あの事件以来ピアノから遠ざかっていたのだった。優花は自分の母親彩芽が花屋で働いているところを見かける。また大学の講義で聞いた素粒子の話を持ち出し、自分たちはまだ発見されていない素粒子なんだと説く。そしてカミオカンデに侵入したが、加速器には到達できなかった。それでも以前加速器に侵入した人物の名前を津永だと知り、いつも聞いているラジオのパーソナリティだとわかる。ラジオでは一度死んだ津永が現世の妻と思いが通じ再び現世で生きることができたといい、現世の人と思いが通じたら、明け方までに灯台に来て飛べという。優花は彩芽の元を訊ねるが再婚し幼い娘がいて、自分のことはもう忘れているのではないかと思ってしまった。さくらは自分たちを殺した犯人増崎が出所し港湾の倉庫で働いていることを突き止めていた。三人で増崎の所を訪れた時彩芽も訪ねて来ていた。増崎を車で連れ出し、なぜ殺したと問い詰めるが、もう職場に戻らないととそっけない増崎に彩芽は包丁を突き付けるが反撃され逃げ出す。三人は彩芽を応援し彩芽は逃げ続けたが、包丁を持った増崎に追いつかれる。しかし不用意に道を渡ろうとした増崎は車にはねられてしまうのだった。思いが通じたと思った三人は灯台を目指し朝日に向かって大声で叫ぶ。しかしやはり三人は他人から認識されるようにはならなかった。一方典真は合唱団の指揮者から、ピアノ伴奏をするよう頼まれいったんは断るが、指揮者からリハーサル室の鍵を渡されると懐かしい部屋へ入る。一通り見て回り帰ろうとしたとき楽譜などが落ち、その中に美咲の書いた音楽劇の台本を見つける。それを読む典真。それに合わせて台詞を言う美咲。典真には美咲は見えないが美咲を抱くようなしぐさ、それに合わせて典真に抱かれる美咲だった。そして三人は合唱に参加することを決め練習を開始、典真も伴奏を引き受け、無事コンクールで歌うのだった。その後三人は今まで住んでいた家に借り手が付きリフォームされることになったため別の住処を見つけるため出て行くのだった。